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2018年2月の2件の記事

2018/02/09

【バレエ】なんか感動!コジョカル/トルーシュ、ノイマイヤー「椿姫」ハンブルク・バレエ団2018年来日公演

 うんにゃ〜、素晴らしかったです。
 「椿姫」の全幕は、以前にパリ・オペラ座の来日公演で観て感動しましたが、本場ハンブルクのはさらに凄いですね〜。劇的表現が半端なく、観ていて感情が揺さぶられます。思わず目がうるうるしてしまいました。

 コジョカル、お顔が可愛らしい上に、踊りもうまいし、演技力も抜群。イギリスで鍛えられた演技力に、さらに磨きがかかった感じ。例えば最後の方で、もはや関係が悪化したアルマンと出会って、アルマンが腰をかがめるシーン。マルグリットは目の前にある愛するアルマンの髪に思わず手を伸ばしますが、髪に触れた瞬間、はっと気づいて手を引っ込めます。こうした小さな演技に、ぽん太の胸は締め付けられ、目からは涙ぼろぼろです。

 対するアルマン役のアレクサンドル・トルーシュは、コジョカルと比べるとちょっと物足りなかったです。ガラで黒のパ・ド・ドゥだけ観たとしたら、もっとこってりと踊って欲しいと思ったでしょうけど、全幕で観ると、若くてウブでまっすぐな青年というキャラクターで、これはこれで悪くないのかもしれません。

 リアブコとアッツォーニ、「マノン・レスコー」の劇中劇で頑張っておりました。ちょっとおどろおどろしい感じの踊り方で、良かったです。

 ハンブルク・バレエ団は主役だけでなく、コールドに至るまで全員が、常に感情を意識して踊っている気がします。踊りが言葉のように思えます。

 ノイマイヤーの振り付けも、言うまでもなく素晴らしかったです。例えば第1幕は、オケは、ショパンのピアノ協奏曲第2番を全楽章通して演奏しているだけですが、それが椿姫のストーリー展開に当てはまっていて、さらに音楽の細かいニュアンスが登場人物の気持ちの微妙な変化に対応していて、それが振り付けで表現されている、そんなことがなぜ可能なのか、ぽん太にはまったく理解できませんた。
 一方で、アルマンの父親がマルグリットに別れて欲しいという重々しい場面では、明るく愛らしいプレリュード第17番が使われたりして、裏をかかれたりしました。
 「一夜の代金」を、オペラみたいに舞台の中央で叩きつけたりしないところもいいですね。アルマンからそっと封筒を受け取ったマルグリットが、愛する彼がどんな手紙をくれたんだろうかと気が急いて、指を震わせながら封筒を開けて手紙を読もうとしている様子も泣けました。

 「椿姫」のアレクサンドル・デュマ・フィスの原作と、ヴェルディのオペラ、ノイマイヤーのバレエなどの関係については、以前の記事(【バレエ】デュポン/モロー「椿姫」パリ・オペラ座バレエ団)で触れました。

 使われている曲はWikipediaに出てますね。第3幕で使われてた聞いたことのないオケとピアノの曲、「ポーランド民謡による大幻想曲イ長調」ですか。

「椿姫」
アレクサンドル・デュマ・フィスの小説に基づく

2018年2月8日
東京文化会館

音楽: フレデリック・ショパン
振付・演出: ジョン・ノイマイヤー
美術・装置: ユルゲン・ローゼ 

NBS公式サイトの公演案内

◆主な配役◆
マルグリット・ゴーティエ:アリーナ・コジョカル(ゲスト・アーティスト)
アルマン・デュヴァル:アレクサンドル・トルーシュ
ムッシュー・デュヴァル(アルマンの父):カーステン・ユング

マノン・レスコー:シルヴィア・アッツォーニ
デ・グリュー:アレクサンドル・リアブコ

プリュダンス:菅井円加
ガストン・リュー:ヤコポ・ベルーシ
オランプ:フロレンシア・チネラート
公爵:ダリオ・フランコーニ
伯爵N:コンスタンティン・ツェリコフ
ナニーヌ(マルグリットの侍女):パトリシア・フリッツァ

演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:マルクス・レーティネン
ピアノ:ミハル・ビアルク、オンドレイ・ルドチェンコ

2018/02/08

【オペラ】楽しいけれどもどことなく既視感が……「こうもり」新国立オペラ

 新国立の「こうもり」、ぽん太はこのプロダクションは4回目の鑑賞。楽しくて流麗な素晴らしいオペレッタだけど、ちょっと飽きてきた感があります。
 歌手も同じ人が多いし……。アイゼンシュタインのアドリアン・エレート、アデーレのジェニファー・オローリン、ファルケ博士のクレメンス・ザンダー、アルフレードの村上公太、ブリント博士の大久保光哉と、みな前回と同じ。フロッシュはフランツ・スラーダが戻ってきました。指揮のアルフレート・エシュヴェも前回と同じ。
 もちろん皆わるくはないんだけど、でもちょっと変えて欲しい気もしました。

 新しいところでは、ロザリンデのエリーザベト・フレヒルが、オーストリア生まれでウィーン・フォルクスオーパーで歌ってるだけあって、歌も演技も素晴らしかったです。チャールダーシュも堂々としておりました。先日「薔薇の騎士」でオクタヴィアンを歌ったステファニー・アタナソフが、オルロフスキー公爵。なかなかの美形でしたが、絶対笑わない変人の暴君ぽさには少し欠けました。フロッシュのフランツ・スラーダは悪くはありませんが、特に印象が残りませんでした。
 
 個人的には、可愛らしくて、歌も演技も愛嬌たっぷりのジェニファー・オローリンのアデーレが気に入りました。
 
 とはいえ、一年の幕開けを大いに楽しむことができました。


オペラ「こうもり」/ヨハン・シュトラウスⅡ世
Die Fledermaus / Johann Strauss II

2018年1月28日
新国立劇場、オペラパレス

新国立劇場公式サイトの公演情報

指 揮:アルフレート・エシュヴェ
演 出:ハインツ・ツェドニク
美術・衣裳:オラフ・ツォンベック
振 付:マリア・ルイーズ・ヤスカ
照 明:立田雄士
再演演出:アンゲラ・シュヴァイガー
舞台監督:髙橋尚史

ガブリエル・フォン・アイゼンシュタイン:アドリアン・エレート
ロザリンデ:エリーザベト・フレヒル
フランク:ハンス・ペーター・カンマーラー
オルロフスキー公爵:ステファニー・アタナソフ
アルフレード:村上公太
ファルケ博士:クレメンス・ザンダー
アデーレ:ジェニファー・オローリン
ブリント博士:大久保光哉
フロッシュ:フランツ・スラーダ
イーダ:鵜木絵里

合唱指揮:三澤洋史
合 唱:新国立劇場合唱団
バレエ:東京シティ・バレエ団
管弦楽:東京交響楽団

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