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2018年12月の16件の記事

2018/12/31

【仏像】5年に1度ご開帳の秘仏・薬師三尊ご開帳 大善寺(山梨県勝沼町)

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 今年の10月、以前に訪れたことがある勝沼の大善寺(【仏像】重文の日光・月光菩薩と十二神将 ぶどう寺大善寺@山梨県勝沼町)で、秘仏薬師三尊の特別公開が行われたので、行って来ました。
 この仏さまは、5年に一度しかご開帳されませんが、今年はそれに加えて、大善寺の開山1300年にあたるんだそうです。

 

 

 

【寺院名】真言宗智山派 柏尾山 大善寺(ぶどう寺)
【公式サイト】・http://katsunuma.ne.jp/~daizenji/ 【住所】山梨県甲州市勝沼町勝沼3559
【拝観日】2018年10月3日
【拝観】基本的に毎日可(時間は変わります)。拝観料500円(ご開帳時も同額でした)。駐車場有り。
【仏像】
薬師三尊像 (初) 写真   薬師如来像(葡萄薬師) サクラ 一木造 像高86.7cm 平安時代 重要文化財
  日光菩薩立像 サクラ 一木造 像高102.6cm 平安時代 重要文化財
  月光菩薩立像 サクラ 一木造 像高101.8cm 平安時代 重要文化財

 

十二神将立像 檜一木造・寄木造 像高138.2〜145.9cm 鎌倉時代 重要文化財
日光菩薩立像・月光菩薩立像 檜寄木造・玉眼 像高248.0/247.0cm 鎌倉時代 重要文化財

 

 

 
 こんかいはご開帳ということで、平日だというのに、なかなかの賑わい。受付や案内など、地元の人たちも多く参加している感じでした。

 

 さて、本尊の薬師三尊さまは、今回はじめて拝観できました。

 

 中尊の薬師如来さまは、像高90cm弱で、等身大よりやや小柄な印象。顔も大きめで、胸やお腹も肉付きが良く、座椅子にもたれかかるような、ゆったりした姿勢です。お顔はふっくらとしていて、やや面長で、顎は小さめ。目は切れ長で釣り上ってます。左手には葡萄を持っています。右手は与願印だと思うのですが、内側に親指があるかのようで、ちょっと造形が乱れてます。後年の補修によるのかもしれません。

 

 日光・月光菩薩は、胸や、腿から下の肉付きが良く、お腹もぷっくりしてます。目は細くて、まぶたはやはり腫れぼったいです。それぞれ内側の脚の膝を、少し曲げています。衣紋は翻波式。普通とは反対に、月光菩薩の方がつり目で厳しい表情をしており、日光菩薩の方が柔らかいお顔です。

 

 全体として、優しさと荘厳さを兼ね備えており、都風の洗練されたものではありませんが、平安時代の地方仏として存在感のある仏さまだと思いました。勝沼にあって、ぶどうを持っているというのが素晴らしいですね。

 

 

 前回も拝観した十二神将、キャラは立ってるけど、ポーズなど躍動感にはちと欠けます。
 大きな日光・月光菩薩。寄り目であることがわかりました。

2018/12/30

【仏像】「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」サントリー美術館

 もうだいぶ前の話ですが、サントリー美術館で開かれた醍醐寺展に行ってきました。あらゆるジャンルの密教美術が展示されており、仏像は8点でしたが、全てが国宝か重要文化財で、快慶作もあるという、充実したラインナップでした。

 醍醐寺は以前に訪れたことがありますが(
【仏像】国宝薬師三尊、五大明王など。醍醐寺(京都))、こんかいは5躯が初拝観でした。

 初拝観のものから先にご紹介します。

 まずは何と言っても如意輪観音坐像(15:出品リストの番号)(写真)。平安中期の、ゆったりおっとりした優美なお姿。お顔もふっくらとして、満ち足りた表情。伏し目がちにして、なにか思案しているのか、それともまどろんでいるのか。腰を曲げて、まるで光背によりかかってでもいるように、ゆったりと座っております。如意輪観音さまの右手は、頬に手のひらをあてている場合と、手の甲を当てている場合がありますが、この像は手の甲の方。とっても優しそうな素晴らしい如意輪さまです。

 ついで快慶作の不動明王(26)(写真)。鎌倉時代の作ですが、上の歯で下唇を噛み、両目を見開いて正面を見据えるという古風なお顔。京都の東寺・講堂の不動明王(写真)に習った、いわゆる「大師様」のお姿です。そうした制約のなかでも、細かい表情や、絞り込まれたウエスト、ちょっと持ち上げた両肩など、鎌倉らしい躍動感があり、それでいて全体として美しく収まっています。

 国宝の虚空菩薩立像(27)(写真)は、でっぷりしているというか、寸詰りというか、変わったお姿。衣紋も彫りが深くてぐるんぐるんしており、足の部分は翻波式になっております。平安初期の仏様ですね。同じ時代の三井寺の十一面観音(写真)をちょっと思い出します。
 この像は、長らく「聖観音菩薩立像」とされて来ましたが、つい先日の平成27年(2015)、調査を元に「虚空蔵菩薩立像」とお名前が変更になったそうです(春季特別公開 - 醍醐寺)。

 阿弥陀如来坐像(28)は、定朝様の整った仏様でした。

 仏像ではありませんが、聖宝坐像(5)(写真)も初めて観ました。聖宝は、平安初期に醍醐寺を開山したした人で、空海の孫弟子にあたるそうです。江戸時代の作ですが、表情から人となりが伝わってくる、見事な像です。わざわざ吉野右京種久作と付記されており、ググってみると、有名な仏師のようですが、詳しいことはよくわかりません。

 あとは再会した仏様たち。
 国宝の薬師如来および両脇侍像は、階段近くの吹き抜けスペースに展示されており、最初は(恐れ多くも)上から見下ろし、やがて足元に降りていくという感じでしたが、迫力はなかなかのものでした。
 五大明王は、霊宝館に安置されていたものですね。
 象に乗った帝釈天と、ちと珍しい牛に乗る閻魔さまも、久々にお目にかかりました。

京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-

2018年9月19日~11月11日(11月8日訪問)
サントリー美術館

サントリー美術館の公式サイト
特設サイト

出品リスト(pdf, 430.8K)

出品された仏像
    ◎重要文化財 ⦿国宝 番号は出品リストの番号です。

 写真は、醍醐寺文化財アーカイブスで見ることができます。

5 聖宝坐像 吉野右京種久作 江戸時代 延宝2年(1674) (初) 写真
14 ⦿ 薬師如来および両脇侍像 平安時代 10世紀
15 ◎ 如意輪観音坐像 平安時代 10世紀(初) 写真
22 ◎ 五大明王像 平安時代 10世紀
23 ◎ 帝釈天騎象像 平安時代 10世紀
24 ◎ 閻魔天騎牛像 平安時代 12世紀
26 ◎ 不動明王像 快慶作 鎌倉時代 建仁3年(1203) (初) 写真
27 ⦿ 虚空菩薩立像 平安時代 9世紀 (初) 写真
28 ◎ 阿弥陀如来坐像 平安時代 12世紀 (初)

2018/12/29

【温泉】テレビもない、携帯もつながらない、正真正銘のランプの宿 度合温泉再訪(★★★★)(岐阜県中津川市)

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 今年の10月末、忙しい日々が続くなか、ひなびた温泉でくつろごうと、以前に訪れたことがある(【温泉】付知峡度合温泉旅館は秘湯ムード満点のランプの宿(★★★★★))度合温泉に予約を入れました。

 宿のホームページはこちらです。

 中央道中津川インターから車で約1時間、山のなかにある一軒宿です。電気の来てない正真正銘のランプの宿で、もちろんテレビもなく携帯もつながりません。地元の食材をつかったお料理もとっても美味しいです。温泉力がちょっと弱いのが残念。ご主人と奥さんのおもてなしも心地よく、特にご主人は、さまざまなパズルやゲーム、射撃などで楽しませてくれます。何もかも忘れてのんびりしたい人に最適!ぽん太の評価は今回も4点!

