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2018年1月の4件の記事

2018/01/27

【歌舞伎】新染五郎の義経がいいね。2018年1月歌舞伎座夜の部

 一月の歌舞伎座は、白鵬、幸四郎、染五郎の三大襲名疲労公演。ぽん太とにゃん子は夜の部を観劇。
 ちっちゃかった金太郎くん、いつの間にか大きくなりました。でも先日見たテレビでは、仏像フィギュアを集めていて、吉本新喜劇で乳首ドリルが人気の吉田裕のファンで、家で紙で舞台背景を作って人形を並べて劇を演じるのが趣味など、ちょっと変な人のようです。
 かなり細面でひょろっとしていて、これまでの高麗屋と違う雰囲気の役者になりそうです。今後が楽しみですね。

 さて、最初の演目は、「双蝶々曲輪日記」の「角力場」。愛之助が山崎屋与五郎と放駒長吉の二役を演じました。なんか愛之助のつっころばしは、なよなよした可愛らしさよりも、滑稽さが優っていて、なんかヘンなヤツでした。笑いましたけど。

 口上は、参加者(?)が多かった上、三人そろっての襲名だったせいか、面白い話を披露する人が少なかったのがちと残念。録音が入っていたので、よけいに変なことを言いづらかったのかもしれません。左団次と東蔵が、白鴎と同じ小学校出身という話で盛り上がってました。

 「勧進帳」は、幸四郎の弁慶に、染五郎の義経。幸四郎は、荒事っぽい豪放さがついてきましたね〜。お父さんの、まるで呪文のような節回しやねちっこい演技とは違って、すっきりとストレートな演技でした。弁慶の気迫と緊迫感は伝わってきましたが、もう少し様式性がってもいいような気も。最後の幕外では、観客席に向かってのお辞儀(?)を浅くして、拍手が起きないようにしてました。以前に地方公演で見た白鴎の弁慶で、観客の手拍子に合わせて飛び六方で引っ込んだのを思い出しました。
 義経の染五郎、白塗りするとなかなかの美形です。育ちのよさに変な人系のおっとりさが加わって、高貴さがあります。さらにはかなさが漂い、判官御手の哀しさなど、素晴らしい義経でした。
 吉右衛門の富樫にはただただ脱帽。細かい演技が素晴らしいです。例えば「こは先達の荒けなし」での泣き出しそうな表情。幸四郎の打擲はいまいち迫力がありませんでしたが、吉右衛門の表情から、いかにそれが激しいものであったかが推測されました。そのあと涙を隠して引っ込むまでの一連の演技も、主君を打つ弁慶、打たれる義経に対する思い、義経一行を見逃すことで当然自分は切腹することになるという決意など、様々な思いが見て取れました。
 四天王が鴈治郎、芝翫、愛之助、歌六というご馳走。
 長唄の里長が元気がなく心配。「判官御手」も他の人でした。でも里長が唄った「実に実に」の節回しには聴き惚れました。

 最後は踊りで明るくめでたく締めました。
 「相生獅子」では孝太郎がのキビキビした踊りが相変わらず素晴らしい。
 「三人形」は「古風」な踊りだそうで、「丹前六方」という動きがあるらしいけど、よくわからず。又五郎のタップダンスのような踊りが面白かったです。


  歌舞伎座百三十年
  松本幸四郎改め 二代目 松本白 鸚
  市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎 襲名披露
  松本金太郎改め 八代目 市川染五郎

壽 初春大歌舞伎

歌舞伎座
平成30年1月24日

公式サイト
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/541


夜の部

一、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
  角力場

  濡髪長五郎  芝翫
  藤屋吾妻  七之助
  仲居おたけ  宗之助
  茶亭金平  錦吾
  山崎屋与五郎/放駒長吉  愛之助


   二代目松本白 鸚
二、十代目松本幸四郎 襲名披露 口上(こうじょう)
   八代目市川染五郎

  幸四郎改め白鸚
  染五郎改め幸四郎
  金太郎改め染五郎
  幹部俳優出演


三、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)

  武蔵坊弁慶  染五郎改め幸四郎
  源義経  金太郎改め染五郎
  亀井六郎  鴈治郎
  片岡八郎  芝翫
  駿河次郎  愛之助
  常陸坊海尊  歌六
  の左衛門  吉右衛門

