【温泉】今も変わらぬ山中の秘湯 霧積温泉・金湯館(★★★★★)
オミクロン株の脅威が迫るなか、またこれでしばらく温泉ともお別れかと思いつつ、群馬県の霧積温泉金湯館に行ってきました。
この宿はぽん太にとって20年ぶり3回目の宿泊。ぽん太の狸脳では前回の記憶はおぼろげですが、いまだに山の中の古い秘湯の雰囲気がしっかりと保たれています。「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね」で有名な映画『人間の証明』の舞台となったことで有名ですねと言っても、若い人はわからないか。で、何と言っても素晴らしいのは泉質です。お肌すべすべを通り越してお肌ぬるぬるのお湯が、豊富に正真正銘の源泉掛け流し。これは得点高いです。お食事も地元の山菜や野菜を使った素朴なお料理が食べきれないほど。秘湯マニアにはマストの宿で、ぽん太の評価は5点満点。
【旅館名】金湯館(きんとうかん)
【温泉名】霧積温泉
【住所】群馬県安中市松井田町坂本1928
【公式サイト】・https://www.kirizumikintokan.com
【宿泊日】2022年1月中旬
【プランと料金】
【公式HP限定・2食付】秘湯・霧積温泉の一軒宿で非日常の時間を体感。山の恵み夕朝食付
別館和室 2名1室 1人13,200円(税・サービス料込)
【泉質】カルシウム—硫酸塩温泉
【アクセス】宿の前まで車で入ることはできません。霧積館跡の駐車場に車を停めて、宿の車で送迎になります。横川駅までの送迎もあり。詳しくは宿に確認を。
★楽天トラベルからのご予約は右のリンクをクリック! |
碓氷峠を越える国道18号(旧道)、有名な眼鏡橋(アプト式だった碓氷線の旧線にかかる橋ですね)のやや東から、北へ向かう細い道に入って行きます。信越本線(新線)に沿って走り、霧積湖を抜けると細い山道となります。今は舗装されてるけど、昔は砂利道だったような。タイヤがパンクして自力で交換した記憶があります。
約30分で無料駐車場に到着。ここには以前霧積温泉きりずみ館という温泉旅館がありました。秘湯を守る会の会員宿でしたが、ぽん太は一度も宿泊する機会がないまま、2012年4月をもって残念ながら閉館となりました。トレードマークだった水車小屋だけが残ってました。ここ宿の送迎の車に乗り換え、ゲートを開けてさらに林道を登って行きます。ちなみに20年前に来た時はゲートがなく、宿の前まで車で入ることができました。
約15分で宿に到着。当日は日本各地で大雪の予報でしたが、一応太平洋側なので雪は多くありません。しかし冷え込みは凄かったです。入り口のある建物が、明治時代に建てられたものだそうです。
水車に水を運ぶ水路から漏れた水が凍りついて、氷の列柱になっております。奥にある白い建物は、こんかい泊まった「別館」です。ぽん太が30年くらい前に泊まった時は、ここには古〜い木造の建物がありました。ちと新しいのがちょっと残念。
こちらが今回泊まった別館のお部屋。築30年ぐらいなのできれいで居心地よいです。でも、石油ファンヒーターを着けっぱなしにしても、室温が20度より上がりません。お布団は隣の部屋に敷いてくれました。寝ていて寒いんじゃないかと心配しましたが、電気アンカが入っていて、暖かく一晩をすごせました。
今回はあまり予備知識がなく別館の部屋となりましたが、どうせ泊まるなら、明治時代の本館をお勧めします。部屋と廊下は障子で仕切られているだけですが。ネットからは予約できないのかもしれません。
かつて周辺が別荘地・避暑地として栄えた頃、多くの政治家や文人が訪れたそうで、伊藤博文が憲法を草案したという部屋があります。改装はされていますが、天井には太い梁が残っています。