 この温泉のアプローチには、注意が必要です。前回は林道が一般車通行不可で、道の駅・花街道付知まで送迎車が迎えに来てくれました。その後は宿の前まで自家用車の乗り付けられていたようですが、今年の8月から途中の橋の掛け替え工事が始まったため、その手前の高樽の滝に車を停め、林道を10分ほど歩いて橋を徒歩で越えてから、送迎車に乗るというかたちになっております。

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 こちらが自家用車を停める高樽の滝。ちょうど紅葉の季節でしたが、今年は猛暑や台風の影響で色づきが良くありませんでした。

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 はい、こちらが宿の入口です。木造のひなびた建物です。

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 ロビー(?)です。天井にずらりと吊り下げられたランプをじっと見ていると、つげ義春の世界に迷い込みそうな気がしてきます。
 ちなみにこの宿、電気が来ておりません。昼間は自家発電しておりますが、夜間はランプの宿となります。もちろんテレビはなし。

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 こちらが客室です。広めの角部屋。右に見える障子の外側にはガラス戸がなく、雨戸をしめるという昔ながらの造りです。ということでけっこう寒く、布団はコタツに足を突っ込めるように敷いてくれます。コタツといっても、電気がないので、豆炭です。若い人は豆炭知ってるかしら?

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 浴室です。タイル張りの広い浴室に、木製の湯船が二つ置いてあります。無色透明、無味無臭の沸かし湯で、温泉力はあまり強くありません。

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 温泉分析表です。泉質は書かれてませんね。泉温は10.5度です。

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 夕食です。地元の新鮮な食材を使った美味しいお料理。イワナのお造りと塩焼きがあります。

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 アジメドジョウというドジョウの一種だそうです。

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 蜂の子ですね。

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 岩魚の骨酒を注文しました。このイワナは、ご主人が釣って来た天然物だそうです。臭みが全くなく美味しいです。

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 わらじ五平餅です。大きさを示すためにマッチを写しこんであります。

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 山菜をふんだんに含んだ天ぷらも美味しゅうございました。

 夕食後はテレビもなく、やることがないので寝ようかと思いましたが、ご主人がパズルや工作など、さまざまなエンタテイメント(?)で楽しませてくれます。「空き缶で作るアルコール・コンロ」が面白かったです。

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 朝で〜す。

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 朝食も美味しゅうございました。

 朝食後は、射撃をして、パズルをお土産にもらい、帰途につきました。

2018/12/28

【クラシック】もしもベートーヴェンが南米生まれだったら。クリスティアン・バスケス指揮・東京フィルの「第九」

 ぽん太は、ラトル、ベルリンフィルの究極の「第九」を聞いて以来、日本のオケでこれを超える演奏はないだろ〜な〜と思い、年末の第九は「風物詩だから行くか」程度のノリだったのですが、今回の第九は面白かったです。いい悪いとか、完成度は別にして、これまで聞いたことがないような第九でした。

 指揮のクリスティアン・バスケスは、ベネズエラ出身の指揮者。ベネズエラと聞いてもぽん太の印象は、南米の産油国、反米の急先鋒の大統領がいて、ハイパーインフレで経済がメタメタ。野球選手(横浜ベイスターズのラミレス)やボクシング選手(「あしたのジョー」のカーロス・リベラ)を輩出。そんな感じ。
 でも、以前にウィーンフィルと来日した指揮者グスターボ・ドゥダメルもベネズエラ出身だったような。なんでそんな国(失礼いたしました)から世界的指揮者が続出するんでしょうか。一部の富裕層がいるのか。Wikipediaをみると、ベネズエラは昔は産油や鉱物資源で南米で最も豊かな国だったと書いてあるけど、それでか?なんでもベネズエラにはエル・システマと呼ばれる音楽教育プログラムがあり、貧困層も含め、音楽教育に力を注いでいるんだそうです(エル・システマ - Wikipedia)。へ〜知らなかった。バスケスもエル・システマの出身とのこと。

 で、第一楽章は早めのテンポでスタート。早めの「第九」は近頃よく耳にしますが、えてしてスピーディーでスマートな演奏になるもの。しかしバスケスの演奏は違いました。ビートが強調され、スタッカート気味の音加わって、歯切れよくリズミカルでノリノリの演奏。オケもノリノリで、クラリネットの外人さんは、ジャズかと思うほど体を揺らして吹いてました。金管もバリバリ。バスケスの腕の動かし方は、強拍で手を広げて両腕を上に上げるのですが、すると手のひらからビームがでるかのように、ブワーっと大砲のような音が鳴り響きます。
 第二楽章のスケルツォでは、弦楽合奏が一拍目のビートを非常に強調する下りがあって、ぽん太は「やるな〜」という感じで笑いながら聞いてました。
 第三楽章も速いテンポで、いつもの桃源郷のような雰囲気はありませんでした。速さゆえ、メロディーラインの普段は気がつかない部分がよく聞き取れました。
 さて、終楽章で驚いたのは、女性のコーラスに、子供が……しかもボーイソプラノまで、混ざっていること(第二楽章のあと合唱が入場して来た時点でわかっていたのですが)。そのせいで、合唱が独特の、これまで聞いたことがない音色でした。人類みな兄弟には子供達も入ってるよというか、なんかクリスマスっぽいというか、とっても驚きました。
 独唱陣もなかなかよかったです。

 ドイツっぽい暗闇や影や深遠な部分がなく、南国の太陽に照らされた、燃え上がるような演奏でした。なんかこなれてないというか、荒削りな感じもしましたが、とっても面白い「第九」でした。


 「第九」の前には、ベネズエラの作曲家フアン・バウティスタ・プラサの「フーガ・クリオージャ」。5分程度の短い曲で、ラテン系の明るいメロディの「フーガ」という珍しい曲でした。


東京フィルハーモニー交響楽団
ベートーヴェン『第九』特別演奏会

2018年12月24日
Bunkamura オーチャードホール

東京フィルハーモニー交響楽団のコンサート情報
オーチャードホールのラインナップ


指揮:クリスティアン・バスケス

ソプラノ:吉田珠代
アルト:中島郁子
テノール:清水徹太郎
バリトン:上江隼人
合唱: 東京フィル 特別合唱団
   (新国立劇場合唱団/東京オペラシンガーズ/東京混声合唱団/
    二期会合唱団/藤原歌劇団合唱部)
児童合唱:杉並児童合唱団

