【仏像】もうすぐ国宝に指定される白鳳仏/深大寺(東京都調布市)
梅雨の晴れ間に深大寺まで、新たに国宝に指定される白鳳仏を拝観しに行ってきました。
【寺院名】天台宗別格本山 浮岳山 深大寺
【公式サイト】・http://www.jindaiji.or.jp 【住所】東京都調布市深大寺元町五丁目15番地1
【拝観】毎日可。平成30年3月31日までは拝観料は志納。
【仏像】
・銅造釈迦如来倚像(白鳳仏) 像高83.9cm 白鳳期 国宝(2017年度指定見込み)お姿
・薬師如来、弥勒菩薩、十一面観音、満功上人像、大楽大師像(開山堂)
本堂です。こちらに安定されている宝冠阿弥陀如来は公開しておりませんでした。
こちらの釈迦堂に白鳳仏さまが安置されております。ガラスが貼ってあって、2mくらいの距離からの拝観です。案内のテープがエンドレスで流れております。お賽銭箱に拝観料を志納すると、パンフレットをいただけます。これまで許可されていた写真撮影は、今年の5月から禁止となっております。
白鳳時代の銅像と聞いて30〜40センチの小さなものとか思っておりましたが、腰掛けた姿勢で像高83.9cmと、けっこう大きなものでした。
腰掛けた姿勢(倚坐(いざ))で、背筋はすっと伸ばし、脚は膝を少し開いてゆったりした感じです。左足より右足の膝を少し外側に開いてます。印相は施無畏与願印(せむい よがんいん)ですが、右手の中指、薬指は先が欠損しているようです。ややお腹が出てますが、全体としては均整が取れていて、お顔は鼻から眉への曲線がくっきりと延びてお、切れ長の目。平安以降の荘厳で厳粛な表情ではなく、まことにおっとりした表情です。螺髪は表現されておりません。
衣紋の流れが装飾的で、両脛の左右から交互にのびるシワや、両足の中央に描かれたサインカーブのような曲線、腰掛けから垂れ下がった衣の一番下の、波のような襞などがとても美しいです。
のびやかで装飾的で、威圧感のない、とても素晴らしい仏さまでした。
両脇には、奈良の新薬師寺の香薬師像と、兵庫県の鶴林寺の聖観音立像のレプリカが置かれております。どちらもオリジナルは重要文化財の白鳳仏ですが、ぽん太は残念ながらまだ拝観したことがありません。
鶴林寺の聖観音さまは、ウェストをキュッと絞って、ちょっと腰をひねった流麗なポーズ。香薬師さまは、直立した姿勢や、両手の形、衣紋の流れなど、深大寺の白鳳仏さまと似ており、同じ工房で作られた可能性も指摘されているそうです。
元三大師堂です。こちらの本尊は慈恵大師坐像(じえだいしざぞう)だそうですが、厨子の扉は固く閉ざされておりました。天井の龍の絵は、河鍋暁斎によるものだそうです。
堂内には薬師如来と弥勒菩薩、十一面観音、深大寺を開いた満功上人、天台宗に改宗した大楽大師の5像が祀られており、扉の格子の間から見ることができます。新しく見えますが、いつ頃のものでしょうか。弥勒菩薩の光背に火炎があるのが珍しいです。
岩に線彫りされた延命観音さまです。案内板によると、昭和41年に秋田県象潟港の工事のおりに、海底から引き上げられたものだそうです。
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