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2022/04/29

【神像】重文を含む神像群は必見!・特別企画展「箱根神社の御神像」箱根神社宝物館

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 久々に箱根神社を訪れたところ、宝物館で神像の特別展が開かれておりました。「箱根神社神像群」と呼ばれる神像8体のうち7体が公開されているとのことで、当然重要文化財も含まれております。

 前回訪れたのは2016年10月末。その時の記事はこちらです(【神社】万巻上人坐像(国重文)箱根神社(神奈川県箱根町)2017/05/13
)。その時万巻上人にお会いしたのは覚えてますが、神像を見たかどうかは、認知症の入り口に立つぽん太には定かではありません。

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 当日は春休みで天気も暖かく、平日だというのに箱根神社は家族連れで賑わっておりましたが、宝物館は我々以外に二組の見学者しかおりませんでした。

【展覧会】特別企画展「御鎮座1265年特別公開 箱根神社の御神像 ー信仰と歴史ー」
【会場】箱根神社 宝物館
【住所】神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1
【拝観日】2022年3月下旬
【拝観】大人500円
【公式サイト】・https://hakonejinja.or.jp/hakone/#link_05
【仏像】◎重文 ◯県指定
箱根神社神像群
◎男神坐像 木造 彩色 平安時代 お姿
◎女神坐像 木造 彩色 平安時代 お姿
◯女神立像 木造 彩色 鎌倉時代 お姿
◯男神坐像 銅鋳造 鎌倉時代 お姿
 僧形神立像 木造 彩色 鎌倉時代
 男神立像 木造 彩色 鎌倉時代
 女神立像 木造 彩色 鎌倉時代

 柿本人麻呂像 木造 室町時代

常設展
◎万巻上人坐像 平安時代 お姿
 役行者像・前鬼像・後鬼像
 親鸞聖人像

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 第一駐車場の近くにある宝物館です。2007年の新築。あんまり風情はありませんね。でも中身はけっこうすごいです。こちらの有隣堂のサイト([座談会]箱根神社とその遺宝 −秘蔵されていた平安時代の神像を初公開−)、宝物館ができた時の座談会で、とても興味深い内容なので、一読をお勧めいたします。

 箱根神社は、奈良時代の757年、万巻上人(まんがんしょうにん)によって創設されました。箱根山に入峰した万巻上人は、箱根の最高峰・神山の三神、比丘(びく)形(僧形神)、宰官(さいかん)形(男神)、婦女(ふじょ)形(女神)を祀る社殿を造営し、「箱根三所権現」と消しました。以後、さまざまな時代に、信仰の対象となる神像が作られました。

 現在は8体の神像が伝えられております。今回公開されている8体から柿本人麻呂像を除いた7体と、今回公開されなかった室町時代前期の木造男神像1体の、計8体です。

 平安時代の男神坐像・女神坐像は重要文化財。お顔が似ていて同一の作者により、構造から11世紀頃の作と考えられるそうです。男神の鼻が高いことから外来神の特徴が伺えるそうです(文化財オンライン)。高貴で端正な素晴らしい像ですね。ぽん太は、なんか天皇陛下とお顔の雰囲気が似ているような気がします。体の表現が同時代の仏像に比較して大雑把なのは、下手なわけでも手を抜いたわけでもなく、もともと神様というものが姿形のないおぼろげなものだからですね。

 神奈川県指定文化財の鎌倉時代の女神は、プックラしたおばさんが片袖を頭にかぶってます。なんか能だか神楽だかでこんなポーズを見たことある気がするのですが、ぐぐっても見つかりません。

 鎌倉時代の銅像の男神坐像は、ちまちまっとしたお顔に、眉毛や唇の紅の彩色が残っていて、ちょっと嫌ったらしい貴族みたいな雰囲気です。

 残りの鎌倉時代の僧形神、男神、女神はよく似たお姿で、三体で祀られていたと思われます。リアルでありながら、ちょっと素朴な像。

 威厳や厳しさ、崇高さを感じさせる仏像と違い、なんかここの神像はほっこりしていて心が安らぎますね。

 さて、箱根神社神像群には含まれませんが、柿本人麻呂像は、片膝立てて足を崩し、ツンと上を向いたちんちくりんのおっさん。なんでこんな格好をしているのかと思いましたが、ぐぐってみると、人麻呂像は絵も彫刻もみんなこんな感じ。なんでやねん。よくわかりません。

 ただ一つ残った室町時代の男神立像、なぜ今回は公開されなかったのか……。ぼろぼろなのでしょうか? いつかお会いしたいです。

 2Fの常設展に行き、まず重文の万巻上人に再会。福禄寿みたいに頭が大きく、上体が細身ですっくと立ったお姿ですが、キャラが立ってます。このお方のおかげで今の箱根がある。ありがたい限りです。

 役行者像・前鬼像・後鬼像は、室町だか江戸だかの作で、頭巾をかぶり脛を出した定型的なお姿。前鬼・後鬼は両方とも男の姿で、持ち物も失われたのか、もともとないのか、ありません。お口は阿吽になってますね。

 親鸞聖人像は、聖人自作の像と伝えられているそうですが、表情も衣服もちょっとつたない感じ。

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