フアン・バウティスタ・プラサ/フーガ・クリオージャ
ベートーヴェン/交響曲第9番『合唱付』

2018/12/27

【歌舞伎】児太郎の「阿古屋」、中車の「あんまと泥棒」 2018年12月歌舞伎座夜の部

 今年の歌舞伎の見納め。

 「阿古屋」は、玉三郎は以前に見たので、今回は児太郎くんにしてみました。この演目は、まず三つの楽器がしっかり演奏できるかどうか、そして演奏しながらも景清を思う気持ちを忘れないことが大切なんだそうですが、タヌキのぽん太にはどちらもよくわからず。それでも、それぞれの楽器を見事に演奏し、難役をこなしました。児太郎くん独特の古風な雰囲気も良かったです。
 配役に名前が出ている玉三郎、どこに出ているのかわからず、消去法で探したら、赤っ面で人形振りの岩永左衛門でした。双眼鏡で顔を見ても、ホントに玉三郎かどうかまったく分かりません。足もぶらぶら浮いてます。珍しいものを見せていただきました。ごちそうさまです。

 次の「あんまと泥棒」では中車が怪演。やりたい放題でした。
 酔っ払いといえば、以前の「らくだ」の紙屑屋久六はあんまり面白くなかったような気がしますが、今回は間合いといい、表情といい、はじけてました。松緑が中車の自由演技をうまく受けてました。会場大爆笑。ぽん太も笑わせていただきました。

 最後は新作歌舞伎舞踊の「傾城雪吉原」。冒頭の暗闇にキラキラと雪が舞い散る舞台美術からして美しく、これは玉三郎が、やりたいようにやったという感じでした。岩永とのギャップがすごい。

 どれも見ごたえのある舞台で、今年を締めくくることができました。

歌舞伎座百三十年
十二月大歌舞伎

平成30年12月19日 歌舞伎座

歌舞伎美人の公演案内

夜の部  Bプロ

一、壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)
  阿古屋 

    遊君阿古屋 児太郎
    秩父庄司重忠  彦三郎
    榛沢六郎  坂東亀蔵
    岩永左衛門  玉三郎


  村上元三 作・演出
  石川耕士 演出
二、あんまと泥棒(あんまとどろぼう)

    泥棒権太郎  松緑
    あんま秀の市  中車


  新作歌舞伎舞踊
三、傾城雪吉原(けいせいゆきのよしわら)

    傾城  玉三郎

2018/12/26

【クラシック】華麗で色彩豊かなマーラー「巨人」 ダニエル・ハーディング指揮、パリ管弦楽団

 コントラバス8台の大編成が目一杯鳴らしてましたが、パリ管弦楽団の音色はどこまでも華麗で色彩豊か。ドイツ系のオケの重厚さとはまったく異なり、弦楽器はフォルテッシモでも軽く艶やかで、木管も一つひとつの音色の違いが際立ち、金管も耳をつんざくような音をたてません。

 指揮のハーディングが、大寒波の札幌で滑って足首を骨折したとのニュースが飛び込んで来ました。札幌公演は椅子に座って無事に指揮したとのことでしたが、どうなるかちょっと不安。演奏前にKAJIMOTOの職員がマイクを持って出て来たのでヒヤヒヤしましたが、椅子に座って指揮をしますという告知でした。ハーディングは車椅子で登場。椅子に座って、ギプスを巻いた右足を台に乗せ、元気一杯に演奏してました。

 ハーディングが作る音楽は、キレがあって若々しくスマート。繊細なニュアンスが感じられ、決して旋律をねっとりと歌わせたりはいたしません。第一楽章は、鳥の鳴き声がそこここに聞こえて聞こえるなか、さまざまなニュアンスの音楽が次から次へと現れて、なんだか妖精の森の中を歩いているかのようでした。第四楽章ではは一転して激しく強烈なクライマックスを盛り上げました。

 アンコールは、ハーディングの母国の作曲家エルガーのエニグマ変奏曲を、情感たっぷりに演奏しました。


 会場はだだっ広い東京芸術劇場のコンサートホール。以前に3階席で聴いたらあまりに遠すぎたので、今回は2階席にしてみましたが、それでも音がしっかり聞こえて来ませんでした。マーラーはまだよかったですが、ベルクでは、肝心のヴァイオリンソロがオケの音と渾然一体となって、よく聞き取れません。聞いたことのない曲だったのでYoutubeで予習して本番に望んだのですが、あまり楽しめませんでした。ヴァイオリンのイザベル・ファウストがかなりの熱演だっただけに、ちょっと残念。情緒に流され過ぎず、ちょっと乾いた感じの音色で、知的な演奏だった気がします。

 マーラーの奥さんアルマは、建築家グロピウスとの間に娘マノンをもうけましたが、18歳の若さで急死。可愛がっていたベルクが彼女に捧げて作曲したのが、このヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」だそうです。ということで今日のプログラムはマーラーつながりだったんですね。

 アンコールのバッハも深みのある演奏で素晴らしかったです。
 


東京芸術劇場 海外オーケストラシリーズ
パリ管弦楽団

2018年12月16日
東京芸術劇場 コンサートホール

東京芸術劇場の公演案内
KAJIMOTOの公演案内

指揮:ダニエル・ハーディング
ヴァイオリン:イザベル・ファウスト
管弦楽:パリ管弦楽団

ベルク/ヴァイオリン協奏曲 「ある天使の思い出に」
マーラー/交響曲第1番 ニ長調 「巨人」

アンコール
バッハ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番から「ラルゴ」
エルガー/エニグマ変奏曲から「ニムロッド」

2018/12/18

【モーニング】ろう者の女性による手作り感あふれるモーニング コーヒーハウスコーダ(滋賀県大津市)

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 ホテル泊の翌朝の朝食は地元の喫茶店のモーニングと決めているぽん太とにゃん子。11月中旬に大津駅近くのホテルに泊まった翌日、スマホで検索して、ちょっと素朴な雰囲気のモーニングをいただけそうな、コーヒーハウスコーダに出かけました。
 公式サイトはなさそうなので、食べログにリンクしておきます。

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 まったく知らないで行ったのですが、お店を切り盛りしているのは耳の聞こえない女性。NHKの福祉番組でも取り上げられたことがある有名なお店だったんですね。感想ノートには、たくさんのろう者の言葉が書かれておりました。例えばこちらのサイト(ものづくりや行動に想いを込める:尾中幸恵さん)が詳しいです。
 あ、手話ができなくてもコミュニケーションできますので心配せずに。

 手作り感あふれるモーニングが美味しかったです。新鮮な野菜、ミルクたっぷりのカフェオレ、サクサクのトースト。

 とっても癒されるお店でした。みなさんも大津駅にお越しの際は、チェーン店など行かずにぜひこちらのお店をお訪ねください。

2018/12/17

【居酒屋】滋賀の地酒と本もろこ炭焼き おお杉(滋賀県大津市)

