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2021年9月の14件の記事

2021/09/30

【展覧会】家光の「兎図」が凄すぎる!/「動物の絵 日本とヨーロッパ」府中市立美術館

 2021年の9月だったか10月だったか、府中市美術館の展覧会を見に行ってきました。

 この美術館、時々面白い企画をやりますね。今回は日本とヨーロッパの動物の絵を集めるという企画でした。

【展覧会】動物の絵 日本とヨーロッパ
【会場】府中市美術館
【見学日】2021年9月〜10月(前期)
【観覧料】1000円。
【公式サイト】・http://fam-exhibition.com/doubutsu/
【出品目録】・展示予定表pdf

 こんかい一番おもしろかったのは徳川家光の絵。こ、これは下手です。本人は下手だと気がついていたのでしょうか。側近たちは、笑いをこらえながら「殿、素晴らしい出来です」などと言っていたのでしょうか。いろいろ想像してしまいます。

 前後期を合わせるとなんと10点の出品でしたが、ぽん太は前期しか見なかったので、「兎図」(個人蔵)、「木兎図」(個人蔵、下関市立歴史博物館寄託)、「枯木に木兎図」(個人蔵)、「木兎図」(養源寺・東京都文京区)、「竹に雀図」(個人蔵)、「鶏図」(個人蔵)の6点でした。特に代表作の「兎図」は、ウサギの帽子を被った人が立っているのかと思ったら、切り株の上にウサギがいるとのこと。笑いが止まりませんでした。

 ギュスターブ・モローの「一角獣」がギュスターブ・モロー美術館からはるばる来日。群馬県立美術館のオディロン・ルドンの「ペガサスにのるミューズ」が見れたのもよかったです。伊東若冲の巨大な「象と鯨図屏風」(MIHO MUSEUM)もすごい迫力。象の耳が切ったゆで卵みたいでした。

 長谷川潾二郎の「猫と毛糸」(個人蔵)は初めて見ましたが、猫がなかなか可愛かったです。

 宗達の「狗子図」(個人蔵)や応挙の「雪中狗子図」(個人蔵)は定番か? 

【登山】城山かたくりの里から草戸山

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 コロナ禍の今年の春、ぽん太とにゃん子は、城山かたくりの里から草戸山に登ってきました。
 緊急事態宣言が解除されたので登山をと思ったのですが、長い自粛生活で体力・筋力が極度に低下しているため、標高365mの草戸山を選びました。先週、桜ヶ丘公園で筋肉痛になったぽん太とにゃん子には(そのうちアップ予定)、いい高さです。
 かたくりの里は、個人所有の山林を整備したもので、1年のうち1ヶ月だけ公開されるレアスポット。さまざまな春の花が咲き乱れ、超オススメです。そこから本沢ダムを通って草戸山に抜けるコースも、気持ちよい春のハイキングを楽しめました。

 

【山域】奥多摩・高尾
【山名】草戸山(くさとやま、365m)、牡龍籠山(おたつごやま、340m)、雨降籠居山(あめふらしたつごやま330m)
【登山日】2021年3月18日
【天気】晴れ
【登山者】ぽん太、にゃん子
【コース】城山かたくりの里駐車場11:44…11:51城山かたくりの里12:06…13:03牡龍籠山…13:09雨降籠居山…13:17航空神社…金毘羅宮…境川源流…14:08草戸山…15:02城山かたくりの里駐車場
【関連サイト】 ・城山かたくりの里公式サイト

 

※大きな地図や3Dマップは、「山行記録のページへ」をクリック!

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 まず、城山かたくりの里を見学。個人所有地を整備したものを、年に1ヶ月のみ公開しているようです。福島の花見山(公式サイト)をちと思い出しますね。入口も農家の間を入っていく感じで、近所の人たちが総出で手伝っているようです。
 で、白いショウジョウバカマみっけ。

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 キクザキイチゲですね。この辺は登山でもお馴染みです。

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 なんだこりゃ。和紙の原料になるミツマタだそうです。

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 これも見たことないぞ。タツタソウだそうです。園芸種ですね。野生のものは中国や朝鮮半島に自生しているそうです。

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 にゃにゃ、このランも見たことない! シュンランだそうです。
 城山かたくりの里、人工的に管理したものではありますが、ここまでさまざまな春の花が咲き乱れていると、とても見事です。
 さて、かたくりの里の見学を終え、草戸山に向かいます。舗装道路を西へ少し登っていき、宝泉寺のお墓を越えたところを右折し、尾根に取り付いていきます。

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 尾根に出たあたりに、小松城跡の案内板がありました。八王子の片倉城の出城だったそうです。本体はちょっと東に戻った、宝泉寺の裏手あたりにあるようですが、今回は見学を省略しました。
 尾根通しの道を西に進んでいくと、やがて舗装道路に出ます。こころ横切って行ってもいいのですが、左折して舗装道路を登っていき、コミュニティ広場のトイレをお借りしました。そのあと牡龍籠山(おたつごやま)を目指しました。ちょっと変わった名前ですね。牡があるなら雌もあるのでは?と思うかもしれませんが、その通りです。雌龍籠山(めたつごやま)は、牡龍籠山の南側、コミュニティ広場の反対側にある山です。

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 牡龍籠山の山頂を通り越してやや東に行ったところに、境川水源地の案内板があります。この辺りは、神奈川県を南下して江ノ島あたりに注ぐ、境川の水源になっています。境川の「源流」は草戸山のやや北東にあり、また境川の支流である穴川や小松川が流れています。
 田畑に水をもたらす水源地の山々は、自然と信仰の対象となり、雨と龍とが結びついて、牡龍籠山・雌龍籠山という名前がついたのでしょう。こちらのサイトには、市民カメラマン小池久男さんのレポートとして、山の西側に広がる川尻地区に残る次のような伝説が紹介されています。
「むかしむかし、龍の夫婦が仲良く暮らしていました。そこに信濃のオスの龍がやってきてオス同士のけんかが始まりました。龍たちが争うとたちまち雲が沸き立ち、風が吹き付け稲妻とともに大雨を降らせました」。
 う〜ん、なぜ信濃なんでしょう。ぽん太にはよくわかりません。

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 さらに少し東に行くと、「航空神社」の祠があります。

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 石碑によると、第二次対戦中の昭和16年、19年に墜落した軍用機の犠牲者を慰霊するために、昭和19年に建立されたようです。
 wikipediaで航空神社を検索すると、全国で8ヶ所の神社が挙げられてます。航空安全を祈願するものが多いようですが、深入りはやめましょう。

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 さらに稜線を東に進むと、金毘羅宮(ことひらぐう)があります。写真は奥宮です。見晴らしが良くて、お弁当を食べているハイカーが大勢いました。下っていくと、さらに立派な社殿や境内があります。
 こちらの記事「池濁らせ雨乞い神事 金刀比羅宮」(神奈川新聞,2018.11.19)によると、1804年に地域の代表が、四国の金毘羅宮から分霊を受けて創建されました。御祭神は大物主神で、龍神・水神として知られてます。本殿の脇に池があって、それをかき混ぜて濁らせる雨乞いの神事が行われるそうです。
 あれれ、ぽん太は、四国の金毘羅宮は海運の守護神だと思ってました。雨乞いなんかやってたかな?
 金毘羅宮 - Wikipediaを見ると、やはり雨乞いについては書いてありません。しかし「当初はあらゆる分野の人々に信仰されていたが、19世紀中頃以降は特に海上交通の守り神として信仰され」という記載があります。このなかに雨乞いもあったのかも。
 みなさんご存知のように、香川の金毘羅宮は象頭山の中腹にありますので、田畑を潤す雨の信仰があったかもしれません。ただ平地に望む象頭山に、実際に水源としての機能があるかどうかは疑問です。
 四国の金毘羅宮の御祭神は、大物主神と崇神天皇です。ネットで検索すると、大物主神は蛇神であり、水神・雷神の性格を持ち、農耕との関わりが強いと書かれているサイトがあります。しかし、大物主 - Wikipediaにはそのような記載はなく、黒蛇に姿を変えたという伝承が記載されているだけです。
 ちなみに大物主神は、先日国立博物館で観た聖林寺十一面観音が祀られていた三輪山に祀られた神様ですね。