  
四、上 相生獅子(あいおいじし)
  下 三人形(みつにんぎょう)

〈相生獅子〉
  姫  扇雀
  姫  孝太郎

〈三人形〉
  傾城  雀右衛門
  若衆  鴈治郎
  奴  又五郎 

2018/01/26

【バレエ】プライベート感あふれる上質なステージ「ル・グラン・ガラ2018」

 ダンサーがわずか5人で、音楽も録音テープ、全体にちょっと短い公演でしたが、とても見応えがありました。かなり質の高い舞台だったと思います。これでもう少し小さいホールだったら良かったのに。

 ぽん太とにゃん子、今回は1回の前から8列目という良い席でした
 ただシアターオーブは、1回席が7列目までフラットなので注意が必要。6,7列目の人たちは舞台が見づらそうで、頭を左右に振りながら見てました。
 渋谷ヒカリエの上にあるこのホールは、なかなかオシャレですし、チケットの半券があると飲食店のサービスがあるのもうれしいです。ただ動線が狭いので、公演終了後はエレベーターやエスカレーターが大混雑になります。

 ついでに文句を言うと、これは主催者に対してですが、演目や出演者の情報が入場者にまったく配られないのはいかがなものでしょうか。プログラムを購入しないと、演目さえわかりません。コピー1枚でいいので、配って欲しいです。
 それから音楽を流すスピーカーの質が悪すぎます。ヴァグナーの壮大な音楽を、歪んだ音で聴くのは苦痛です。
 改善のほど、よろしくお願い申し上げます。


 最初の演目は「ヴェーゼンドンク歌曲集」。ヴァグナーの歌曲に合わせて、ジェルマン・ルーヴェ、ユーゴ・マルシャン、オニール八菜が踊りました。ルーヴェとマルシャンが八菜と官能的な踊りを繰り広げ、時に男性二人が同性愛っぽささえ漂わせるという振り付け。マンチーニの振り付けは、コンテではあるけれど奇を衒わず、オシャレな雰囲気でした。休憩時間にホワイエでお客さんから写真をせがまれてました。カテコでも登場しました。
 三人のダンサーのなかでは、体の動かし方や線の美しさなど、ルーヴェが抜きん出てました。

 休憩後はガニオとジルベールの「トリスタンとイゾルデ」。
 こうして続けてみると、動きといい雰囲気といい、若手とは全然違いますね〜。やっぱり素晴らしいです。
 2年前の「月夜に煌めくエトワール」公演で一部を観ておりますが、全幕公演は今回が日本初演だそうです。
 音楽は、ヴァグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」の、序曲、愛の二重唱(の終わり)、愛の死。
 美術は、背後に大きな布が斜めに張られるというシンプルなものだが、船の帆を思わせて、なかなか美しかったです。途中で纏ったキラキラ光る薄いベールが、まるで液体のようでした。
 物語としては、男女に愛が芽生え、激しく燃え、最後は死を迎えるというもので、ちょっと「ロミジュリ」と被っている気がしました。もちろん初々しい「ロミジュリ」とは異なり、大人の愛ですが……。「トリスタンとイゾルデ」を題材にするのなら、「愛イコール死」という究極の官能的な世界を描いて欲しかったです。
 二回の幕間で投影される映像が、毛穴まではっきり見える皮膚の拡大や、口腔内のアップがあって、ちょっと生々しかったです。ほかの奥様、お嬢様方は、さすがに引いたんじゃないのかな?ジルベールの旦那の写真家ジェームス・ボルトが撮影したものらしいです。
 そういえば、ガニオがジルベールの腕をべろ〜と舐めるみたいな振り付けも、ちょっと引いたな〜。

 
 とはいえ全体としては、最初に書いたように、こじんまりしながらとってもオシャレな、素晴らしいパフォーマンスでした。

ル・グラン・ガラ  ー Le Grand Gala 2018 ー

2018年1月11日
東急シアターオーブ

TBSの公式サイト
http://www.tbs.co.jp/event/parisopera-gala/


「ヴェーゼンドンク歌曲集」(世界初演)