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 11月中旬、ぽん太とにゃん子は滋賀県は大津駅近くのホテルに宿を取り、夜の街へと繰り出しました。
お目当は、太田和彦さんの本に出ていた「おお杉」です。公式サイトはなさそうなので、食ベログにリンクしておきます。

 スマホを見ながら訪ねて行ったのですが、こんなところに居酒屋があるんかいなという暗い裏道にあります。表にはコースのメニューしか出ておらず、外から店の内部も見えないので、ちょっと扉を開けるのに勇気が入りましたが、入ってみると気さくなお店でした。内装は新しいく、居酒屋というより小料理屋、割烹という感じ。地元の親族みたいな人が座敷におりましたが、よくある「常連がいっぱいいで入りにくい」という雰囲気は全くありません。

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 お通しが、ろうそく立てみたいな不思議な器で出てきました。た、食べづらい。あゝ、はずしてカウンターの上に置けばいいのか。

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 お造り盛り合わせ。昆布じめが多いのが、関東と違ってちょっとうれしいです。

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 お酒は、近江地酒がいっぱい揃ってました。冷酒もいいけど、燗も美味しいです。大津の居酒屋は、地元愛が強いみたいですね。他の地域では、そんなに地元の酒をそろえてないと思います。ハシゴした他の居酒屋でも滋賀のお酒をそろえてました。

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 この店の名物は「うなしゃぶ」のようですが、ちょっと食べきれない感じなので、ほかの地元の肴をお伺いしたところ、本もろこ炭焼を勧めてくれました。最近は各地で養殖も行われているようですが、もともとは琵琶湖特産だそうです。最後は冒頭の写真のように網に逆さに立て、頭までこんがり焼いて、丸ごといただくのが流儀だそうです。まわりは香ばしく中はホクホクで美味しゅうございました。

2018/12/16

【仏像】釈迦如来坐像(甲賀三大佛)大池寺@滋賀県甲賀市

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 甲賀三大仏、最後は大池寺の釈迦如来さまです。

 

 

 

 

【寺院名】臨済宗妙心寺派 竜護山 大池寺(だいちじ)
【公式サイト】・大池寺公式サイト 【住所】滋賀県甲賀市水口町名坂1168
【拝観日】2018年11月13日
【拝観】拝観料400円。
【仏像】釈迦如来坐像 写真

 

 

 

 

Img_0918  広々した敷地に、手入れの行き届いた庭があり、明るい雰囲気のお寺です。

 

Img_0932  「蓬莱庭園」と呼ばれている枯山水の庭園です。まるで現代の抽象彫刻のようですね。拝観したのは11月中旬でしたが、紅葉がとても見事でした。刈り込まれているのはサツキだそうで、春もさぞ美しいことでしょう。江戸初期の小堀遠州の作と伝えられているそうです。

 

Img_0931  中庭と白壁。禅宗らしいデザインですね。

 

Img_0928  「禁酒」の看板がありました。このお寺で修行するのはぽん太は絶対に不可能です。

 

 釈迦如来さまは、本堂に安置されております。丈六の仏様ですが、台座が高くて円光もあり、とっても大きく見えます。パンフレットによれば、天平時代に行基菩薩が一刀三礼(一回ノミを入れるたびに三回礼拝する)でお造りになったと伝えられているそうです。しかし衣の彫りも薄い定朝様のお姿で、平安中期以降、あるいは近世にそれを模したものかもしれません。
 しかしお顔といい、お姿といい、いかにも「大仏」という感じの堂々とした仏さまです。

2018/12/15

【仏像】阿弥陀如来坐像(甲賀三大佛)十楽寺@滋賀県甲賀市

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 櫟野寺を拝観したところ、置いてあったパンフレットで「甲賀三大佛」というものがあることを知り、ついでに巡ることにしました。甲賀市観光ガイドのページをご覧ください。
 三大仏とは、櫟野寺の薬師如来、十楽寺の阿弥陀如来、大池寺の釈迦如来です。昔から言われていたものではなく、近年観光スポットとして新たに作られたもののようで、十楽寺で解説してくれたお姉さんが、つい最近までは観光客がお参りに来るような寺ではなかったとおっしゃってました。
 しかし実際に行ってみると、とってもすばらしい仏さまで、多くの人が参拝する価値があると思いました。

【寺院名】浄土宗 清浄山二尊院 十楽寺(じゅうらくじ)
【公式サイト】・十楽寺ホームページ 【住所】滋賀県甲賀市土山町山中351
【拝観日】2018年11月13日
【拝観】拝観料500円。
【仏像】 △市指定
  本尊丈六阿弥陀如来 像高278cm 江戸時代前期
△ 本尊阿弥陀如来坐像 像高89.5cm 平安時代後期
  救世観世音菩薩 像高69cm 南北朝以後
△ 十一面観世音菩薩 像高217cm 平安時代
  十一面千手観世音菩薩 像高202cm 鎌倉時代
△ 摩耶夫人像 像高86cm 室町時代
  裸形阿弥陀如来
  釈迦誕生仏
  薬師如来
  毘沙門天像

 まずは冒頭の写真の、本尊丈六阿弥陀如来。丈六ということで大きく存在感があります。仏具に囲まれれていて、ちょっと全体は見にくいです。江戸時代の作ですが、俗っぽさがなくて、すっきりとした品の良いお姿です。

Img_0905  続いて本尊阿弥陀如来坐像。こちらは像高約90cmと小さめですが、平安時代後期の作とのこと。お寺のパンフレットやWikipedia(参考文献が十楽寺パンフレットになってますが)には重要文化財と書いてありますが、国指定文化財等データベースにも出てないし、違うんじゃないかな?ちなみに十楽寺ホームページには市指定文化財になっており、こちらの甲賀市の文化財一覧 - 甲賀市でも、市指定になってます。
 てなことはさておき、これまたとても良い仏さまです。ふっくらしたお顔で、ちょっと笑みを浮かべております。体つきもふっくらしてますね。衣紋の彫りは浅めですが、様式的にならず自然な感じです。

Img_0902  こちらは救世聖観世音菩薩さま。像高約70cmとさらに小さめ。南北朝以降の作だそうですが、これも古風な感じのいい仏様ですね。体はほっそり。脚の部分の衣紋の流れは複雑で、室町以降の感じですね。切れ長の三日月型の目。口もとはすぼめています。

Img_0887  十一面観世音菩薩です。像高は2mちょっとと大きめ。市指定の立派な平安仏です。非常に整ったお姿です。

Img_0884  鎌倉時代の十一面千手観世音菩薩です。こちらも像高約2m。

 

Img_0885  お顔にマスクの線がついてます。痛みが激しいのが残念ですね。

Img_0880  室町時代の摩耶夫人像です。摩耶夫人は、ブッダのお母さんですね。

Img_0880_1  拡大すると、脇の下からブッダがお生まれになっているのが見えます。

Img_0898  これは珍しい!裸の阿弥陀さまです。ぽん太は初めてお目にかかりました。
 解説では、裸の像に、本物の布の法衣を着せるようにしたものだとのことでした。

