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2019年5月の3件の記事

2019/05/31

【仏像】運慶作といわれる重文の大日如来 半蔵門ミュージアム(東京)

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 「半蔵門ミュージアム」というのがあって、無料で仏像が見れると聞き、国立劇場で文楽を観た帰りに行って見ました。


【博物館名】半蔵門ミュージアム

【公式サイト】
https://www.hanzomonmuseum.jp
【住所】東京都千代田区一番町25
【拝観日】2019年5月23日
【拝観】休館日:毎週月・火曜、年末年始 拝観料無料!
【仏像】◎重要文化財 ◆初拝観
◎大日如来坐像  木造 漆箔 玉眼 像高61.6cm 鎌倉時代
◆不動明王坐像  木造 漆箔 像高82.7cm 平安〜鎌倉時代
◆梵王身立像(観音三十三応現身のうち) 木造 彩色 像高74.3cm 室町時代
【写真】大日如来と不動明王は、上の公式サイトにあり。
【出品目録】下の画像をクリックすると拡大します。

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 行ってみると、仏教系の新興宗教・真如苑の施設でした。かつて女優の島田陽子が信者であるとかないとか言われて有名でしたね。ということで、メインで祀られていた仏さまは、2008年に海外オークションにかけられてあやうく海外流出しそうだったところを真如苑が競り落とした、運慶作といわれる大日如来さまでした。直後は
東京国立博物館に寄託されたはずで、ぽん太も以前に東博でお目にかかったことがありますが、2018年4月にこのミュージアムを作り、仏さまを引き取って一般公開したようです。

 建物は新しくてきれいです。展示品は多くありませんが、その分ゆったりとしております。何よりも、従業員や、拝観者の多くは信者さんだと思うのですが、とてもニコニコして物静かで親切で幸せそうでした。宗教の力は偉大ですね。さらに都会の一等地で無料で重要文化財を拝ませてくださるのですから、ありがたい限りです。

 大日如来さまはガラスケースに収められておりますが、ケースが小さいのでかなり間近で拝観でき、しかも360度から見ることができます。
 やや小さめの像ですが、とても整っていて、自然な感じ。運慶というと力強いダイナミックなポーズを思い浮かべますが、この仏様は力がはいっておらず、企んだ感じがありません。お顔もお体も、ふっくらとハリがあり、若者のように見えます。もちろん空間的な構成感は運慶の面目躍如というところ。頬のあたりにふっくらと肉がついておりますが、奥行きがあるので、実物は写真で見るほど太った感じはしません。裳(も:ズボン)のウェストのあたりの襞も細かく表現されています。組んだ足の部分の衣紋も、様式的になりすぎず、素直に美しく流れています。
 実に素晴らしい仏さまでした。

 平安〜鎌倉に作られたという不動明王は、上の歯で下唇を噛み、両目は正面を睨みつける古風なお姿ですが、ポーズや表情に硬さがあって、ちょっと新しい感じもします。のちの修復のせいかもしれません。

 梵王身立像は、室町時代の作ですが、つり上がった目が印象的で、丁寧に彫られた美しい像です。観音三十三応現身というのは、法華経の観世音菩薩普門品第二十五(いわゆる「観音経」)に書かれているもので、観音菩薩がさまざまな姿をとって衆生を救うというものです。近世になって、民衆に信仰されていたさまざまな観音様をこれらに割り当てたのが、いわゆる三十三観音です。三十三観音の方が有名ですが、観音三十三応現身の方が元になっているんですね。
 本像は、世俗の姿をしているのが珍しいです。

 4階のシアターで、大日如来と運慶の紹介フィルムが上映されておりました。真如苑の教義の宣伝だったらやだなと思ったのですが、一回「真如」という言葉はでてきたものの、教義とは無関係のちゃんとした解説フィルムでした。勉強になりました。

 そのほか、2〜3世紀ごろのガンダーラの仏伝図浮き彫りや、頭部、江戸時代の仏涅槃図がありました。

 また、奈良時代の百万塔や、経典や文書などが特別展示されておりました。

2019/05/30

【舞踊】これがAKBの発祥であった? 東をどり2019年

 ぽん太都にゃん子は、新橋演舞場に「東をどり」を観に行ってきました。もちろん初めてです。普段は見れない世界の一部を垣間見ることができました。こちらが公式サイトです。

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 京都では、毎年4月に芸妓・舞妓さんたちが踊りを披露する都をどりが有名ですが、それに倣って新橋芸者が芸を披露するのが東をどり。大正14年の新橋演舞場のこけら落としとして行われたのが始まりだそうです。

 開場前、新橋演舞場に集まってきている客層が全然違います。ぽん太とにゃん子が見たことがない人たち。着物のご婦人方、高齢のご夫婦もいれば、業界風というか、遊び人風というか、銀座の夜でブイブイ言わせてる感じの人たちが、ママと連れ立って来てるみたいなのも。う〜ん、同じ東京に暮らしながら、こういう人たちとは接点なく暮らしてるんだな〜。面白いな〜。

 入場したら、インターネットで得た情報にしたがって、まずはお茶席へ。芸者さんがお茶を立てているのを眺めながら、榮太楼のお菓子と抹茶をいただきました。う〜、なんか落ち着かない。