振付:ジョルジオ・マンチーニ
音楽:リヒャルト・ワーグナー
出演:ジェルマン・ルーヴェ、ユーゴ・マルシャン、オニール八菜


「トリスタンとイゾルデ」(全幕日本初演)

振付:ジョルジオ・マンチーニ
音楽:リヒャルト・ワーグナー
出演:ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ


「スペシャル・フィナーレ」

2018/01/25

【歌舞伎】松也ってなんでもできるのね。2018年1月浅草公会堂・第1部・第2部

 なんかブログを書くのがだんだん面倒になってきた今日この頃です。
 恒例の新春浅草歌舞伎の感想を手短にご報告。今年も1部・2部を通しで観劇しました。

 今回はやっぱり松也が目立ちました。才能があるんですね〜。
 「元禄忠臣蔵」の「御浜御殿」では綱豊卿。風格と大きさがあって、それらしく見えました。真山青果作の対話劇ですが、セリフの強弱、緩急、間の取り方など、とても上手でした。また独特の歌い上げるような台詞回しも、うまくこなしてました。
 もし海老蔵が同じ役をやったら、たぶん何回か吹き出してしまうと思うので、松也はなかなかのものです。
 巳之助との丁々発止の掛け合いも、息が合っていて良かったです。

 また第2部の「引窓」の濡髪長五郎も、殿様から一転して、人を切って逃げ延びる相撲取りを、それらしく演じおりました。いろいろな役がつつがなく出来るんですね。今後が楽しみです。
 歌昇の南方十次兵衛は、人の良さと優しさが感じられましたが、なんか歌舞伎っぽくない印象がありました。歌女之丞の熟練の演技が舞台を引き締め、悲しみを誘っておりました。

 「鳥居前」は、隼人くんが佐藤忠信実は源九郎狐。カッコイイだけではなく、力強さと大きさが出てきました。

 「操り三番叟」は種之助が、若々しい力強い踊りを見せてくれました。

 「京人形」は新悟がすらりとして美しかったです。「御浜御殿」の江島も悪くなかったです。巳之助も巧み。


新春浅草歌舞伎

浅草公会堂
平成30年1月10日

http://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/play/545


第1部

お年玉〈年始ご挨拶〉
  中村 米吉
  

一、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
  鳥居前

 佐藤忠信実は源九郎狐  中村 隼人
 源義経  中村 種之助
 静御前  中村 梅丸
 逸見藤太  坂東 巳之助
 武蔵坊弁慶  中村 歌昇


  真山青果 作
  真山美保 演出
二、元禄忠臣蔵(げんろくちゅうしんぐら)
  御浜御殿綱豊卿

 徳川綱豊卿  尾上 松也
 富森助右衛門  坂東 巳之助
 御祐筆江島  坂東 新悟
 中臈お喜世  中村 米吉
 上臈浦尾  中村 歌女之丞
 新井勘解由  中村 錦之助

第2部

お年玉〈年始ご挨拶〉
  中村 歌昇


一、操り三番叟(あやつりさんばそう)

 三番叟  中村 種之助
 千歳  中村 隼人
 後見  中村 梅丸
 翁  中村 錦之助


  双蝶々曲輪日記
二、引窓(ひきまど)

 南与兵衛後に南方十次兵衛  中村 歌昇
 女房お早  中村 米吉
 平岡丹平  坂東 巳之助
 三原伝造  中村 隼人
 母お幸  中村 歌女之丞
 濡髪長五郎  尾上 松也


  銘作左小刀
三、京人形(きょうにんぎょう)

 彫物師甚五郎  坂東 巳之助
 京人形の精  坂東 新悟
 娘おみつ実は義照妹井筒姫  中村 梅丸
 女房おとく  中村 種之助
 奴照平  中村 歌昇

2018/01/08

【海外旅行】アメリカナイズ前にキューバ訪問(1) まずは日程のご案内

Img_1537

 ぽん太とにゃん子、今年の年末年始はキューバに行ってきました。

 キューバといえば、カストロ率いる社会主義国家。ミサイル危機を初めとし、ことあるごとにアメリカ合州国と対立して来ました。しかし2015年、オバマ政権下でキューバとアメリカは国交を回復。アメリカから多くの観光客が訪れるようになりました。
 これでキューバにちょっと行きやすくなりましたが、同時にアメリカからどんどん資本が流れ込むことで、キューバ社会が変質していくのではないかという心配も出てきます。さらにトランプ大統領が再びキューバへの渡航、商取引を規制強化。ひょっとしたら、次第にキューバに行きにくくなるかも。そんなわけで、早いうちにキューバに行きたいと思っていおりましたが、今回日程のタイミングなどが合って、夢がかないました。