 阿弥陀は珍しいものだそうです。ぐぐってみると、奈良県桜井市璉珹寺(女人裸形阿弥陀仏)、埼玉県久喜市常観堂、京都市転法輪寺、奈良国立博物館、滋賀県大津市浄光寺、埼玉県白岡市興善寺などが見つかりました。縁があったら拝んでみたいです。

2018/12/14

【文楽】2018年12月国立劇場「鎌倉三代記」「伊達娘恋緋鹿子」

 12月の文楽、最初は「鎌倉三代記」から七段目の絹川村の場面。ぽん太は3年前に観たことがあります。
 米洗いの段は、何にもできない時姫がたどたどしく家事をするのを見るに観かねた近所のオバサンが、片肌脱いで片乳丸出しににしながら、威勢良く手伝ってあげるという滑稽な場面。
 三浦之助母別れの段になってからぐっとシリアスになってきますが、話が重すぎてちょっと感情移入しにくい。三浦の助が時姫に対し、自分の妻となったからには、敵である時姫の父の北条時政を刺し殺すように命じるんですもん。あんなウブな時姫ちゃんに、そんなひどいことをさせるなんて……。三浦の助がやなやつに思えてきます。
 そのあとの高綱物語は、すんごい迫力だけど、ちょっと長くてダレてきます。しかも高綱は高綱で、戦友である三浦之助の首を撃って北条時政に差し出し、信頼を得た上で復讐のチャンスを狙うなどと言い出します。
 戦国って残酷!「鎌倉三代記」の考え方には、ぽん太はちょっとついていけません。
 しかし、時姫ちゃんは可愛かったし、姿を現してからの佐々木高綱は大きくてかっこよかったです。
 文字久太夫が三浦之助と母の別れを切々と語り、織太夫は大迫力の熱演でした。
 人形遣いでは母の和生が流石の風格。玉志の高綱も大きかったです。


 続いて「伊達娘恋緋鹿子」。いわゆる「八百屋お七」ですね。文楽で観るのは初めてです。火の見櫓の段は、歌舞伎でやるときも「人形振り」で演じられるので、本家の文楽で観るのを楽しみにしておりました。
 ん〜、だけど実際に観ると、歌舞伎の方がいいかな?
 迫力ある4本の太棹にのせた4人の太夫さんの唄をバックに人形を遣うのですが、首をぶんぶん振るばっかりで、火の見櫓に登って半鐘を叩こうと思うけど、禁を破ることへのためらいがあったり、かじかんだ手が凍てついた梯子をつかみそこねて滑り落ちて、ああもどかしい、みたいな気持ちが表現されませんでした。むしろ梯子を登るところの仕掛けに目が行ってしまったりしました。

12月文楽公演公演

2018年12月12日
国立劇場小劇場

公演案内 - 日本芸術文化振興会ト


「鎌倉三代記(かまくらさんだいき)」

局使者の段
  希太夫
  清介
米洗いの段
  靖太夫
  錦糸
三浦之助母別れの段
  文字久太夫
  藤蔵
高綱物語の段
  織太夫
  清馗

三浦之助母・和生
女房おらち・簑一郎
女房おくる・紋臣
讃岐の局・紋秀
阿波の局・紋吉
北条時姫・勘彌
安達藤三郎実は佐々木高綱・玉志
三浦之助・玉助
富田六郎・文哉


「伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)」

八百屋内の段
  津駒太夫
  宗助
火の見櫓の段
  芳穂太夫
  南都太夫
  亘太夫
  碩太夫
  勝平
  清公
  錦吾
  燕二郎

小姓吉三郎・玉勢
下女お杉・簑紫郎
娘お七・一輔
親久兵衛・勘市
久兵衛女房・亀次
丁稚弥作・玉翔
武兵衛・勘介
太左衛門・玉路

2018/12/13

【コンサート】 こりゃ気持ちいいわい。「古澤巌×ベルリン・フィルハーモニー ヴィルトゥオージのクリスマス2018」

 クリスマスも近いということで、タヌキのぽん太にしてはちょっとオシャレなコンサートに行ってきました。

 古澤巌さんのヴァイオリンは初めて聴きました。葉加瀬太郎ほど暑苦しくなく、高嶋ちさ子ほど性格がきつそうでもなく、ホンワカして優しそうな、いいオジさん風の人ですが、奏でる音はなかなかのものでした。
 ベルリン・フィルハーモニー ヴィルトゥオージは、ベルリンフィルのメンバーによる室内アンサンブルだそうで、今回は弦楽五重奏で登場。こちらもさすがに素晴らしかったですが、特に感心したのは第1ヴァイオリンのラウレンティウス・ディンカさん。感情を顔に出さず淡々と弾いてるのですが、弓の動かし方などがとても正確で、最小限の動きで多彩な音を引き出します。激しいアタックからすすり泣くようなメロディーまで変幻自在。基本的な音色も暖かいです。とても魅了されました。
 
 Call Me Francis SuiteとSymphony No.2 III,Adagioはベルリン・フィルハーモニー ヴィルトゥオージのみの演奏で、他は古澤巌さんが独奏ヴァイオリンとして加わりました。

 曲はRobert Di Marino(ロベルト・ディ・マリーノ)という人の曲・編曲がほとんどのようでした。イタリア人の作曲家だそうで、会場にお見えになっていて、古澤さんがマイクで紹介してました。タンゴ風の曲や、ちょっとマイケル・ナイマンっぽいミニマル風のもあったりして、なかなか良かったです。メロディーラインやコード進行は聞きやすいですが、音楽としてはけっこう高度で、テクニックも必要な感じで、イージーリスニングのように退屈することはまったくありませんでした。

 客層も、普段ぽん太が行くコンサートや舞台とは全く違い、ちょっと優しそうな奥様方という感じでした。こういう世界もあるんだな〜と思いました。


古澤 巌 × ベルリン・フィルハーモニー ヴィルトゥオージのクリスマス

2018年12月9日
東京オペラシティー コンサートホール

公式サイト

[出演]
古澤 巌(Vn)
ベルリンフィルハーモニー ヴィルトゥオージ
  ラウレンティウス・ディンカ Laurentius Dinca(Violin)
  ステファン・シュルツ Stephan Schulze(Violin)
  イグナツィ・ミエチニコフスキ Ignacy Miecznikowski(Viola)
  クリストフ・イゲルブリンク Christoph Igelbrink(Cello)
  スタニスラフ・パヤック Stanislaw Pajak(Contrabass)

[曲目]
Call Me Francis Suite 映画『ローマ法王になる日まで』より Arturo Cardelus
Capriccio Espagnol スペイン奇想曲より Rimsky-Korsakov
Siciliana(シチリアーナ) Robert Di Marino
Fire and Flowers(ファイア・アンド・フラワーズ) Robert Di Marino
limpida 〜for ARSOA〜 Robert Di Marino
マリーノのコンツェルト 第4番 I、II Robert Di Marino

Symphony No.2 III,Adagio(交響曲第2番第3楽章) Rachmaninov
Baccanale オペラ「サムソンとデリラ」(Samson et Dalila)より Saint-Saens
Dance Macabre(交響詩「死の舞踏」作品40) Saint-Saens
マリーノのコンツェルト 第2番 I、II、III Robert Di Marino

