【歌舞伎】勘太郎の千松、長三郎の鶴千代。2019年8月歌舞伎座第一部
歌舞伎座の八月納涼歌舞伎は、第一部のみ観劇。
第一部のお目当は、もちろん七之助が初役で政岡をつとめる「伽羅先代萩」ですが、勘太郎の千松、長三郎の鶴千代からも目が離せません。
「竹の間」は省略で「御殿」から。その代わり「飯炊き」が付いてました。長三郎くんの「政岡が代わりにそちが行け」を楽しみにしてたので、ちと残念でした。
長三郎の鶴千代は、なんだかぽーっとしている感じで可愛かったです。高貴さはありません、というか、育ちのいいぼんぼんみたいな感じ。昨年11月の「実盛物語」の太郎吉の時は、じっとしてるのも大変という感じでしたが、こんかいはそんな心配もなく、ちゃんと演技してました。う〜ん、子供の成長は早いですね。
勘太郎の千松は立派。この役はたいてい、子役が演じて可愛いな〜という感じですが、勘太郎はきっちり歌舞伎として演じており、歌舞伎的な型や動き方の面白さを感じられました。
対照的なこの二人の成長、ホントに楽しみですね。
七之助の初役の政岡、しっかりと演じており、破綻はありませんでした。さすがに飯炊きは手順に追われてる感じて、ちょっとバタバタしていて、動作に見とれるとこまでいきませんでした。
殺された千松に対し、ついに母親の心情をあらわにして泣き叫ぶところは、猿之助の真似をしたのかわからないけど、ちょっとやりすぎでぽん太は好きではありません。悲しみを観客に伝えるのではなく、観客の拍手をもらおうという感じに聞こえました。
幸四郎が八汐と仁木弾正。八汐はちょっとダミ声でしたが、悪くありませんでした。仁木弾正は巨悪の風格と美しさがありました。児太郎の沖の井。扇雀の栄御前。巳之助の荒獅子男之助は勢いがありました。
「闇梅百物語」は、化け物が次々と出てくる楽しい舞踊。一本足の傘を踊った歌昇、宙乗りまであってご苦労様でした。
八月納涼歌舞伎
2019年8月21日
歌舞伎座
・公式サイト
第一部
一、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)
御殿
床下
乳人政岡 七之助
仁木弾正/八汐 幸四郎
沖の井 児太郎
一子千松 勘太郎
鶴千代 長三郎
小槙 歌女之丞
荒獅子男之助 巳之助
栄御前 扇雀
三世河竹新七 作
二、闇梅百物語(やみのうめひゃくものがたり)
骸骨/読売 幸四郎
傘一本足 歌昇
小姓白梅 新悟
河童 種之助
新造 虎之介
籬姫 鶴松
狸/大内義弘 彌十郎
雪女郎 扇雀
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