 今回の旅行、いろいろと思いがけないというか、ありえない出来事が起きたのですが、いま覚えばこれこそが「アメリカナイズされる前」ということなのか……。

 お世話になった旅行社はユーラシア旅行社、ツアー名は「カリブの楽園、じっくりキューバ8都市周遊 9日間」です。

 まずは全体の大雑把な行程をご案内。
 


【1日目】
 アエロメヒコ航空で成田を出発。メキシコシティーでトランジットして、キューバのハバナに到着。
 ハバナ泊(メモリーズ・ミラマール)

【2日目】
 ハバナ市内観光。スペイン植民地時代の「モロ要塞」、「カバーニャ要塞」を見学。
 ヘミングウェイの定宿の「ホテル・アンボスムンドス」屋上レストランにて昼食。ヘミングウェイが泊まった部屋の見学。
 ハバナ旧市街観光。「アルマス広場」、「カテドラル広場」、「旧国会議事堂」。
 クラシックカー乗車体験。
 夕食は、ヘミングウェイがモヒート(カクテル)を飲みに通った「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」にて。キューバ風豆ごはんのコングリもいただきました。
 世界有数のキャバレー「トロピカーナ」観覧
 ハバナ泊(メモリーズ・ミラマール) 

【3日目】
 ハバナ市内観光:「革命広場」、「支倉常長像」。
 バスで『老人と海』の舞台になったコヒマル村に移動。
 ヘミングウィエお気に入りのレストラン「ラテラッツァ」を車窓から見学した後、映画『老人と海』のロケが行われた「コヒマル要塞」を観光。「ヘミングウェイの胸像」もありました。
 再びバスでハバナに戻ります。
 「ヘミングウェイ博物館」を見学。
 2時間遅延したクバーナ航空でサンティアゴ・デ・クーバに移動。
 サンティアゴ・デ・クーバ市内の「セスペデス広場」観光。
 メリア・サンティアゴ・デ・クーバ泊

【4日目】
 バスでビランに移動。
 カストロの生家見学
 バスでサンティアゴ・デ・クーバに戻ります。
 市内観光。革命軍が急襲に失敗してカストロが逮捕されるきっかけいになった「7月26日モンカダ兵営博物館」、カストロが眠る「サンタ・イフィヘニア墓地」。
 カリブ海を望むレストランMORROで昼食。
 モロ要塞見学。
 飛行機でハバナに戻ります。なんと7時間の遅延!!
 ハバナ泊(メモリーズ・ミラマール)

【5日目】
 バスでサンタクララに移動。
 サンタクララ市内観光。チェ・ゲバラのゆかりの地をたどります。「革命広場」、「チェ・ゲバラ記念霊廟」、「装甲列車襲撃記念碑」、「カピーロの丘」。
 バスで古都トリニダーに移動。
 トリニダー市内観光。「サンティシマ広場」、「サンティシマ教会」。バー「ラ・カンチャンチャラ」で同名のカクテルをいただく。
 トリニダー泊(ホテル・アンコン)。

【6日目】
 バスでシエンフエゴスへ移動。
 フランス風の建物が並ぶシエンフエゴス旧市街を観光「ホセ・マルティ」広場。
 バスでキューバ最大のリゾート地バラデロへ移動。
 大富豪デュボンの邸宅を改装したレストラン「キサナドゥ」で昼食。
 バラデロ泊。宿泊予定のホテルに部屋がなく(!)、急遽「パラディスス・プリンセサ・デル・マール・リゾート&スパ」に宿泊。予定の宿より高級でラッキーでした。

【7日目】
 バスでハバナに戻ります。
 途中、キューバ最長の橋「バクナヤグア」で休憩。カクテル「ピニャコラーダ」をいただきました。
 終わってみればあっという間。ハバナから日本に向けて出発

【8日目】
 メキシコシティー発

【9日目】
 日付変更線を超え、成田空港到着。お疲れ様でした。

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