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 ついで二階ロビーで升酒と酒肴をいただきました。

 ちなみにドン・ペリニヨン・ブースには、お金持ちの遊び人さんたちが群がってました。

 そうこうしているうちに舞台が始まります。
 さすがに歌舞伎と違って、本物の女だけあって、可愛いです。フェロモンが感じられます。唄や楽器も女性。マイクを使っているのは、普段はお座敷で披露しているわけですから仕方ないですね。

 幕間を挟んで後半は、賑やかなお囃子に始まり、白波五人男を模した新橋五人女ではベテラン(高齢)の芸者さんが奮闘。座敷唄メドレーでは、お座敷で芸者遊びをしないと決してお目にかかれない唄と踊りを見ることができました。

 芸者さんたちが大勢で踊って楽しいですね〜。こりゃ、昔のAKBだな! AKBが実は日本の伝統の上にあることがよくわかりました。

 最後は全員総出で口上とフィナーレですが、その後に新橋の料亭の女将さんたちが衣装に鬘で現れ、挨拶とちょっとした出し物がありました。これがけっこうグダグダになっていて面白かったです。対照的に、芸妓さんたちの踊りがいかにうまくて、いかにピシッとそろっているかが、よくわかりました。

 う〜〜ん。ぽん太も一生に一回くらい、芸者遊びをしてみたいもんです。

 

第95回 東をどり

新橋演舞場
2019年5月26日

〈第1幕〉

上 長唄 吾妻八景 長唄連中
 男 小福 春千代
 女 きみ鶴 君二郎 小花 ぼたん たまき

下 清元 卯の花 清元連中
 男 喜美弥
 女 今千代 くに龍

〈第2幕〉

新ばしはるあき 囃子・長唄・清元連中

一、銀座囃子
   七重、秀千代、千代加、のりえ、きみ鶴、君二郎、清乃
   ちよ美、小福、ぼたん、小花、たまき、春千代
二、新橋五人女
   静香、小喜美、民、加津代、あや
三、座敷唄メドレー
 さのさ〜ぎっちょんちょん〜東雲〜ステテコ〜並木駒形〜深川くずし〜きりぎりす
   喜美勇、三重子、七重、君千代、秀千代、千代加、のりえ、きみ鶴
   君二郎、清乃、ちよ美、小福、ぼたん、小花、たまき、春千代、小夏 
四、廻り灯篭
   三重子、秀千代、君二郎
五、祭りの賑い
   男 小いく
   女 喜美勇
六、口上、フィナーレ
   全員

地方
 長唄
  唄 照代 小玉
  三味線 晶子
 清元
  浄瑠璃 多賀子 清葉
  三味線 美葉 ゆめ 小雪
 蔭囃子 百々香 ゆい

お茶席
 点前 小優
 半使 喜美緒

2019/05/01

【登山】珍しい狛猫を見に行く 臼杵山(奥多摩)

 4月の頭、ぽん太とにゃん子は、奥多摩の臼杵山に登って来ました。
 お目当ては、途中の臼杵神社にある狛犬ならぬ狛猫です。

 

【山名】臼杵山(842m)
【山域】奥多摩・高尾
【日程】2019年4月3日(日帰り)
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】晴れ
【ルート】下元郷駐車場11:07…11:23元郷バス停…13:27臼杵神社…13:42臼杵山14:08…15:35下元郷駐車場

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大きな地図や3D地図は、ヤマレコの山行記録をご覧ください。
 【マイカー登山情報】登山口まで徒歩15分の檜原街道沿いに18台駐車可能な無料駐車場があります。神社と見まごう綺麗なトイレと、おみやげ屋さんあり。
 ・下元郷駐車場|登山口ナビ
【参考サイト】

 

Img_2210 檜原街道沿いの下元郷駐車場に車を停めます。奥にヒノキの香りが漂う神社みたいな公衆トイレが作られて降ります。背中側にはおみやげ屋があり、農産物が充実しており、地元の人がひっきりなしに買いに来てました。

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 駐車場から見た秋川。ちょっとコバルト色の透明な清流と、桜の花。
 檜原街道を15分ほど歩いて、元郷バス停から登山道に入っていきます。
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 途中の見晴らしがいいところ。東の方向ですね。福生の向こうに所沢という感じでしょうか。西武ドームがちっちゃく見えました。
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 お目当の臼杵神社に到着。ちっちゃな祠の手前に、灯篭と狐がおります。狐がいるということはお稲荷さんか?
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 祠の扉は石で塞がれており、これはちょっと開ける勇気はありません。左右にいるのが狛猫ですね。
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 まずは向かって右。こ、これは……。クマですね。歯がかわいいです。
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 やっぱりクマです。
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 こちらは向かって左側…………カメ?ワニ?
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 かなり崩壊が激しく地面に這いつくばっており、頭もベレー帽をかぶってるみたいになってます。口の形から、右左で阿吽になってるのかな。ドングリまなこが可愛いですが、後から彫られたものかもしれません。
 なぜに猫?ホントに猫?
 こちらのサイト(《臼杵山「幻の狛猫」|山は猫》)によると、奥多摩のバイブルと言われる宮内敏雄著『奥多摩』の記述が、狛猫説のはじまりだそうです。この神社は養蚕の神として地元の信仰を集めていたようですが、養蚕の神様の守り神は猫と昔から決まってます。蚕を食べるネズミを猫が退治するからでしょうか?
 実際に養蚕神を祀る神社に狛猫が置かれている例もあるようです。(《養蚕守護(ネズミ除け)|神使像めぐり》)。
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 まもなく山頂に到着。お弁当を食べ、来た道を戻りました。

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