 ところで、以前にも書きましたが、日本の神社の御祭神を論ずるには注意が必要です。というのは、明治の神仏分離の時に、御祭神が変えられていることが多いからです。神仏分離というと、「神道と仏教、神社とお寺を分けた」というように理解している人が多いと思いますが、同時にこれまで信仰されてきた土着の神仏を捨てさせ、日本書紀などの記された「公式の神」を割り当てることでもありました。ですから四国の金毘羅宮が、明治維新以前に何を信仰していたかを見てみる必要があります。
 ということでもう一度Wikipediaを見てみると(金毘羅権現 - Wikipedia)、金毘羅第権現の元は護法善神金毘羅で、その元はガンジス川に住む鰐を神格化した水神・クンビーラだそうです。う〜ん、水に関係なくはないようですが、ちょっとわかりませんね。みちくさはこの辺りまでにしておきましょう。

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 ということで、信仰地帯は終わり、城山湖に向かいます。金毘羅宮から石段を下って、前の方で書いた舗装道路に戻り、今度は舗装道路をコミュにティ広場とは反対方向に進んでいきます。広々とした美しい風景です。
 ちなみに、城山湖を堰き止めているダムは「本沢ダム」です。すぐ南にある津久井湖を堰き止めているのが「城山ダム」ですので、ごっちゃにならないようにいたしましょう。
 本沢ダムを見て気になるのは、ダムの下側は野球場になっていて、放流路が見当たらないことです。
 調べてみると、城山湖は、いわゆる揚水発電のためのダム湖であり、川を堰き止めて作ったものではないのですね。余った電力を利用して津久井湖から170m高い城山湖に水を汲み上げておき、必要な時に津久井湖に放流して発電をするのだそうです。そのため水位の変化が激しいので、湖の周りは柵で囲まれて近づけないようになっております。
 登山道は、本沢ダムの上を北に行き、城山湖の北側に沿って西に向かっていきます。途中、大雨の時などに放流するための水路の上を通ります。堰き止めた谷とは別の、もう一つ北側の谷に放流する設計になっているようです。

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 城山湖にいた巨大鯉の群れ。大きい斧は1m近くあるように見えました。
 ようやくこの辺りで、「遊歩道」から「登山道」になってきます。
 湖面ちかくの林の中で、獣だか鳥の大きな声が鳴き声がきこえました。う〜ん、例えて言えばヒヒの叫び声みたいな。聞いたことないけど。かなり獰猛な感じ。あとでぐぐってみたけどよくわかりません。

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 草戸山山頂です。広々しており、展望台もありました。

2021/09/27

【温泉】コロナ禍を忘れられる秘湯!法師温泉長寿館再訪(群馬県みなかみ町)(★★★★★)

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 コロナ禍の今年の春、ぽん太とにゃん子は法師温泉長寿館に泊まってきました。今回で4回目の宿泊です。
 言わずと知れた名湯。秘湯ブームの先駆けでもありますね。あのフルムーンの高峰三枝子と上原謙のポスター、ググってみたら1981年でした。もう40年前か……。
 一時は予約が全然取れない超人気の宿でしたが、さすがに今回はコロナの影響か、直前に予約を取ることができました。しかも、これまで泊まれなかった、登録有形文化財の本館のお部屋です。
 林に囲まれ、湯治の雰囲気が色濃く残る古い建物、素朴で美味しいお料理。そしてなんといってもあのポスターになった素晴らしい温泉が魅力。鹿鳴館様式の建物、木で格子状に仕切られた湯殿、床に敷き詰められた玉石の間からボコボコと自然湧出する源泉。ぽん太の評価は何度行っても満点の5点です。
【宿名】法師温泉長寿館
【住所】群馬県利根郡みなかみ町永井650
【宿泊日】2021年3月下旬
【泉質】カルシウム、ナトリウム硫酸塩泉。43度。源泉掛け流し。
【ぽん太の過去の投稿】【温泉】秘湯ブームの先駆け、いまだ健在!法師温泉長寿館(★★★★★)(2016.3.6)

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 冒頭の写真は、ぽん太とにゃん子が今回泊まった本館にある、20番のお部屋。与謝野鉄幹・晶子夫妻が昭和6年に泊まったお部屋だそうです。

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 長押の上の切り株を使った意匠。



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 天井の梁の木組も見事です。

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 ぽん太とにゃん子が泊まったお部屋はこちらですが、こちらもなかなかいいです。
 ちなみに本館は明治8年に建てられたもので、国の登録有形文化財に指定されております。

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 吹き抜けになっているロビーです。

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 飲水所ですね。
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 夕食は素朴な郷土料理ですが、とても美味しいです。
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 別世界のような秘湯です。この温泉が夢なのか、それともコロナ禍が夢なのか……。

2021/09/26

【ハイキング】法師温泉から法師ノ沢沿いハイキング

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 コロナ禍の2021年春、宿泊予定の法師温泉に早めについたので、運動のため、チェックイン前にちょっとしたハイキングをすることにしました。法師温泉を流れる法師ノ沢沿いの道を登って行き、適当なところで帰ってくるというものです。ちなみにこの道は、ずっと登っていくと、国道17号の三国トンネル手前の三国峠上州口駐車場のところに出ます。
【山域】谷川・穂高
【日付】2021年3月末
【天気】晴れ
【登山者】ぽん太、にゃん子
【ルート】法師温泉14:35…逢初の滝…(15:31)1010m地点…逢初の滝…16:29法師温泉
【地図】

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 宿の裏手にちょっとしたガーデンがありますが、それを左手に見ながら川沿いの道を登っていきます。
 3月末というのに、もう水芭蕉が咲いておりました。

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 10分ほどで逢初の滝(あいぞめのたき)に到着。案内板によると、嫁を取ってもすぐ逃げ出されてしまう若者が、滝の近くの観音様を拝んでいたところ、嫁いでもすぐ追い出されてしまう娘と出会い、夫婦になって幸せに暮らしたという言い伝えがあるそうです。なんかちょっと微妙な話ですね。

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 三国峠近くの山が上の方に見えました。

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 冬枯れの林の中の沢沿いの道を歩いて行きます。
 適度な時間のところで折り返して戻ることにしました。
 途中、フキノトウを摘みながら歩きました。宿に近いところのは夕食用なので採らないように。

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 宿の近くに比較的新しい薬師堂がありました。

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 御堂の中には薬師如来様がおりました。下半身に鑿跡が残ってるように見えるので、新しいものかもしれません。でも、透彫の光背など、頑張って彫られてます。