アンコール
 Mr.Lonely Bobby Vinton
 The Christmas Song Mel Tormé

2018/12/12

【バレエ】おっとり優雅でハッピーエンド「白鳥の湖」マリインスキー・バレエ

 マリインスキー の白鳥、今回はテリョーシキナです。
 ぽん太が前回テリョーシキナの白鳥全幕を観たのは2009年。あの頃はまだ若手売り出し中みたいな感じで、白鳥よりも、ピチピチした黒鳥の方があってました。
 しかしあれから9年、久々に観たテリョーシキナはすっかり風格がでていて、白鳥のウルウル感も良ければ、黒鳥の妖艶な表情も素晴らしく、崇高な雰囲気さえ漂ってました。
 あいかわらず体の隅々まで神経が行き届いた動きで、柔軟性も抜群。しかし何よりも今回印象に残ったのは、さまざまに変化する表情で、踊りにも心の動きが感じられました。
 32回転もトリプルを入れた高速回転で、後半は前に移動しながら。お見事でした。

 ジークフリートのシクリャローフは、要所ようしょのジャンプも高く、体の線も美しく、立派な王子様。
 道化は当日変更でラマンベク・ベイシェナリエフが踊りました。なんか小柄で子供みたいな感じ。ジャンプや回転は良かったけど、ちょっとした仕草や動きが、まだ美しくないです。一度コケそうになったけどセーフ。今後に期待。
 パ・ド・トロワでは、マリア・ホーレワの柔らか〜い踊りが素晴らしかったです。あれ、この人って、ドンキで森の精を踊ってた人か。
 民族舞踊ではスペインが迫力あったかな?

 マリインスキー の白鳥は、おっとりしていて、道化もいるし、最後もハッピーエンドだし、ぽん太は好きです。長身細身でスタイルのいいコールドを見ているだけで気持ちよくなります。
 
 ガヴリエル・ハイネの指揮はエネルギッシュで、ところどころ超高速でした。からだ全体を使った熱の入った指揮で、細かくテンポを変えたりして、「踊りの伴奏」を超えた名演だった気がします。オケも本気になってた感じで、カーテンコールで楽団員から拍手を受けてました。席が1回の横通路のすぐ後ろだったんですが、この場所ってオケの音がとってもよく聞こえますね。


マリインスキー・バレエ 
≪白鳥の湖≫

東京文化会館
2018年12月6日

公式サイト

音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付:マリウス・プティパ,レフ・イワノフ(1895年)
改訂振付:コンスタンチン・セルゲーエフ(1950年)
台本:ウラジーミル・ベーギチェフ,ワシーリー・ゲーリツェル
舞台装置デザイン:イーゴリ・イワノフ
衣裳デザイン:ガリーナ・ソロヴィヨーワ
指揮:ガヴリエル・ハイネ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団

オデット/オディール:ヴィクトリア・テリョーシキナ
ジークフリート王子:ウラジーミル・シクリャローフ
王妃 (王子の母):イリーナ・プロコフィエワ
王子の家庭教師:ワシーリー・シチェルバコフ
道化:ラマンベク・ベイシェナリエフ
悪魔ロットバルト:ローマン・ベリャコフ

王子の友人たち:マリア・ホーレワ
        シャマーラ・グセイノワ
        フィリップ・スチョーピン
小さい白鳥:タマーラ・ギマディエワ
      アナスタシア・アサベン
      スヴェトラーナ・イワーノワ
      スヴェトラーナ・ルースキフ
大きい白鳥:マリア・イリューシュキナ
      ユリアナ・チェレシケヴィチ
      ズラータ・ヤリニチ
      エカテリーナ・イワンニコワ
2羽の白鳥:ヤナ・セーリナ
      アナスタシア・ニキーチナ
スペインの踊り:アナスタシア・ヤロメンコ
        アレクサンドラ・ポポワ
        アレクサンドル・ベロボロドフ
        アンドレイ・ソロヴィヨフ
ナポリの踊り:タマーラ・ギマディエワ
       ヴャチェスラフ・グネーシク
ハンガリーの踊り:アリーナ・クラソフスカヤ
         ロマン・マリシェフ
マズルカ:クセーニャ・ドゥブローヴィナ
     オリガ・ベリク
     ユリア・コブツァール
     マリア・シュヴャコワ
     アルチョム・ケラーマン
     ドミトリー・プィハチョフ
     エフゲニー・ジェリャービン
     マキシム・ペトロフ

2018/12/07

【仏像】33年ぶりの秘仏十一面観音ご開帳・櫟野寺@滋賀県甲賀市

Img_0872

 

 収蔵庫の改修工事を利用して、2年前に東京国立博物館で開かれた櫟野寺展では、像高3メートルを越す秘仏御本尊を初め、20躯もの重文の仏様が勢ぞろいしました。
 さて、工事も無事に終わり、今年の秋、めでたく33年に一度の大開帳を迎えました。ぽん太とにゃん子は、東京までお出ましいただいたお礼も兼ねて、櫟野寺までお参りに行ってきました。

 

 櫟野寺は、滋賀県は甲賀市(こうかし)、三重県との県境に近い山間部にあります。なんでこんなところにたくさんの重文の仏さまが……と思うのかもしれませんが、地図をよく見ると近くに国道1号が走ってます。そう、昔の東海道が近くを通っていたのですね。東海道は、現在の東名高速や東海道新幹線のルートとは異なり、名古屋から桑名、四日市を経て鈴鹿峠を越え、甲賀を通って琵琶湖の草津に抜けていたんですね。現在の交通網で言うと、電車の関西本線から草津線に通じるルートが近いかと思います。

 

 

 

 

【寺院名】天台宗 福生山・自性院 櫟野寺(らくやじ)
【公式サイト】・櫟野寺公式サイト         ・御本尊大開帳のページ 【住所】滋賀県甲賀市甲賀町櫟野1377
【拝観日】2018年11月13日
【拝観】大開帳の特別拝観料は800円、通常拝観料500円。
【仏像】番号は、特別展「平安の秘仏 滋賀櫟野寺の大観音とみほとけたち」の図録の番号
     ◎重要文化財 □県指定 △町指定

 

