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2022/05/06

【仏像】放光院長楽寺の秘仏御本尊・聖観世音菩薩が御開帳

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 高速の姨捨サービスエリア内に貼ってあったポスターから情報を得て、長野県千曲市にある長楽寺の御開帳に行ってきました。

【寺院】長楽寺  放光院姨捨山 (天台宗)
【住所】長野県千曲市八幡4984
【期間】2022年4月9日〜5月8日
【拝観日】2020年4月下旬
【拝観料】無料
【関連サイト】信州千曲観光局 https://chikuma-kanko.com/2022-02-25/post-32317/
  (公式サイトはありません)
【仏像】
 聖観世音菩薩(秘仏御本尊)

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 千曲川を望む高台にあります。茅葺き屋根で、ちょっと鄙びた曲がり屋風ながら、瀟洒で風流な建物です。

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 製材されていない梁を使ってますが、それがいい味になってます。

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 ご本尊の撮影は禁止ですが、上の写真の撮影はOKとのこと。善光寺の御開帳と同時期で、回向柱も立っていると、また善光寺式阿弥陀三尊かと思いますが、長楽寺の秘仏は聖観音菩薩さま。足を一歩踏み出し、腰をかがめ、蓮華台を捧げ持っています。このポーズは、来迎形式の阿弥陀三尊像の、向かって右の脇侍ですね。例えばこちらの写真の京都聞名寺の阿弥陀三尊像をご参照下さい。そっくりでしょう? 来迎形式とは、我々が亡くなったときに阿弥陀様がお迎えにくる時のお姿です。

 大きさは50cmくらいでしょうか。内陣の真ん中に厨子に入れずに置かれていて、内陣まで入って間近で拝むことができます。細身でしなやかで美しいプロポーション、衣類の表現も細かく丹念です。こんな仏さまがお迎えに来てくれるのなら、死ぬのもあんまり怖くないですね。

 額縁には「伝 善導大師作」と書かれていますが、善導は中国浄土宗の僧で7世紀ごろの人。そんなに古いとは思えません。ぽん太の印象では、鎌倉後期から室町時代の作のような気がします。

 また額縁には、昭和50年の修理落慶記念として、明治5年以来秘仏とされていた本尊の御開帳をしたときの写真だと書かれています。以前はほとんどお目にかかることができなかった仏さまなのですね。今回お会いできてありがたい限りです。

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 本堂の斜面側に付随した建物は「月見堂」と呼ばれています。窓からは千曲川周辺の平地を一望できます。姨捨は平安時代から観月の名所とされてきました。『古今和歌集』の読み人知らずの歌、「わが心慰めかねつさらしなや 姨捨山に照る月を見て」は有名ですね。また西行も「隈もなき月の光をながむればまづ姨捨の山ぞ恋しき」と詠んでいます。

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 近世以降は棚田が作られるようになり、その水面に映る月は「田毎の月」と呼ばれるようになりました。写真は長楽寺の東に広がる棚田ですが、残念ながらまだ水が張られていません。

 芭蕉は、『奥の細道』の旅の前年の1688年(元禄元年)、信州更科へ名月を見る旅にでかけました。岐阜から木曽路を経て更級に到着、善光寺を参詣し、碓氷峠を経て江戸に帰りました。そのときに詠んだ「俤や姥ひとり泣く月の友」(おもかげや うばひとりなく つきのとも)は、姨捨伝説を踏まえた句で、「捨てられた姥がひとりで泣きながら月を見ていたという、そのおもかげを思いながら、今宵は月を友としよう」といった感じ? また「十六夜もまだ更級の郡哉」(いざよひも まださらしなの こほりかな)は、「十五夜を過ぎて月が欠け始めているというのに、名月に心を奪われて更級を去ることができない」といった感じでしょうか。

 こちらのサイトには、歌川広重が描いた「田毎の月」の3点の浮世絵の画像があります。2毎目と3毎目には、今と変わらぬ長楽寺が描かれています。棚田の一つひとつに同時に月が映るということは、よっぽど遠くから望遠で見ないとありえないと思いますが、心の中の風景ですね。

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 こちらは観音堂。巨岩のよこにあり、宙に浮いているかのような建物ですね。

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