2021/09/25

【温泉】旅館すぎもと再訪(美ヶ原温泉)(★★★★)

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 第3波の緊急事態宣言が解除された3月下旬、ぽん太とにゃん子は旅館すぎもとを再訪して参りました。
 つかの間の制限緩和ですから、遠くまで行くのはおっくうだし、新たな旅館を開拓して当たり外れがあるのも嫌なので、どうしても以前に行って良かったところのリピートになってしまいます。

 松本からほど近いところにありながら、静かな雰囲気のこじんまりとした温泉街。なかでも旅館すぎもとは、古い装いを留める和モダンの宿で、インテリアもお食事もオシャレです。温泉も自家厳選を持ち、お肌スベスベのアルカリ泉が贅沢に掛け流されております。お料理も美味しいし、スタッフの応対も心地よいです。ぽん太の評価は堂々の4点。

【宿名】美ヶ原温泉 旅館すぎもと
【住所】長野県松本市里山辺451-7
【宿泊日】2021年3月下旬
【公式サイト】http://ryokan-sugimoto.com
【泉質】アルカリ性単純温泉、42度。
【前回の記事】【温泉】古民家と創作懐石で濃厚なおもてなし。美ヶ原温泉「旅館すぎもと」(★★★★)(2014.8.21)

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 宿の入り口です。涼しげな装いです。

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 中庭もなんだかオシャレな雰囲気。寝そべってビールを飲むには、まだ肌寒いです。

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 夕食も、一つひとつ手がこんでおり、お皿や盛り付けも見事です。

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 お酒もちょっと凝った片口で出てきます。色合いもいいですね。

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 おすましもなんか綺麗ですね〜。

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 この宿は自家源泉を持っており、毎分29.3リットルの豊富なお湯が湧出しております。無色透明のお湯はアルカリ性単純温泉。お肌がすべすべになる美人の湯ですね。とても体が温まります。
 上の写真は貸切風呂。無料で入れます。湯船は小さめですが、循環なしの源泉掛け流しです。
 もう一つの白糸の湯は、木曽五木を利用した大きめの浴室で、露天もついてます。こちらも源泉掛け流しですが、循環濾過をしています。

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 朝食もしっかりと作られてます。朴葉焼きとか、ちょっと飛騨も入ってますね。

2021/09/24

【民宿・山菜】「民宿かんづくり荘」再訪(東京都檜原村)(★★★★)

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 コロナ禍の今年の4月、都道府県をまたいだ移動は自粛ということで、東京都檜原村の民宿・かんづくり荘を再訪いたしました。「再訪」といっても、前回泊まった時(2020年7月)泊まった時の記事はアップされておりません。コロナ禍の記事は、だんだん遡って書いているので、そのうちアップするかも。

 秋川上流に位置する檜原村は、東京都は思えない鄙びた雰囲気が魅力。なかでも民宿かんづくり荘は、築約300年の茅葺き屋根の建物が魅力。山菜料理がとっても美味しいです。お風呂は温泉ではありませんが、林に囲まれ、渓流を見下ろしながら入る檜の風呂はリラックスできることこの上なし。おもてなしもアットホームで、8,500円という宿泊料金はコスパ最高。ぽん太の評価は4点。おすすめです。

【宿名】民宿かんづくり荘
【住所】東京都西多摩郡檜原村数馬2411
【公式サイト】http://www.kandukuri.jp
【宿泊日】2021年4月

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 きれいで明るい和室です。窓の外は渓流になっており、ザーザーと音がうるさいです。しかし夜は、水の音が不思議と子守唄になって、とっても熟睡できます。

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 お部屋の鍵のマスコットは……。ぽん太と同じタヌキ、じゃなくって、しっぽが縞々だからアライグマですね。

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 こちらがお風呂です。窓の外は林が広がり、下方には秋川の支流が流れています。温泉ではありませんが、檜原村の水は肌に優しいです。檜の浴槽も温かみがあって、とてもくつろげます。

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 夕食は山菜づくし。ああうれしや。他に地元の食材もいっぱい。これが食べたくてまた来たんです。

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 山菜の天ぷらです。美味しそうです。半年前のことなので、どれがどれなのか覚えてないのが残念。

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 山菜ご飯です。いい香りが漂ってきそうですね。

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 朝食も、山菜が盛りだくさんでした。

2021/09/23

【登山】都民の森から三頭山


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 コロナ禍の今年4月、都道府県を超えた移動の自粛が要請されるなか、ぽん太とにゃん子は運動不足を解消すべく、奥多摩の三頭山に行ってきました。早春の気持ち良い晴天で、新緑が美しかったです。

【山域】奥多摩
【山名】三頭山(1531m)
【登山日】2021年4月22日
【天気】晴れ
【コース】都民の森駐車場10:15…10:45蛸口峠…11:49三頭山東峰…11:53三頭山…12:07三頭山西峰(昼食)12:32…12:41ムシカリ峠…13:25三頭大滝…13:53都民の森駐車場


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 登りはじめは新緑でしたが、山頂近くはまだ冬枯れ。青い空にダケカンバの白い幹が映えます。

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 西峰で昼食休憩。密というほどではありませんでしたが、けっこう登山客が来てました。富士山がきれいでした。
 西峰山頂には、「山梨百名山」の立て札が! あれ?ここ東京都じゃなかったのか。禁を犯して県境を超えてしまいました。このぐらいは許してつかわさい。

2021/09/22

【宿・山菜】コロナ禍で山菜を堪能・兜屋旅館(★★★★)@東京都


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 コロナ禍の今年の春、都道府県をまたいだ移動は自粛ということなので、檜原村の兜屋旅館を再訪いたしました。この春、新潟や東北に山菜を食べに行くことはできませんでした、都内でおいしい山菜を満喫できました。古い兜造りの古民家を移築した、和モダンのちょっと高級な雰囲気のお宿。大浴場が天然温泉じゃないのと、お値段がそれなりにお高いのとで、ぽん太の評価は4点。でも、コロナ禍にゆっくりお風呂に浸かって山菜を満喫でき、本当にうれしかったです。

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【住所】東京都西多摩郡檜原村数馬2612番地
【公式サイト】https://kabutoya.net/japanese/index.html
【宿泊日】2021年4月
【前回宿泊時の投稿】【宿】大きな茅葺き屋根、郷土料理もおいしいよ/兜家旅館(★★★★)(2011.5.17) 

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 和モダンのロビー。高い天井、太い梁が見事です。

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 お風呂はちょっと小さめで、おそらく温泉ではないと思われます。でも、久しぶりに入る大きなお風呂は気持ちよかったです。

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 夕食は山菜づくしです。若い人だと物足りないと思いますが、ぽん太とにゃん子には一番のごちそうです。野菜は旅館の畑からとれたものだそうです。

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 メニューです。山菜の「ふゆ菜」というのは、たぶん初めていただきました。翌朝の帰りがけに、採れたてのふゆ菜をお土産にいただきました。感謝感激です。

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 追加料理でお願いしたタラの芽の天ぷらです。栽培物ではなく、山採りなので、新芽が伸びています。美味しゅうございました。

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 疲れて早く寝ついたせいか、翌朝は早朝に目が覚めてしまい、鳥の鳴き声を聴きながらうつらうつらしておりました。特にミソサザイの囀りには聞き惚れました。
 朝食も美味しい山菜がいっぱいでした。お味噌汁も美味しかったです。

2021/09/20

【ハイソ】武相荘(旧白州邸)に行ってみました。

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 ぽん太は白州次郎・正子といってもあんまり良く知りません。ぽん太が知っているのは、白洲次郎は高級外車に乗ったダンディなおじさんで敗戦後に活躍したこと、白州雅子は十一面観音の本をかいたことぐらいです。でもちょっと、なんとなく気になる存在。
 そんな白州夫妻が住んでいた家が、ぽん太の生息地から遠くない町田にあり、ミュージアムとして公開されていると知り、コロナ禍のなか行ってまいりました。
旧白州邸「武相荘」(ぶあいそう)
【訪問日】2021年夏
【住所】東京都町田市能ヶ谷7-3-2
【開館日】ミュージアム 10:00〜17:00(入館は16:00まで)、月曜定休
【入館料】1100円
【公式サイト】https://buaiso.com
【ご注意】駐車場がちょっとわかりにくいところにあるので、お出かけ前に公式サイトで確認を!