1 ◎十一面観音坐像 像高312.0cm 平安時代・10世紀
- △釈迦如来坐像 平安時代 (初拝観) 写真 3 ◎地蔵菩薩坐像 像高110.8cm 平安時代(1187)
- 毘沙門天立像 鎌倉時代 (初拝観)
- □弥勒如来坐像 ケヤキ 一木造 南北朝時代・暦応3年 (初拝観) 写真 - 地蔵菩薩像 平安時代 (初拝観)
20 ◎吉祥天立像 像高100.0cm 平安時代・12世紀
15 ◎聖観音立像 像高180.0cm 平安時・12世紀
5 ◎聖観音立像 像高168.2cm 平安時代・10世紀
8 ◎聖観音立像 像高170.3cm 平安時代・10〜11世紀
9 ◎十一面観音立像 像高167.4cm 平安時代・10〜11世紀
- 白象像 藤原時代 (初拝観)
17 ◎十一面観音立像 像高95.4cm 平安時代・12世紀
16 ◎聖観音立像 像高97.7cm 平安時代・12世紀
14 ◎聖観音立像 像高97.0cm 平安時代・12世紀
13 ◎聖観音立像 像高115.1cm 平安時代・12世紀
18 ◎十一面観音立像 像高97.9cm 平安時代・12世紀
19 ◎地蔵菩薩立像 像高104.5cm 平安時代・12世紀
7 ◎吉祥天立像 像高103.9cm 平安時代・10世紀
6 ◎地蔵菩薩坐像 像高97.1cm 平安時代・10世紀
10 ◎聖観音立像 像高103.3cm 平安時代・11〜12世紀
11 ◎聖観音立像 像高101.8cm 平安時代・11〜12世紀
12 ◎吉祥天立像 像高105.4cm 平安時代・11〜12世紀
4 ◎毘沙門天立像 像高163.0cm 平安時代・10〜11世紀
2 ◎薬師如来坐像 像高222.0cm 平安時代・12世紀

 

 

 まずは御本尊の十一面観音さま。ホームグラウンドで厨子のなかに収まり、心地好さそうです。博物館の広くて無機質な空間で見るよりも、いっそう大きく感じます。大開帳ということで、指には五色の糸が結ばれ、堂の外へと繋がっていました。

 

 その向かって右には、平安時代の釈迦如来さま。町指定ということで、国立博物館にはお出ましになりませんでした。どのような仏さまだったかは、すっかり忘れてしまいました。

 

 御本尊の向かって左には、地蔵菩薩坐像が安置されておりました。

 

 左側の壁に進むと、左からまず鎌倉時代の毘沙門天、そして南北朝時代の弥勒如来さま、平安時代のお地蔵様。いずれも初拝観です。弥勒如来様は素木で、ちょっと面長のお顔でした。
 続いて吉祥天、3躯の観音様、十一面観音と続き、一番道には藤原時代の白象の像が置かれておりました。

 

 その向かい側(お厨子の左側面の外側)には、右から十一面観音、3躯の聖観音、十一面観音、地蔵菩薩が安置されてました。

 

 お厨子の右側面の外側には、右から吉祥天、地蔵菩薩、2躯の観音さま、吉祥天。そして右の壁際には、左から毘沙門天と薬師如来さまがおられました。

 

 いずれも京都の洗練された仏さまと異なり、ちょっと鄙びていて親しみやすく、見ていて気持ちがとてもほっこりします。

 

 

Img_0873  境内には、石仏がずらりと並んでおります。

 

Img_0875Img_0876

 

 仁王さまも、なかなか迫力があります。

2018/12/06

【仏像】仏像がいっぱい。秘仏如意輪観音にお会いしたくなる。三井寺(園城寺)

Img_0974  ぽん太とにゃん子は11月中旬、滋賀県は三井寺(園城寺)に、仏像を観に行ってきました。ほぼ紅葉の時期でしたが、全体に色づきが悪かったです。でも、ところどころ美しい紅葉を楽しむことがきました。
 三井寺は、以前に観光で訪れたことはあるのですが、仏像にまったく興味がなかった頃。おそらく収蔵庫には入らなかったでしょうし、仏像の記憶はまったくなく、印象に残っているのは弁慶の引き摺り鐘ぐらい。

 

Img_0954  拝観コースに従い、まずは釈迦堂。なかには釈迦如来立像が祀られております(写真)。いわゆる清涼寺式の釈迦如来ですが、お顔が普通の人っぽくて、同心円状の執拗な衣紋も含め、清涼寺式の独特の暑苦しさがありません。お優しい感じのお釈迦様です。

Img_0962  続いて金堂です。建物自体が国宝です。豊臣秀吉の正室北政所が再建したものだそうで、桃山時代らしく華麗かつ優美です。
 御本尊は弥勒菩薩ですが、秘仏となっており、ググっても写真もみつかりませんし、いつ拝観できるのかもわかりません。

Img_0955  その代わりというか、たくさんの仏像が安置されているのですが、覚えられニャイ!できれば目録を配布してほしいのですが、博物館じゃなくて信仰の対象のお寺かだから仕方ないですかね。
 以下、案内板にあった上の写真と、帰ってからぐぐった情報を元に、記憶を辿って書いているので、ひょっとしたら違ってる部分もあるかもしれませんが、ご容赦を。

 まずは正面。秘仏の扉の前には、平安時代の大日如来坐像が置かれております(写真)。像高約1mと大きめで、存在感があります。平安後期らしいおっとりしたお姿です。
 その左には平安時代の不動明王立像。バランスの良い上品な像で、羂索を持つ左手は下げております。
 そのほか小さな像が十数躯置かれておりましたが、よく覚えておりません。

 次に向かって左手に回り込むと、鎌倉っぽいポーズの毘沙門天様や、鎌倉や南北朝のお地蔵さんがおられましたが、目を引き付けたのは「尊星王立像」写真。初めて聞いたお名前です。色鮮やかな江戸時代の像。像容がめずらしく、菩薩の姿で四臂。頭上に鹿の頭があり、お体は緑色です。左足で玉の上に立ち、右足は膝を曲げて、右足の後ろでシェーみたいにしています。肘を曲げた右手と左手で、胸のあたりで槍と錫杖を持っており、残る日本の腕は上に広げた手で月輪と日輪(?)を持っています。大きなお皿のような光背には七つの円が、それぞれ動物を伴って配されております。こちらの三井寺所蔵の絵画の尊星王像の解説によれば、北極星を神格化したもので、妙見菩薩の別名だそうです。よみうりランドの妙見菩薩とはだいぶ像容が異なります。尊星王に関連する尊星王法は、園城寺四箇大法の一つとされる重要な法だそうです。

 裏側に回り込むと、室町時代の乾漆造という珍しい釈迦如来坐像や、円空仏が7躯ありました。また右手には、聖観音菩薩立像や、二童子を伴う不動明王坐像、千手観音像などがありました。

 続いて境内の南側に位置する微妙寺の御本尊は、有名な重文の十一面観音様ですが、ここにはレプリカが置かれておりました。

 で、本物はどこにあるかというと、微妙寺の向かいにある文化財収蔵庫です。入っていくと、いました、いました。像高約80センチの小さめの像(写真)。なによりも独特のプロポーションが目を引きます。大きな頭に短足で、下半身のでっぷりした肉付き。なんかぽん太は土偶を思い浮かべました。呪術的な雰囲気がする観音様です。
 極めて保存が良く、彫りも深く鮮やか。装飾品の細かい透かし彫りなどは、信じられない技巧です。截金の装飾も少し残っております。

 そのほかには、重文の鎌倉時代の吉祥天立像がおられます(写真)。写実的で、少女の近代彫刻といっても通用しそうです。悠然としたお姿と、小細工のない彫り口が見事です。
 このほかこの収蔵庫には、重文の智証大師坐像と訶梨帝母倚像があるはずですが、両方とも大津歴史博物館に出張中(もちろん、そちらにも行って拝観させていただきました)。かわりに阿弥陀如来さまと不動明王が置かれておりました。
 また国宝の勧学院客殿障壁画なども展示されておりました。

