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2022/01/12

【GoTo温泉】漱石も泊まった修善寺の老舗旅館がリニューアル 湯回廊 菊屋(★★★★)

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 修善寺の創業400年の老舗旅館を、共立リゾートがリニューアルして誕生した「湯回廊 菊屋」。GoToトラベルを利用して行ってきました。池を囲むように建つ古い建物が、回廊でまるで迷路のようにつながっており、探検すると楽しいです。リニューアルされた部分が快適さを高めております。ただ雰囲気的にちょっと大衆的なところが減点1となり、ぽん太の評価は4点。歴史ある老舗旅館にそこそこのお値段で泊まれるという点ではおすすめです。

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【旅館名】湯回廊 菊屋
【温泉名】修善寺温泉
【住所】静岡県伊豆市修善寺874-1
【公式サイト】・https://www.hotespa.net/hotels/kikuya/
【宿泊日】2020年11月上旬
【部屋】本館 花の語り部
【泉質】アルカリ性単純温泉

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 桂川の手前側(北側)にある入り口がこちら。旅館というよりは、ちょっとお寺っぽいですが、修善寺だけにお寺っぽくしたのかも。ちなみにリニューアルの設計は熱海にある石井建築事務所(https://www.ishii-aa.com/works/781/)。旅館やホテルの設計を得意としているようです。

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 桂川を渡る通路の中が、ロビーになっております。

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 今回泊まったお部屋です。古い建物が好きなぽん太は本館和室を選択。同じ建物の2階が、かつて夏目漱石が逗留した「梅の間」になっております。「修善寺の大患」と呼ばれる漱石の菊屋逗留に関しては、あとでもう一度触れます。

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 この部屋のいいとろこは、中庭にある大きな池に面しているところ。翌朝の写真ですが、池に反射した光が窓ガラスにゆらゆらと当たって、とても綺麗でした。

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 鯉の餌は100円で売られていますが、この部屋には無料で餌が置かれており、好きなだけ鯉の餌やりをすることができます。ぽん太も早速やってみました。

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 建物の外観です。夏目漱石が泊まったのは明治43年(1910)ですから、それ以前からあった建物だと思いますが、外装はモルタルが塗られているようで、残念ながら古めかしさはありません。

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 お風呂がたくさんあって、いろいろ楽しむことができます。
 まずは「菊風呂」。いわゆる大浴場ですが、湯船の形がいいですね。橋もかかってます。壁はコンクリート製ですが、新たに板の壁を増設して雰囲気を出しております。無色透明のお湯で、泉質はアルカリ性単純温泉。残念ながら循環・加水・加温・消毒ありです。

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 露天風呂「朱雀の湯」です。やっぱり露天は気持ちがいいです。

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 お風呂ですごいのは、無料の貸切露天風呂が4つもあるところ。空いていたら自由に使えます。しかもこれらは「源泉掛け流し」です。雰囲気も素晴らしいですが、泉質を楽しみたい方はぜひご利用を。写真は「黎明の湯・星」です。

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 こちらは「岩戸の湯」。タイルが美しいレトロなデザインです。

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 夕食はレストランでいただきます。お造りは新鮮な伊豆の幸。わさびはもちろんその場で鮫肌で擦ります。

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 こちらがメニューです。

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 カサゴのフリットです。他にビーフシチューなど、洋風のメニューも加わります。

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 デザートの羊羹は富士山型。伝統にとらわれず、楽しいお食事です。


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 こちらは風呂上がりに最適の、無料のアイスキャンディーのサービスです。
 そのほかにも、夜になると夜食として小さなラーメンの無料サービスがあります。ぽん太はもう満腹で食べられませんでしたが……。若い人にはうれしいサービスですね。

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 朝食も美味しゅうございました。

 

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 さて、迷路のような回廊を巡って、館内探索に出発!
 レトロモダンになってますね。廊下の床板や、奥の方のガラス戸は、けっこう年代ものに見えます。

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 菊屋は創業400年といわれる歴史ある宿ですが、その「歴史」は、ぐぐってみても情報が出てきません。書籍にあたる元気はないので……。
 しかしその中で有名なのが、上で触れた、漱石の「修善寺の大患」です。

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 明治43年(1910)8月6日、43歳の漱石は、胃潰瘍の療養のために当時の菊屋別館を訪れました。その時泊まったのが、ぽん太の上階の「梅」の間でです。ところが翌日は別館が全館貸切だったため、漱石は本館の2階の部屋に移りましたが、その部屋をとても気に入ったようです。この本館は、当時は新館扱いだったようです。1階は少し掘り下げた形で温泉になっていたらしいですが、現在のどの位置なのかはちとわかりません。ひょっとしたら、現在の帳場や、岩戸の湯・古代の湯があるあたりかも……。この本館の一部は、現在は修善寺虹の郷(公式サイト)の日本庭園内に移築され、夏目漱石記念館となっております。漱石が療養した部屋も(1階になってますが)見ることができます。

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 しかし漱石の病状は日増しに悪化。8月24日には大量吐血をして昏睡状態に陥り、危篤を聞いた知人が次々に訪ねてきたそうです。しかしなんとか一命を取り留め、病状は徐々に改善。10月11日に漱石は東京に戻っていきました。
 随筆『思い出すことなど』(青空文庫)『修善寺日記』などにその頃のことが書かれているそうです。

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 菊屋は、明治から大正にかけて修善寺温泉の開発に貢献してきましたが、戦後になって徐々に時代に乗り遅れるようになり、バブル崩壊後は赤字経営に陥りました。2004年10月、台風22号では桂川が氾濫して多くの旅館や民家が被害を受けましたが、菊屋も壊滅的な被害を受け、ついに自主再建を断念。共立メンテナンスが経営を引き継ぐことになり、2006年7月、「湯回廊 菊屋」としてリニューアルオープンでしそうです。

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