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 現在では住宅街の真っ只中にありますが、駐車場からミュージアムに至る小道は、このように鬱蒼とした樹木に囲まれています。

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 入り口には、次郎の最初の愛車であったPAIGEの同型車が展示されておりました。もちろんぽん太には全く価値がわかりません。でも、かっこいいです。
 
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 内側から門を振り返る。和モダンでいい感じですね。向かって左の建物は、レストランになってます。


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 こちらが白州夫妻が暮らしていた家。武相荘という名の由来は、武蔵と相模の境にあったからだそうですが、もちろん無愛想にかけているのでしょう。
 ぽん太はてっきり一時的に住んだ別邸かと思っていたのですが、1943年(昭和18年)から亡くなるまで住み続けていたんですね。白州正子が1998年まで(ぽん太にとっては「最近」です)ご存命だったことも、初めて知りました。
 内部は古い感じを十分に残しながら、使いやすく改造されており、美的センスに溢れています。林に面したこじんまりとした書斎もいい雰囲気でした。また夫妻が使った食器や着物などの調度品が展示されておりました。正子は、自分が気に入った骨董を買い、飾るのではなくて使っていたと聞きますが、美的センスと「お金」がないとできませんね。ぽん太の巣穴はニトリとユニクロばかりですが、仕方ありません。

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 帰りにレストランでスイーツをいただきました。
 名物の海老カレーやどら焼きも捨てがたかったですが、写真の「カッサータ」を選択。シチリアの伝統的スイーツで、フルーツの砂糖漬けやナッツを、リコッタチーズで冷やし固めたものだそうです。ぽん太はもちろん初めていただきましたが、美味しゅうございました。

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【仏像】特別展「相模川流域のみほとけ」@神奈川県立歴史博物館

 だい〜ぶ前に行った仏像展。
 あまり覚えてないので、ほとんどリストだけ。ぽん太の短い感想は()の中に書いてあります。

 

【展覧会】特別展「相模川流域のみほとけ」
【公式サイト】・https://ch.kanagawa-museum.jp/exhibition/5337
【会場】神奈川県立歴史博物館
【訪問日】2020年11月5日(会期:2020年10月10日〜11月29日)
【入場料】一般:900円
【作品リスト】出品目録pdf
【仏像】◎重要文化財 ◯県指定 □市指定
16  天部形立像(平塚市 六ノ域遺跡) 銅造 平安〜鎌倉時代 12〜13世紀 神奈川県教育委員会
24 ◎千手観音菩薩立像 木造 奈良〜鎌倉時代 8〜3世紀 海老名市・龍峰寺 お姿
   (重文の立派な千手観音ですが、海老名だけになんだか海老っぽい? 一番上の手がひょろ長く頭上に伸びているのが、ハサミっぽいからかも。組んだ手のひらの上に化仏を乗せるのは、京都の清水寺の御本尊千手観音(お姿)に倣ったもので、清水式千手観音と呼ばれるそうな。重文に指定されながら、制作年代が奈良〜鎌倉と定まらないのも謎。)
25 □大日如来坐像 木造 平安時代 12世紀 寒川町・安楽寺
26 □菩薩立像 木造 2躯 平安時代 12世紀 厚木市・延命寺
27  十一面観音菩薩立像 木造 平安時代 12世紀 藤沢市・法照寺
28 □聖観音菩薩立像 木造 平安時代 12世紀 相模原市緑区・普門寺
29 □阿弥陀如来坐像 木造 平安時代 12世紀 相模原市緑区・顕鏡寺
30 □聖観音菩薩立像 銅造 平安時代 12世紀 相模原市緑区・八幡神社
31  阿弥陀如来立像 木造 平安時代 12世紀 藤沢市・普門寺
32  不動明王坐像 木造 平安時代 12世紀 海老名市・国分寺
34 ◎薬師如来坐像 木造 鎌倉時代 建久8年(1197) 藤沢市・養命寺 お姿
   (がっしりした体格で眼光鋭い迫力ある仏さま。秘仏で寅年の4月12日にしかご開帳されなず、貴重な公開。)
35 □ 日光・月光菩薩立像 木造 2躯 鎌倉時代 13〜14世紀 藤沢市・養命寺
36 ◎阿弥陀如来および両脇侍立像 銅造 3躯 鎌倉時代 13世紀 茅ヶ崎市・宝生寺 お姿
37  菩薩立像 銅造 鎌倉時代 13世紀 相模原市南区・無量光寺
39  如来坐像 銅造 古代〜中世 神奈川県教育委員会
40 □阿弥陀如来立像 木造 鎌倉時代 13世紀 平塚市・善福寺
41 □聖観音菩薩立像 木造 鎌倉時代 13世紀 相模原市緑区・井原寺
42  聖観音菩薩立像 木造 鎌倉時代 13〜14世紀 相模原市緑区・正覚寺
43 □十一面観音菩薩立像 木造 鎌倉時代 13世紀 藤沢市・慈眼寺
44 □薬師如来立像 木造 鎌倉時代 13世紀 平塚市・宝積院薬師堂
45 □巳神(伝酉神)立像 木造 鎌倉時代 13〜14世紀 平塚市・宝積院薬師堂
46 ◎他阿真教坐像 木造 鎌倉時代 文保2年(1318) 小田原市・蓮台寺 お姿
   (右顔面神経麻痺の表情がリアルにうつしとられてます。)
47 ◎中峰明本坐像 院広・院蓮作 木造 南北朝時代 文和2年(1353) 山梨県甲州市・栖雲寺 お姿
48  蘭渓道隆坐像 木造 室町時代 15世紀 鎌倉市・常楽寺
49  葦航道然坐像 木造 南北朝時代 14世紀 厚木市・建徳寺
50 ◎夢窓疎石坐像 木造 南北朝時代 14世紀 鎌倉市・瑞泉寺 お姿
51 ◎夢窓疎石坐像 行成作 木造 南北朝時代 延文2年(1357) 山梨県南アルプス市・古長禅寺 お姿
54  地蔵菩薩立像 木造 南北朝時代 14世紀 厚木市・建徳寺
55  地蔵菩薩坐像 木造 南北朝時代 14世紀 相模原市緑区・光明寺
56  賓頭盧尊者坐像 木造 南北朝時代 14世紀 愛川町・八菅神社
57 ◯弁財天坐像 銅造 南北朝〜室町時代 14〜15世紀 茅ヶ崎市・浄見寺
58 □南無仏太子立像 木造 南北朝時代 14世紀 茅ヶ崎市・上正寺
59 □薬師如来坐像 木造 室町時代 15世紀 相模原市緑区・福寿院
60  阿弥陀如来・薬師如来・千手観音菩薩立像 木造 3躯 室町時代 16世紀 相模原市緑区・祥泉寺
61 □観音三十三応現身立像 木造 11躯 南北朝時代 14世紀 平塚市・光明寺
62 □白衣観音菩薩坐像 木造 室町時代 15世紀 平塚市・明王院
63  十一面観音菩薩坐像 銅造 室町時代 15世紀 平塚市・神田寺
64 摩利支天騎猪像 木造 室町時代 15世紀 相模原市緑区・安養寺

