【歌舞伎】新染五郎の義経がいいね。2018年1月歌舞伎座夜の部
一月の歌舞伎座は、白鵬、幸四郎、染五郎の三大襲名疲労公演。ぽん太とにゃん子は夜の部を観劇。
ちっちゃかった金太郎くん、いつの間にか大きくなりました。でも先日見たテレビでは、仏像フィギュアを集めていて、吉本新喜劇で乳首ドリルが人気の吉田裕のファンで、家で紙で舞台背景を作って人形を並べて劇を演じるのが趣味など、ちょっと変な人のようです。
かなり細面でひょろっとしていて、これまでの高麗屋と違う雰囲気の役者になりそうです。今後が楽しみですね。
さて、最初の演目は、「双蝶々曲輪日記」の「角力場」。愛之助が山崎屋与五郎と放駒長吉の二役を演じました。なんか愛之助のつっころばしは、なよなよした可愛らしさよりも、滑稽さが優っていて、なんかヘンなヤツでした。笑いましたけど。
口上は、参加者(?)が多かった上、三人そろっての襲名だったせいか、面白い話を披露する人が少なかったのがちと残念。録音が入っていたので、よけいに変なことを言いづらかったのかもしれません。左団次と東蔵が、白鴎と同じ小学校出身という話で盛り上がってました。
「勧進帳」は、幸四郎の弁慶に、染五郎の義経。幸四郎は、荒事っぽい豪放さがついてきましたね〜。お父さんの、まるで呪文のような節回しやねちっこい演技とは違って、すっきりとストレートな演技でした。弁慶の気迫と緊迫感は伝わってきましたが、もう少し様式性がってもいいような気も。最後の幕外では、観客席に向かってのお辞儀(?)を浅くして、拍手が起きないようにしてました。以前に地方公演で見た白鴎の弁慶で、観客の手拍子に合わせて飛び六方で引っ込んだのを思い出しました。
義経の染五郎、白塗りするとなかなかの美形です。育ちのよさに変な人系のおっとりさが加わって、高貴さがあります。さらにはかなさが漂い、判官御手の哀しさなど、素晴らしい義経でした。
吉右衛門の富樫にはただただ脱帽。細かい演技が素晴らしいです。例えば「こは先達の荒けなし」での泣き出しそうな表情。幸四郎の打擲はいまいち迫力がありませんでしたが、吉右衛門の表情から、いかにそれが激しいものであったかが推測されました。そのあと涙を隠して引っ込むまでの一連の演技も、主君を打つ弁慶、打たれる義経に対する思い、義経一行を見逃すことで当然自分は切腹することになるという決意など、様々な思いが見て取れました。
四天王が鴈治郎、芝翫、愛之助、歌六というご馳走。
長唄の里長が元気がなく心配。「判官御手」も他の人でした。でも里長が唄った「実に実に」の節回しには聴き惚れました。
最後は踊りで明るくめでたく締めました。
「相生獅子」では孝太郎がのキビキビした踊りが相変わらず素晴らしい。
「三人形」は「古風」な踊りだそうで、「丹前六方」という動きがあるらしいけど、よくわからず。又五郎のタップダンスのような踊りが面白かったです。
歌舞伎座百三十年
松本幸四郎改め 二代目 松本白 鸚
市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎 襲名披露
松本金太郎改め 八代目 市川染五郎
壽 初春大歌舞伎
歌舞伎座
平成30年1月24日
公式サイト
・http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/541
夜の部
一、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
角力場
濡髪長五郎 芝翫
藤屋吾妻 七之助
仲居おたけ 宗之助
茶亭金平 錦吾
山崎屋与五郎/放駒長吉 愛之助
二代目松本白 鸚
二、十代目松本幸四郎 襲名披露 口上(こうじょう)
八代目市川染五郎
幸四郎改め白鸚
染五郎改め幸四郎
金太郎改め染五郎
幹部俳優出演
三、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
武蔵坊弁慶 染五郎改め幸四郎
源義経 金太郎改め染五郎
亀井六郎 鴈治郎
片岡八郎 芝翫
駿河次郎 愛之助
常陸坊海尊 歌六
の左衛門 吉右衛門
四、上 相生獅子(あいおいじし)
下 三人形(みつにんぎょう)
〈相生獅子〉
姫 扇雀
姫 孝太郎
〈三人形〉
傾城 雀右衛門
若衆 鴈治郎
奴 又五郎
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