【GoTo旅館】登録有形文化財の招月楼に泊まる 料亭旅館 八ツ三館@飛騨古川(★★★★★)
高山から北に約15kmに位置する飛騨古川。ともに古い街並みが残る街ですが、高山は観光地として賑わっておりますが、飛騨古川は昔ながらの静けさが残っています。
八ツ三館は、白壁土蔵街からほど近く、荒城川のほとりにある料亭旅館。江戸末期の開業で、いかにも飛騨らしい落ち着いていて風格のある建物が魅力です。ぽん太とにゃん子は、登録有形文化財に指定されている招月楼のお部屋を選択。歴史を感じさせる素晴らしい部屋でした。お料理は、飛騨の素材を使ったいろどり鮮やかな品々。これは料亭旅館とうたうだけあって、美味しくて見事でした。運び湯なので温泉としては大きく減点となりますが、旅館部門としての評価では5点満点!
【旅館名】八ツ三館(やつさんかん)
【住所】岐阜県飛騨市古川町向町1-8-27
【公式サイト】・https://www.823kan.com
【宿泊日】2020年11月下旬
【部屋】招月楼(登録有形文化財)
【泉質】弱アルカリ性単純温泉(流葉温泉からの運び湯です)
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荒城川に面する八ツ三館の玄関です。建物、庭、植木、どれもお見事。関東や東北の旅館とは趣が異なります。
江戸時代の末期に開業。明治から大正にかけて製糸業が盛んだったころは、野麦峠を越えて信州に出稼ぎに行く女工たちの募集拠点や集散場所として賑わったそうです。
八ツ三館は実際に、1979年に発表された映画「あゝ野麦峠」(大竹しのぶが出たやつですね)のロケ地として使われたそうです。
ロケ地といえば、松本清張原作の映画「0の焦点」(1961年の野村芳太郎監督の方ではなく、2009年の広末涼子主演の方)のロケ地にもなっているそうです。
ロビーです。赤や緑の皮の重厚なソファが、漆塗りで装飾的な飛騨独特の内装によく合います。
八ツ三館という名前は変わっていますが、創業者が越中八尾出身の三五郎さんだったことから、「八」と「三」をとって屋号を「八ツ三」にしたんだそうです。
広い旅館で、いくつかの建物が迷路のようにつながっています。古い部屋が好きなぽん太とにゃん子は、登録有形文化財の「招月楼」を選びました。明治38年に再建された飛騨の商家造りで、宮大工の手になる木造二階建てです。建具の漆塗りの桟のリズム感が心地よいです。
床の間には青い袋に入れられた日本刀が。刃がついているのかどうか確認しませんでしたが、妻のにゃん子に寝首を掻かれないか心配です。
荒城川の対岸から見た八ツ三館の全景。右側の看板がある建物が招月館です。こちらから見るとあまり古めかしさを感じませんが……
県道から招月楼に直接入る玄関で、こちら側は古い商家らしい趣があります。
玄関の内側から外を見るとこんな感じ。あら素敵ですね。道路よりも土間が少し低くなっていて、緩やかな石段で結ばれています。
料理の美味しさを言葉で表現する能力はぽん太にはないので、写真からご判断ください。メニューもアップしておきます。
いろどり鮮やか、地元の素材を使い、手も込んでいて、とても美味しゅうございました。
お風呂もいろいろあって楽しめます、アルカリ単純温泉をうたってますが、残念ながら八ツ三館から北東に約10kmのところにある流葉からの運び湯です。
朝食はもちろん朴葉焼き付き。お土産を買って行って家で作っても、なぜかこの美味しさが出ないんですよね。
泊まった翌日は、飛騨古川の街並みを散策。瀬戸川と白壁土蔵街です。風情がありますね。
武満徹の歌碑。読んでみると、「酒は自然が人間に示す友愛の徴だ 随って何よりも先ず謙虚に接しなければならない」というもの。
なぜに武満徹? しかもお酒に関する石碑? 飛騨古川と武満徹の関係は?
よくみると場所が渡辺酒造店の横。私費で建立したものかもしれません。こちらのサイト(酒造散策|渡辺酒造)によれば、平成5年4月建立とのこと。「世界的な作曲家・武満徹先生の日本酒好きは、つとに有名ですが、大吟醸酒をごくぬるめのお燗でお召し上がりになるのが印象的でした」とのこと。へ〜、武満が日本酒好きだとは知らなかった。大吟醸のぬる燗は、ぽん太も太田和彦さんに倣ってやってます。確かに美味しいですよね。
でもなぜにこれが「歌」? よくわかりません。
武満と古川の関係は、ぐぐってみると、飛騨古川が1989年に創設した飛騨古川音楽大賞の第1回受賞者が武満徹でした(その後の受賞者は誰なのか、ぐぐっても見つかりません)。で、それ以来武満は古川の街をいたく気に入り、たびたび訪れたそうです。1994年には旧古川町の委嘱で「精霊の庭Spirit Garden」を書き上げました。下のYoutubeで聴くことができます。
あと、飛騨古川音楽大賞や、飛騨古川国際音楽祭が現在どうなっているのか、これもぐぐってもよくわかりませんでした。
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