2021/09/14

【仏像】「横浜の仏像 しられざる みほとけたち」@横浜市立歴史博物館

 今年の3月に見に行った仏像展の報告です。()で簡単な感想を入れてあります。

 

【展覧会】特別展「横浜の仏像 しられざる みほとけたち」
【公式サイト】・https://www.rekihaku.city.yokohama.jp/hama_no_butsuzo/
【会場】横浜市歴史博物館
【訪問日】2021年3月17日(会期:2021年1月23日〜3月21日)
【入場料】一般:1,000円
【作品リスト】作品リストpdf
【仏像】◎重要文化財 ◯県指定 □市指定
3 □如来坐像(伝阿弥陀如来像) 銅造鍍金 25.3cm 1躯 飛鳥時代 7~8世紀 鶴見区・松蔭寺[東京国立博物館寄託] お姿
   (顎が張った四角いお顔、肩幅もある、飛鳥時代の微笑ましい小金銅仏。)
4 □菩薩坐像 脱活乾漆造 62.1cm 1躯 奈良時代 8世紀 金沢区・龍華寺[神奈川県立金沢文庫] お姿
   (奈良時代の本格的な半跏踏下坐の仏さま。お体は美しいが、お顔が鼻の下を伸ばして口を尖らせたような表情で、なんかおじさんぽい。)
5 □菩薩立像 木造 101.5cm 1躯 平安時代 10世紀 南区・光明寺 お姿
   (一木造の観音様だが、だいぶ朽ちてしまっている。横浜市に現存する最古の木彫像。)
6 ◎十一面観音菩薩立像 木造 180.7cm 1躯 平安時代 11世紀 南区・弘明寺 お姿
   (水平方向に丸ノミの跡を残した「鉈彫り」の十一面観音。肉付きのいいお顔をちょっと傾げ、左手に水瓶を持っているが、お酒を片手にふらりと友人が訪ねてきたかのような親しみがある。地方仏の好品。)
7  薬師如来立像 木造漆箔 94.5cm 1躯 平安時代11世紀 青葉区・医王寺薬師堂[徳恩寺管理] お姿
   (お顔もお体もでっぷり堂々としているが、お体の前後は薄い。目は切長で顎は小さい独特のお顔。後年のものか、ピッカピカです。)
8  薬師如来立像 木造 101.3cm 1躯 平安時代11世紀 栄区 證菩提寺 お姿
   (素朴な地方仏。お顔がちょっとビートたけしっぽい。)
9  菩薩立像(伝大吉祥菩薩像) 木造 彩色 88.9cm 1躯 平安時代11世紀 港北区・西方寺 お姿
10  僧形立像(伝聖徳太子像) 木造 彩色 57.1cm 1躯 平安時代11世紀 港北区・西方寺 お姿
11 □薬師如来立像 木造 85.3cm 1躯 平安時代 12世紀 磯子区・薬王寺 お姿
   (一木造の仏さまだがだいぶ朽ちている。薬壺を持つ左手が胴体に浮き彫りで表現されていたり、ちょっとお地蔵さんっぽい。)
12 菩薩立像(伝千手観音菩薩像) 木造 129.0cm 1躯 平安時代 12世紀 青葉区・真福寺 お姿
   (ぽん太好みの仏さま。目鼻が中央に寄ってちょっと澄ましたようなようなお顔。全体のリズム感と華やかさ。ただ、頭上面や、下方に広げられた腕は後補だそうです。)
13 □毘沙門天立像 木造 古色 150.5cm 1躯 平安時代 12世紀 磯子区・真照寺 お姿
14 □阿弥陀如来坐像 木造 漆箔 頂-顎部30.4/体部高53.9 1躯 平安時代 11世紀 泉区・向照寺[横浜歴史博物館管理] お姿
15 □阿弥陀如来坐像 木造 漆箔 29.7cm 1躯 平安時代 長承元年(1132)以前 金沢区・龍華寺[神奈川県立金沢文庫管理] お姿
16 阿弥陀如来坐像および両脇侍立像 木造 漆箔 中尊83.7左97.2右99.7 3躯 平安時代 久安3年(1147) 金沢区・宝樹寺 お姿
   (三尊の胴体の肉付けや、両脇侍のお顔などがぼんやりしているのに、中尊の表情だけがキッチリ凛々しい。中尊は鎌倉時代に玉眼が入られたとのことだが、その時「整形」されたのかしらん?)
17 □十一面観音菩薩立像 木造 106.3cm 1躯 平安時代12世紀 港北区・西方寺 お姿
   (だいぶ傷んではいるが、優美なお姿。12年に1度しか公開されない秘仏。)
18 □菩薩立像(伝聖観音菩薩像) 木造 漆箔 98.0cm 1躯 平安時代12世紀 都筑区・清林寺
19  阿弥陀如来立像 木造 漆箔 96.2cm 1躯 平安時代12世紀 戸塚区・清源院 お姿
20  釈迦如来坐像 木造 漆箔 51.9cm 1躯 平安時代12世紀 南区・寶林寺 お姿
21 ◎阿弥陀如来坐像(阿弥陀三尊像中尊) 木造 漆箔 112.9cm 1躯 平安時代 安元元年(1175)頃 栄区・證菩提寺 お姿
   (重文です。素晴らしいです。背中をすっと立てたプロポーション。勢いのある衛門の流れ。気合を感じさせる表情。平安の最晩年、鎌倉への過渡期の名品。)
23 ◯薬師如来坐像 木造 漆箔 85.6cm 1躯 鎌倉時代13世紀 磯子区・東漸寺 お姿
   (さて、横浜の仏像、平安時代までは「素朴な地方仏」という感じですが、鎌倉時代になるととたんに「中央」の自信がみなぎってきます。この薬師如来様も、堂々たるボディ、リアルで動きのある両腕、力のみなぎった表情など、運慶の時代を感じさせます。)
24 □大日如来坐像 木造 漆箔 61.4cm 1躯 鎌倉時代13世紀 金沢区・龍華寺 お姿
25 □薬師如来坐像 木造 漆箔 28.0cm 1躯 鎌倉時代13世紀 金沢区・東光禅寺 お姿
26 ◯薬師如来坐像 尊永作 木造 古色 85.2cm 1躯 鎌倉時代 承久3年(1221) 青葉区・保木薬師堂[神奈川県立歴史博物館寄託] お姿
27 □阿弥陀如来坐像および両脇寺立像 木造 漆箔 中尊83.4左88.9右88.5 3躯 鎌倉時代12〜13世紀 金沢区・寶蔵院 お姿
28  阿弥陀如来および両脇侍立像 銅造 中尊47.0左30.3右29.5 3躯 鎌倉時代13世紀 金沢区・龍華寺[神奈川県立金沢文庫管理] お姿
29 観音菩薩立像 銅造 33.8cm 1躯 鎌倉時代14世紀 金沢区・薬王寺 お姿
30 ◎釈迦如来立像 木造 162.0cm 1躯 鎌倉時代13世紀 青葉区・真福寺 お姿
   (
31 □薬師如来立像 木造 漆箔 151.2cm 1躯 鎌倉時代13世紀 金沢区・太寧寺 お姿
32 □日光菩薩・月光菩薩立像 木造 漆箔 日光46.0/月光45.6 2躯 鎌倉時代14世紀 金沢区・太寧寺
33  阿弥陀如来立像 木造 漆箔 124.4cm 1躯 鎌倉時代13〜14世紀 戸塚区・永勝寺 お姿
   装着面 22.4cm
34 ◯聖徳太子立像 木造 彩色 127.7cm 1躯 鎌倉時代14世紀 戸塚区・永勝寺 お姿
   像内納入品 30.7cm
35 ◯地蔵菩薩立像 康増作 木造 漆箔 162.8cm 1躯 鎌倉時代 永仁2年(1294) 金沢区・光傳寺 お姿
36 ◯大日如来坐像 木造 漆箔 104.5cm 1躯 鎌倉時代14世紀 南区・寶生寺[神奈川県立歴史博物館寄託] お姿
37  十一面観音菩薩立像 木造 95.3cm 1躯 鎌倉〜南北朝時代14世紀 旭区・長源寺 お姿
38 ◯十一面観音菩薩坐像 院誉作 木造 古色 43.0cm 1躯 鎌倉時代 正慶元年(1332) 金沢区・慶珊寺 お姿
39  地蔵菩薩坐像 木造 彩色 40.2cm 1躯 南北朝時代14世紀 金沢区・三宝寺[薬王寺安置] お姿
40  地蔵菩薩坐像 朝栄作 木造 漆箔 69.6cm 1躯 南北朝時代 永徳3年(1383) 静岡県賀茂郡河津町・林際寺 お姿
41  聖観音菩薩坐像 銅造 31.9cm 1躯 南北朝時代 延文2年(1357) 栄区・證菩提寺 お姿
42 □達磨坐像 院覚作 木造 36.9cm 1躯 室町 応永2年(1395) 磯子区・東漸寺 お姿
43 □伽藍神倚像 院覚作 木造 38.5cm 1躯 室町 応永2年(1395) 磯子区・東漸寺 お姿