こちらが浴室です。タイル張りのレトロな雰囲気。お湯は無色透明。入るとお肌がすべすべを通り越してぬるぬるする感じです。かすかに味がします。注がれたお湯がそのまま溢れ出ていくという、正真正銘の源泉掛け流し。湯量は豊富です。ややぬるめなので、いつまでも入ってられます。この泉質は素晴らしいですね。
温泉分析書です。泉質はカルシウム—硫酸塩温泉(弱アルカリ性低張性温泉)。pHは書いてないですね。泉温は28.9度です。
夕食は部屋食です。写真ではちょっとわかりにくいですが、天ぷらのボリュームがすごいです。保存物でしょうけどフキノトウや、そのほかよくわからない山菜が盛りだくさん。左上は上州名物刺身コンニャク。右下はニジマスの塩焼き。右上ですが、イワナの骨酒を追加注文しました。
そして豚汁(豚少なめ)です。これまた写真ではよくわかりませんが、いわゆるお椀ではなくて、ラーメンどんぶりぐらいあり、ボリューム満点。根菜類もいっぱい入ってます。とっても美味しくて体も温まりますが、全部食べきれなくて申し訳ありませんでした。
廊下に貼ってあった昔の金湯館の写真。ぽん太が30年前に泊まった時はこれに近かった気がします。一番奥にある赤い屋根の建物が昔泊まったところで、建て替えて今回泊まった別館になってます。本館から浴室に続く通路は吹きっさらしになってます。
Wikipediaによれば、霧積温泉の発見は1200年代。江戸時代には湯小屋があったとのこと。
金湯館の開業は明治17年(1884)。1886年には、これまでの旧中山道(熊野神社を通って旧軽井沢に抜ける道)に変わって、碓氷新道(現在の国道18号)が開通しました。当時周辺は別荘地・避暑地として栄え、多くの政治家や文人が訪れました。最盛期には旅館4軒、別荘20〜30軒があったそうです。どこにそんな建物が建っていたのかと思いますが、地図を見ても平地らしい平地はなく、霧積川沿いに点在していたのかもしれません。
しかし明治25年(1892)の横川—軽井沢間の鉄道開通などで別荘地は軽井沢へと移って行き、明治43年(1910)の山津波で金湯館以外の温泉街・別荘は壊滅し、以後山中の一軒宿となりました。
霧積温泉といえば、森村誠一の長編推理小説『人間の証明』(1975年)の舞台として有名です。一般には(ぽん太もそうですが)、それを映画化した角川映画(1977年)の方が有名ですね。そこで重要な鍵となるが「母さん、僕のあの帽子どうしたでせいうね」で始まる詩で、テレビCMでもキャッチコピーとして繰り返し流され、当時の日本人はみんな(?)知ってました。これは、象徴派詩人にして歌謡曲の作詞家でもあった西條八十(さいじょう やそ)の詩「ぼくの帽子」で、大正11年(1992)に雑誌『コドモノクニ』に発表されました。森村誠一が学生時代に霧積温泉を訪れた時、お弁当の包み紙に書かれていたその詩に強い印象を受けました。それがやがて『人間の証明』として世に出たのだそうです。
« 【GoTo温泉】漱石も泊まった修善寺の老舗旅館がリニューアル 湯回廊 菊屋(★★★★) | トップページ | 【GoTo温泉】岩盤から流出する源泉が見事! 草津温泉 ての字屋(★★★★★) »
「旅・宿・温泉」カテゴリの記事
- 【温泉】日本秘湯を守る会のスタンプ帳ご招待で沓掛温泉・満山荘に泊まる(2022.05.04)
- 【温泉】広い庭園のなか回廊で結ばれた登録有形文化財の建物・別所温泉・旅館花屋(2022.05.02)
- 【温泉】GoToで行った扉温泉・明神館が良かったので、今度は自前で再訪(2022.04.30)
- 【温泉】湯河原温泉 伊藤屋・お見送りが嬉しい登録有形文化財の老舗旅館(2022.04.28)
- 【温泉】湯沢の山の中の一軒宿、眼病に効く掛け流しの温泉・貝掛温泉(2022.04.27)
« 【GoTo温泉】漱石も泊まった修善寺の老舗旅館がリニューアル 湯回廊 菊屋(★★★★) | トップページ | 【GoTo温泉】岩盤から流出する源泉が見事! 草津温泉 ての字屋(★★★★★) »
コメント