 そして石段を登って観音堂へ。ここには秘仏の重文の如意輪観音さまがおられます。写真はこちら。こ、これは美しさと色っぽさを兼ね備えた素晴らしい仏さまです。でも33年に一度しかご開帳されない秘仏とのこと。前回の公開はいつだったのか受付の尼さんに聞いて見たところ、4年前とのこと。ということは次は29年後……無理かな。
 展覧会などに出品されることもあるそうなので、そちらを期待したいと思います。

 水観寺には、江戸時代の薬師三尊と十二神将。中尊は小さくて新しい感じでした。

 

【寺院名】三井寺 (天台寺門宗総本山園城寺)
【公式サイト】三井寺公式サイト 【住所】滋賀県大津市園城寺町246
【拝観日】2018年11月14日
【拝観】入山料600円、三井寺文化財収蔵庫は別途300円。
【仏像】 ◎重要文化財
釈迦堂
 木造釈迦如来立像 鎌倉〜南北朝時代 写真

金堂
 木造大日如来坐像 木造漆箔 像高94.9cm 平安時代後期 写真
 木造不動明王立像 平安時代 写真
 木造毘沙門天立像 平安時代
 大黒天立像 室町時代
 木造阿弥陀如来坐像 室町時代
 木造阿弥陀如来坐像 鎌倉時代
 木造毘沙門天立像 鎌倉時代 写真
 木造地蔵菩薩立像 鎌倉時代
 木造地蔵菩薩坐像 南北朝時代 写真
 尊星王立像 江戸時代 写真
 木造円空仏 7躯 江戸時代
 木造釈迦如来坐像
 乾漆宝冠釈迦如来坐像 室町時代 写真
 聖観音菩薩立像 江戸時代
 不動明王坐像 室町時代
 千手観音像 江戸時代

三井寺文化財収蔵庫
◎木造十一面観音立像 ヒノキ一木造 彩色 像高81.8cm 平安時代(9世紀) 写真
◎吉祥天立像 ヒノキ材寄木造 彩色 玉眼 像高67.6cm 鎌倉時代(13世紀前半) 写真
 阿弥陀如来坐像 平安(9世紀)
 不動明王

水観寺
 薬師三尊像 江戸時代
 木造十二神将立像 江戸時代

2018/12/05

【バレエ】シャキロワのグラン・フェッテは驚異的!「ドン・キホーテ」マリインスキー・バレエ

 キトリちゃん役のレナータ・シャキロワを観るのは、たぶんぽん太は初めてでした。
 背はそんなに高くなくて、クリクリっとした体型で、ちょっとマリインスキーでは異質なプロポーション。でも、元気一杯のキトリちゃんでいいな〜などと思って見ていたら、回転系がすごかった。
 まず、並んだ闘牛士が布をフリフリする前をピルエットしながら進んでいくところで、その高速回転にびっくり。
 極め付けは第3幕のグラン・フェッテ。オケが早いスピードで演奏を始めたので、「こりゃ全部シングルのパターンかな〜」と思っていたら、ドゥーブルをばんばん入れてきました。しかも扇を開いて腰のあたりに置いて回ったり、頭上に掲げたりで、まさにザギトワ状態。あげくのはてにトリプルまで入れてました。観客も大興奮。いや〜すごかった。
 足を後ろに上げるポーズがとても美しく、印象に残りました

 バジルのアスケロフは足が長いすね〜。安定した素晴らしい踊りでシャキロワを支えてました。最初の片手リフトが短かったので「あれ、こんなもん?」と思ってたら、2回目で長々と支えておりました。シャキロワちゃんもタンバリンをフリフリしてアピールしてました。

 エスパーダのローマン・ベリャコフはちょっと色男風。闘牛士の布を力一杯振ってました。メルセデスのアリーナ・クラソフスカヤも雰囲気がありました。街の踊り子がコンダウーロワという大御馳走。キューピッドのタマーラ・ギマディエワはちょっと硬く感じましたが、森の精の女王のマリア・ホーレワは柔らかく優雅で、まさに妖精。
 石井久美子さんもロシア人に見劣りしない素晴らしい踊りでした。

 マリインスキーのドンキ全幕は初めてでしたが、マリインスキーらしく、テクニックに走りすぎずに楽しく優雅な演出。第1幕の冒頭の踊りでも、バジルがギターを弾きながらあちこちの女の子に声をかけるので、キトリちゃんは扇でキスをブロック!ついにはギターを取り上げてしまいます。代わりに扇を受け取ったバジルは、最初は「なんだいこんなもの」という仕草を見せますが、しまいには扇で隠しながらキトリちゃんに念願のキス!こういったストーリーが踊りに自然に組み込まれていて、見ていて楽しいです。
 衣装も雑多で洗練されすぎずに美しかったです。なんか知らない曲がいっぱいあった気もするが、よくわかりません。サンチョ・パンサが宙を舞うところで、布を使わずに直接胴上げしてました。ジプシーの人形劇もありませんでした。ナイフの踊りで、ナイフを地面に突き刺すのではなく、刃を上に向けて立てるのも珍しかったです。確かにこっちの方が危険かも。

 オケも手馴れた曲とみえて、ドンチャンと鳴らしてました。


マリインスキー・バレエ来日公演2018

≪ドン・キホーテ≫

2018年11月29日
東京文化会館

特設サイト

音楽:ルートヴィヒ・ミンクス
台本:マリウス・プティパ
振付:マリウス・プティパ(1869年)
改訂振り付け:アレクサンドル・ゴールスキー(1900年)
原作:ミゲル・デ・セルバンテス
舞台装置デザイン:アレクサンドル・ゴロヴィーン、コンスタンチン・コローヴィン
舞台装置復元:ミハイル・シシリアンニコフ
衣裳デザイン:コンスタンチン・コローヴィン
指揮:アレクセイ・レプニコフ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団

キトリ:レナータ・シャキロワ
バジル:ティームール・アスケロフ
ドン・キホーテ:ソスラン・クラエフ
サンチョ・パンサ:アレクサンドル・フョードロフ
ロレンソ:ドミートリー・プィハチョーフ
ガマーシュ:ワシーリー・シチェルバコフ
エスパーダ:ローマン・ベリャコフ
街の踊り子:エカテリーナ・コンダウーロワ
メルセデス:アリーナ・クラソフスカヤ
花売り娘:石井久美子、シャマーラ・グセイノワ
森の精の女王:マリア・ホーレワ
キューピッド:タマーラ・ギマディエワ
居酒屋の主人:マキシム・ペトロフ
ジプシーの踊り:オリガ・ベリク、オレグ・デムチェンコ
老ジプシー:マキシム・ペトロフ
ファンダンゴ:アレクサンドラ・ポポワ、アレクサンドル・ロマンチコフ、クセーニャ・ドゥブロヴィナ
東洋の踊り:クセーニャ・ドゥブロヴィナ
ヴァリエーション:ヤナ・セーリナ

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