2021/09/12

【仏像】東京国立博物館総合文化展(2021年9月2日)

 特別展の「国宝 聖林寺十一面観音ー三輪山信仰のみほとけ」と「聖徳太子と法隆寺」を観たついでに、本館の総合文化展(常設展)を見学。
 長いコロナ生活の運動不足ですっかり足腰が弱り、数時間展覧会を観ただけで、足が痛くなってしまいました。
 頭も朦朧としてよく覚えてないので、リストのみアップしておきます。

 

【展覧会】東京国立博物館常設展(2021年9月2日
【会場】東京国立博物館
【訪問日】2021年9月2日
【出典目録】
【仏像】◎重要文化財 ◯重要美術品
11室
◎阿弥陀如来および両脇侍立像(善光寺式) 3躯 福島・如来寺旧蔵 鎌倉時代・13世紀 福島・いわき市蔵 お姿
◯不動明王立像 1躯 平安時代・12世紀 東京・大田区蔵
 阿弥陀如来立像(善光寺式三尊像中尊) 1躯 鎌倉時代・文永2年(1265) C-1109 お姿
 釈迦如来坐像 1躯 康乗作 江戸時代・寛文4年(1664) 東京・寛永寺蔵 お姿
 蔵王権現立像 1躯 鎌倉時代・12〜13世紀 C-564 お姿
◎阿弥陀如来坐像 1躯 平安時代・12世紀 長野・光明寺蔵 お姿
◎阿弥陀如来坐像および両脇侍立像 3躯 平安時代・安元2年(1176) 埼玉・西光院蔵 お姿
◎観音菩薩立像 1躯 平安時代・10世紀 滋賀・櫟野寺蔵
◎慈恵大師坐像 1躯 蓮妙作 鎌倉時代・弘安9年(1286) 滋賀・金剛輪寺蔵 お姿
◎不動明王立像 1躯 平安時代・10世紀 京都・妙法院蔵 お姿
 弥勒仏坐像 1躯 秀弁・長弁作 南北朝時代。歴応3年(1340) 滋賀・櫟野寺蔵 お姿
 四方四仏坐像 4躯 旧寛永寺五重塔安置 江戸時代・寛永16年(1639) 東京都蔵 お姿
1室
 誕生釈迦仏立像 1躯 飛鳥時代・7世紀 矢野鶴子氏寄贈 C-1856 お姿
◎釈迦如来坐像 1躯 奈良時代・8世紀 奈良・西大寺蔵 お姿
 聖観音菩薩立像(模造) 1躯 原品=奈良・薬師寺 昭和時代・20世紀、原品=飛鳥〜奈良時代・7〜8世紀 C-1830 お姿
3室
 十一面観音菩薩立像 1躯 平安時代・12世紀 C-331 お姿

 

 

2021/09/09

【仏像】特別展「聖徳太子と法隆寺」@東京国立博物館

 聖林寺の十一面観音様を拝んだ後、同じ東京国立博物館で開催されていた「聖徳太子と法隆寺」展に行きました。
 さすが人気の聖徳太子と法隆寺、ちょっと密というか、ソーシャルディスタンスを考えないで寄ってくる人が多くて困りました。
 でも、展示されている仏さまは素晴らしい。何度も行っている法隆寺のいったいどこに隠されていたのかと思いました。



