【バレエ】なんか感動!コジョカル/トルーシュ、ノイマイヤー「椿姫」ハンブルク・バレエ団2018年来日公演
うんにゃ〜、素晴らしかったです。
「椿姫」の全幕は、以前にパリ・オペラ座の来日公演で観て感動しましたが、本場ハンブルクのはさらに凄いですね〜。劇的表現が半端なく、観ていて感情が揺さぶられます。思わず目がうるうるしてしまいました。
コジョカル、お顔が可愛らしい上に、踊りもうまいし、演技力も抜群。イギリスで鍛えられた演技力に、さらに磨きがかかった感じ。例えば最後の方で、もはや関係が悪化したアルマンと出会って、アルマンが腰をかがめるシーン。マルグリットは目の前にある愛するアルマンの髪に思わず手を伸ばしますが、髪に触れた瞬間、はっと気づいて手を引っ込めます。こうした小さな演技に、ぽん太の胸は締め付けられ、目からは涙ぼろぼろです。
対するアルマン役のアレクサンドル・トルーシュは、コジョカルと比べるとちょっと物足りなかったです。ガラで黒のパ・ド・ドゥだけ観たとしたら、もっとこってりと踊って欲しいと思ったでしょうけど、全幕で観ると、若くてウブでまっすぐな青年というキャラクターで、これはこれで悪くないのかもしれません。
リアブコとアッツォーニ、「マノン・レスコー」の劇中劇で頑張っておりました。ちょっとおどろおどろしい感じの踊り方で、良かったです。
ハンブルク・バレエ団は主役だけでなく、コールドに至るまで全員が、常に感情を意識して踊っている気がします。踊りが言葉のように思えます。
ノイマイヤーの振り付けも、言うまでもなく素晴らしかったです。例えば第1幕は、オケは、ショパンのピアノ協奏曲第2番を全楽章通して演奏しているだけですが、それが椿姫のストーリー展開に当てはまっていて、さらに音楽の細かいニュアンスが登場人物の気持ちの微妙な変化に対応していて、それが振り付けで表現されている、そんなことがなぜ可能なのか、ぽん太にはまったく理解できませんた。
一方で、アルマンの父親がマルグリットに別れて欲しいという重々しい場面では、明るく愛らしいプレリュード第17番が使われたりして、裏をかかれたりしました。
「一夜の代金」を、オペラみたいに舞台の中央で叩きつけたりしないところもいいですね。アルマンからそっと封筒を受け取ったマルグリットが、愛する彼がどんな手紙をくれたんだろうかと気が急いて、指を震わせながら封筒を開けて手紙を読もうとしている様子も泣けました。
「椿姫」のアレクサンドル・デュマ・フィスの原作と、ヴェルディのオペラ、ノイマイヤーのバレエなどの関係については、以前の記事(【バレエ】デュポン/モロー「椿姫」パリ・オペラ座バレエ団)で触れました。
使われている曲はWikipediaに出てますね。第3幕で使われてた聞いたことのないオケとピアノの曲、「ポーランド民謡による大幻想曲イ長調」ですか。
「椿姫」
アレクサンドル・デュマ・フィスの小説に基づく
2018年2月8日
東京文化会館
音楽: フレデリック・ショパン
振付・演出: ジョン・ノイマイヤー
美術・装置: ユルゲン・ローゼ
◆主な配役◆
マルグリット・ゴーティエ:アリーナ・コジョカル(ゲスト・アーティスト)
アルマン・デュヴァル:アレクサンドル・トルーシュ
ムッシュー・デュヴァル(アルマンの父):カーステン・ユング
マノン・レスコー:シルヴィア・アッツォーニ
デ・グリュー:アレクサンドル・リアブコ
プリュダンス:菅井円加
ガストン・リュー:ヤコポ・ベルーシ
オランプ:フロレンシア・チネラート
公爵:ダリオ・フランコーニ
伯爵N:コンスタンティン・ツェリコフ
ナニーヌ(マルグリットの侍女):パトリシア・フリッツァ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:マルクス・レーティネン
ピアノ:ミハル・ビアルク、オンドレイ・ルドチェンコ
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