【タイトル】特別展「聖徳太子と法隆寺」
【公式サイト】
【会場】東京国立博物館
【訪問日】2021年9月2日(会期:2021年7月13日〜9月5日)
【入場料】前売日時指定券:2,100円、当日券:2,200円
【出典目録】出典目録pdf
【仏像】⦿国宝 ◎重要文化財
19 ◎如来および両脇侍像 朝鮮半島・三国時代または飛鳥時代(6〜7世紀) 銅像、鍍金 東京国立博物館(法隆寺献納宝物) お姿
21 ◎菩薩立像 飛鳥時代(7世紀) 銅像、鍍金 奈良・法隆寺 (初) お姿
24 ◎菩薩半跏像 飛鳥時代(7世紀) 銅像、鍍金 東京国立博物館(法隆寺献納宝物) お姿
25 ◎釈迦如来および脇侍像 飛鳥時代 推古天皇36年(628)  銅造、鍍金 奈良・法隆寺 (初) お姿
26 ◎菩薩立像 飛鳥時代(7世紀)  銅造 奈良・法起寺 (初) お姿
27  如来立像 飛鳥時代(7世紀) 木造、漆箔 奈良・法起寺 (初) お姿
35 ◎聖僧坐像(伝観勒僧正) 平安時代(10世紀) 木造、彩色 奈良・法隆寺 (初) お姿
79 ⦿行信僧都坐像 奈良時代(8世紀) 脱活乾漆造、彩色 奈良・法隆寺 お姿
81 ◎阿弥陀如来および両脇侍像 奈良時代(8世紀) 木心脱乾漆、漆箔 奈良・法隆寺 (初)
94  聖徳太子立像(二歳像) 鎌倉時代(13〜14世紀) 木造、彩色 奈良・法隆寺 (初)
135  聖徳太子立像(二歳像) 鎌倉時代 徳治2年(1307)  木造、彩色 奈良・法隆寺 (初) お姿
136  聖徳太子立像(二歳像) 鎌倉時代(14世紀)  木造、彩色 奈良・法起寺 (初) お姿
137 ◎聖徳太子立像(孝養像) 鎌倉時代(13世紀)  木造、彩色・截金 奈良・成福寺 (初) お姿
149 ⦿聖徳太子および侍者像 平安時代 保安2年(1121) 木造、彩色・截金 奈良・法隆寺 (初) お姿
151 ◎如意輪観音菩薩坐像 中国・唐(8〜9世紀) 木造、素地・截金 奈良・法隆寺 (初) お姿
152 ◎如意輪観音菩薩半跏像 平安時代(11〜12世紀) 木造、漆箔 奈良・法隆寺 (初) お姿
170-1 ⦿薬師如来坐像 飛鳥時代(7世紀)  銅造、鍍金 奈良・法隆寺 (360度は初) お姿
171 ◎観音菩薩立像(伝金堂薬師如来像脇侍) 2躯 飛鳥時代(7世紀) 銅造、鍍金 奈良・法隆寺 (初)
172 ◎観音菩薩立像 飛鳥時代(7世紀) 銅造、鍍金 奈良・法隆寺 (初)
175 ⦿四天王立像 広目天 飛鳥時代(7世紀)  木造、彩色 奈良・法隆寺 お姿
176 ⦿四天王立像 多聞天 飛鳥時代(7世紀)  木造、彩色 奈良・法隆寺 お姿
181 ⦿阿弥陀如来および両脇侍像(伝橘夫人念持仏厨子) 飛鳥時代(7〜8世紀)  銅造、鋳造・鍍金 奈良・法隆寺 お姿
182 ◎観音菩薩立像(伝六観音のうち) 飛鳥時代(7世紀) 木造、漆箔 奈良・法隆寺 お姿
183 ◎勢至菩薩立像(伝六観音のうち) 飛鳥時代(7世紀) 木造、漆箔 奈良・法隆寺 お姿
184 ◎文殊菩薩立像(伝六観音のうち) 飛鳥時代(7世紀) 木造、漆箔 奈良・法隆寺 お姿
185 ◎普賢菩薩立像(伝六観音のうち) 飛鳥時代(7世紀) 木造、漆箔 奈良・法隆寺 お姿
186 ◎日光菩薩立像(伝六観音のうち) 飛鳥時代(7世紀) 木造、漆箔 奈良・法隆寺 お姿
187 ◎月光菩薩立像(伝六観音のうち) 飛鳥時代(7世紀) 木造、漆箔 奈良・法隆寺 お姿
182  薬師如来坐像 飛鳥時代(7世紀) 木造、漆箔 三重・見徳寺 (初) お姿




 奈良時代の崇高で気品があり、ちょっと厳しさも感じられる聖林寺の仏様に続けて、法隆寺の飛鳥時代の仏さまにお会いすると、ほんわかとお優しく、装飾的で可愛らしいお姿に、思わず微笑んでしまいます。
 如来および両脇侍像(19)は、大きな光背の前に三尊が並んだ形式。渡来仏とはいえ、よくあるお腹ポッコリでデフォルメされたお姿ではなく、ポロポーションが整っております。この仏様は、法隆寺献納宝物です。東京国立博物館を何度も訪れている人も、門を入って左手にある林の中の小道の先に、法隆寺宝物館という展示館があるのを知らない人が多いのでは? 設計はMoMAニューヨーク近代美術館や葛西臨海水族園で知られる谷口吉生。四角い池の向こうにシンプルな箱が置かれたような、素敵なデザインです。で、このなかに展示されているのが法隆寺献納宝物と呼ばれる300件余りの宝物です。なんでも1878年(明治11年)に、法隆寺から皇室に献上されたものが、第二次対戦後に国有となり、国立博物館に所蔵されたんだそうです。特に約60躯の金銅仏が、広いスペースに一つひとつガラスケースに納められてずらりと並んでいるのは壮観です。東博に行った際は、ぜひお立ち寄り下さい。
 菩薩立像(21)は、微笑みを浮かべたお優しいお顔と、歯車のようなシルエットの装飾的な天衣が特徴。金銅の釈迦三尊像の脇侍と似ていて、止利派の作品と考えられているそうです。
 菩薩半跏像(24)も法隆寺献納宝物の一品。半跏像は右手を頬に添えているのが普通ですが、この像は施無畏印のように手のひらをこちらに向けてます。脚を組んで「ヨッ!」と出迎えてくれたおじさんみたいです。
 釈迦如来および脇侍像(25)は小さな一光三尊像ですが、向かって右の脇侍が欠けてます。止利派の作と考えられており、銘文から628年に蘇我馬子のために作られたとされてます。
 菩薩立像(26)と如来立像(27)は法起寺の仏様。法起寺(ほうきじ)は法隆寺から徒歩20分ほど離れたところにありますが、聖徳太子が法華経を講義したという岡本宮に由来するお寺だそうです。菩薩立像は小さな銅造ですが、火災で焼かれた跡が痛々しい。如来立像は像高約1mの木造の仏さま。顔面などが後補であると指摘されてきましたが、最近のCTスキャンによる調査で、後頭部や胴体前面、左手などが製作当初の部材であることが証明されました。飛鳥時代の大きな木造の仏さまは珍しいですね。左手が体に伏せられているのもあまり見ません。歴史的に貴重な仏像です。
 聖僧坐像(35)は平安時代の作。法隆寺西院伽藍の回廊の内側にある経蔵に安置されています。額に何本も刻まれた皺が印象的です。7世紀初頭に百済から来日し、仏教以外に天文、暦本、陰陽道などを伝えた僧観勒の像と伝えられています。
 ついに出ました。国宝です。行信僧都坐像(79)は、鑑真和上像とともに奈良時代の肖像彫刻の傑作だそうで、いかにも押しの強そうなおっさんです。聖徳太子が亡くなって100年、奈良時代に行信が斑鳩を訪れた時、荒廃すること著しかったそうです。そこで行信は聖徳太子を供養するために、夢殿を含む東院を建立したのだそうです。ということでこの像は、夢殿の救世観音の隣に安置されています。
 阿弥陀如来および両脇侍像(81)は、夢殿の奥にある伝法堂に安置されている。なんでも伝法堂には3組の阿弥陀三尊があり、他にも多くの仏像が隠されているらしい。たまに秘仏公開があるようですが、ぜひ参拝したいものです。
 94, 135, 136, 137は、聖徳太子の二歳像と孝養像。二歳像は、太子が二歳の時に東に向かって手を合わせて「南無仏」と唱えた伝説に由来しています。さらにこの時、合わせた太子の手の間から仏舎利がこぼれ落ちたといわれてますが、136の法起寺の像をCTスキャンで調べたところ、両手の間に空洞があり、鉱物が納められていることがわかったそうです。会場には、そのこぼれ落ちた仏舎利として法隆寺に伝えられたものが展示されておりますが、太子信仰の中心となる遺物で、普段は決して見ることができないものだそうです。
 また137の孝養像の内部に菩薩半跏像が納められていることがわかり、太子を菩薩の化身とみる信仰が伺えるそうです。
 
 国宝の聖徳太子および侍者像(149)は、法隆寺西院伽藍の聖霊院に安置されてますが、普段は非公開の秘仏です。拝観できるのは3月22日のお会式(御命日法要)の時だけですが、ネットの情報では供物が高く積み上げられていてお姿が見えないとの噂も……。今回太子が自ら東京に出向いてきてくれたのは、有り難い限りです。太子様は、写実的で威厳に満ちたお姿ですが、従えている4人の従者は、日本昔話のようなユーモラスな姿で表されています。それでいて、とても高い技術で精緻に彫られています。なんでこんな表現になったのかぽん太にはちっともわかりません。
 続いて如意輪観音菩薩様が2躯。151は中国・唐の坐像で、ちょっと外国っぽいというか、バタくさいです。
 152の半跏像は、展覧会の入り口に展示されているもの。平安時代の「模刻」なのですが、その元になっているのが太子が創建した四天王寺の御本尊さまで、元の方はもう失われてしまっています。とても優美なお姿で、お腹ぷっくりが珍しいですね。
 薬師如来坐像(170-1)は、金堂内陣東の間に安置された名品。こんかいは360度から拝めるのが有り難く、光背の裏側に書かれた、法隆寺創建のいわれが書かれた銘文も見ることができました。これは貴重です。
 観音菩薩立像(171)は、金銅薬師如来像の両脇侍の日光・月光菩薩として安置されておりましたが、作風が異なるのと、頭上に阿弥陀如来の化仏があることから、観音菩薩と考えられております。
 金堂配置の国宝の四天王からは、広目天(175)と多聞天(176)が来てくれました。後の四天王のような躍動感はありませんが、静かな中の怖さがあります。これもぐるりと回り込んで見れるのが貴重です。袖のプリーツ(?)が非常に細かく美しく作り込まれています。
 国宝の伝橘夫人念持仏厨子に納められた阿弥陀如来および両脇侍像 (181)の前には、奥様方の人だかりができてました。それもそのはず、コンパクトで精緻で美しいですね。今回の展示では、厨子からお出ししてガラスケースに陳列されているので、間近から目を凝らして見ることができました。
 182-187は、六観音とも呼ばれている、飛鳥時代の一木彫の像。元々はそれぞれ違うところに安置されていましたが、現在は大宝蔵院にまとめられており、いずれも作風が似ています。見ているとこちらも微笑み返したくなるほっこりしたお姿です。
 
 最後は三重県は見得寺(けんとくじ)の薬師如来坐像。「なんで三重県の仏像がこんなところに?」と思うかもしれませんが、さもありなん。実はこの仏さま、平成10年に「発見」された、白鳳時代の仏様なのです。しかも像高80cmと大きく、上の六観音にそっくり。まだまだ新発見があるんですね〜。
 以上、仏像だけの感想でしたが、今回の展覧会ではそのほかの展示物もいっぱい。コロナじゃなかったら大混雑かも。
 

2021/09/05

【仏像】特別展「国宝 聖林寺十一面観音 ― 三輪山信仰のみほとけ」@東京国立博物館

 コロナ禍のもとですが、聖林寺の十一面観音様が東京にいらっしゃるとうことで、ご挨拶に伺いました。

 本当は昨年開催される予定でしたが、コロナで1年延びたもの。電車で行くのは怖かったので、車で行きました。首都高料金1000円上乗せは痛かったですが、背に腹は代えられません。
 密にならないように時間指定での入場でしたが、ソーシャルディスタンスを取りながらゆっくりと見れました。せっかくですからコロナ禍が終わっても、こんな感じでやってほしいです。
 今回の展覧会は、奈良の三輪山を御神体とする大神神社と、その神宮寺である大神寺(後の大御輪寺)がテーマです。大御輪寺に江戸時代まで祀られていましたが、明治の廃仏毀釈で離れ離れになった、十一面観音、地蔵菩薩、日光・月光菩薩、不動明王(写真のみ。重文。三輪の玄賓庵に祀られているとのこと)が、今回150年ぶりに一堂に会しました。



【タイトル】特別展「国宝 聖林寺十一面観音 ― 三輪山信仰のみほとけ」
【公式サイト】https://tsumugu.yomiuri.co.jp/shorinji2020/
【会場】東京国立博物館
【訪問日】2021年9月2日(会期:2021年6月22日〜9月12日)
【入場料】前売日時指定券:1,400円、当日券:1,500円
【出典目録】出典目録.pdf
【仏像】⦿国宝
⦿十一面観音菩薩立像 奈良時代 8世紀 奈良・聖林寺
⦿十一面観音菩薩立像 光背残欠 奈良時代 8世紀 奈良・聖林寺 (初)
⦿十一面観音菩薩立像 台座蓮弁 奈良時代 8世紀 奈良・聖林寺 (初)
⦿地蔵菩薩立像 平安時代 9 世紀 奈良・法隆寺 (初)
 日光菩薩立像 平安時代 10〜11世紀 奈良・正暦寺 (初)
 月光菩薩立像 平安時代 10〜11世紀 奈良・正暦寺 (初)
 仏像断片 奈良・大神神社 (初)
   頭部 奈良時代 8世紀
   螺髪
   肉親部 奈良時代 8世紀
   衣 奈良時代 8世紀

 大国主大神立像 平安時代 12世紀 奈良・大神神社 (初)
 地蔵菩薩立像 平安時代 12世紀 奈良・大神神社 (初)



 聖林寺の十一面観音様には久々のご対面。おなつかしゅうございました。聖林寺の御堂と同じように、見上げるような感じで安置されております。会場が広くて天井が高いので、ちょっと小さいような気がします。し、しかし……
 素晴らしいです。胸が張って、腰がくびれ、ちょっと昆虫的な、美しいプロポーション。笑みとか怒りとか優しさとかを超えた、崇高な表情。美しい衣紋の流れ。
 今回の展覧会では、後ろに回って360度から拝観できるのが有り難い。正面からはほっそりと見えますが、横から見るとけっこう前後の厚みがあり、特にお腹あたりはでっぷりとしているのに驚きました。
 後ろから頭上の大笑面(真後ろにあり、口を開けて笑っている仏面)を拝もうかと思いましたが、ありませんでした。後で調べたら、頭上の十面のうち(本来の顔を合わせて十一面です)、大笑面、菩薩面、牙上出相がそれぞれ一つ、計三つ欠けてるんですね。
 当初の光背は、破損が激しく、奈良国立博物館に寄託されているもの。聖林寺では、図像だけが展示されていました。
 また、台座の蓮弁が一枚ガラスケースに展示されていましたが、その美しい曲線にも見とれてしまいました。
 こんかい驚いたのが、法隆寺蔵の国宝地蔵菩薩立像。初めて見ました。凄いです。
 特に衣紋の表現が見事。一見すると、太もものところに同心円がある良くある図象ですが、良く見ると左右非対称で、一つひとつの襞が個性的に、ノミ跡も鮮やかに削り出されています。写実性と様式性が実に見事に調和しています。
 お顔も、横から見ると前後の厚みがあり、ちょっと昆虫っぽく見えます。十一面観音様と同じように、人間を超越した不思議な表情です。
 正暦寺に移された日光・月光菩薩像は、これまでの二躯とは違って、見ていて思わず微笑んでしまうような素朴なお姿。バランスも乱れ気味です。特に月光菩薩は普通の人のようなお顔で、なんか日本人が前のに二躯を参考にしながら、一生懸命彫ったのかな〜という感じでした。

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