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2022/03/22

【美術展】キューピッドの画中画をみちくさ。修復後の《窓辺で手紙を読む女》「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」東京都美術館

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 オミクロン株による第6波が減りそうで減らない今日この頃、ぽん太とにゃん子は、修復によってキューピットが現れたというフェルメールの《窓辺で手紙を読む女》を見に、上野まで出かけてまいりました。この絵は修復前も見たことはなく、今回が初見でしたが、とても素晴らしかったです。上のふたつの画像は(そして以下のフェルメールの絵も)Wikipediaからコモン・ライセンスのものです。もちろん左(スマホだと上?)が修復後、右(下?)が修復前です。

 1979年に行われたX線調査によって、壁の中にキューピットを描いた画中画があることが確認されたのですが、フェルメール自身が塗りつぶしたと考えられていました。しかし2017年12月に始まった新たな調査の結果、上塗りはフェルメールの死後に何者かによってなされたことがわかり、フェルメールが描いた当初の状態への修復が行われることになりました。長い修復が終わって公開されたのが2021年9月。今回の展覧会は、この絵を所蔵しているドレスデン国立古典絵画館以外での初の公開となります。

ドレスデン国立古典絵画館所蔵
「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」

東京都美術館(上野)
2022年3月上旬
公式サイト
作品リストpdf

【主な出品作】
・ヨハネス・フェルメール《窓辺で手紙を読む女》(修復後)1657-59年頃 
・レンブラント・ファン・レイン《若きサスキアの肖像》1633年
・ワルラン・ヴァイヤン《手紙、ペンナイフ、羽ペンを留めた赤いリボンの状差し》1658年
・ヤン・デ・ヘーム《花瓶と果物》1670-72年
・コルネリス・デ・ヘーム《牡蠣とワイングラス(レーマングラス)のある静物》製作年不詳

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 コロナ災の展覧会はすべて時間予約制。ちょっと早く着いたので、上野駅2Fに新しくできたエキュート上野の「やなぎ茶屋」に行きました(→ホームページ)。ぽん太は「宇治抹茶白玉ソフト」を注文。抹茶のお味がしっかりしてとても美味しかったですが、ひとつだけ注文があります。白玉がちょっとでかすぎます。噛み切らないと飲み込めないので、ちょっと食べにくいです。他のお客さんも苦労して食べてるように見えました。


 食欲が満たされたところで美術展の会場へ。入口のメッセージを読んだり、前座の絵を見ている人たちを尻目に、ぽん太とにゃん子は一目散にフェルメールを目指します。B1Fを足速に通り抜け、エスカレーターで1Fに上がり、《窓辺で手紙を読む女》の前へ。オミクロンのせいもあるのか、けっこうすいてました。絵の前に20人くらいしかいなかったかな。向かって左の上流に停滞している人たちを尻目に、ぽん太とにゃん子は下流の右側から接近。上流から流れてきた人が下流から立ち去るのですから、下流の方が絵に接近しやすいです(注:係員さんが「列は作っておりません、空いている方からご覧ください」と案内をしてました)。

 で、素晴らしいです。テーブルの上の厚めの織物、右側のカーテンの硬めの布の質感が見事に描かれてます。テーブルに置かれた果物は光が当たってキラキラ輝いていますが、近づいて見ると霜が降りたかのような小さな白点が描きこまれています。《牛乳を注ぐ女》でもピッチャーや容器に白い点がありましたが、それはグラニュー糖のように大きく、今回の絵とは違ってます。女性の黒い服の上の金糸も光り輝いております。修復前の写真の模写も展示されていましたが、それより全体に色も鮮やかですね。

 ところが絵に向かって右からの角度からだと、今回の修復で現れたという肝心のキューピットの画中画が、ライトの照明が反射してよく見えません。そこでいったん戦線離脱し、こんどは左側から接近。見えました、見えました。背景ですからやや淡いタッチですが、大きめのキューピットが弓を杖代わりに立ち、仮面を踏みつけております。仮面は欺瞞や不義を表すので、キューピットがそれを踏みつけているということは、真実の愛を讃えていることを意味するそうです。

 俳句など省略好きの日本人にとっては、修復前の絵の白くて大きな壁の中に、女性がいったどんな手紙を読んでいるのかをあれこれ思い浮かべるのもいいような気がしますが、修復後の、誠実な愛の応援歌として見るのも悪くないですね。この娘の幸せを祈りたくなります。

 実はこの絵キューピットの画中画は、他のフェルメールの絵にも出てきます。

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 まず《眠る女》(1657年頃、メトロポリタン美術館)。暗くて見づらいですが、画面の左上の絵がそれで、キューピットの片足と仮面が見えてます。

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 次に《中断された音楽の稽古》(1660 - 1661年頃、フリック・コレクション)。不鮮明なのはフェルメールがそう描いたのか、経年変化のせいなのかぽん太にはわかりませんが、真ん中に大きく例のキューピットが描かれています。

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 そしてはっきりキューピットが描かれているのが、《ヴァージナルの前に立つ女》(1672 - 1673年、ナショナル・ギャラリー@ロンドン)です。おんなじポーズのキューピットで、左手に札みたいなものを掲げていますね。仮面は踏みつけていないようです。

 いろいろとググってみると、このキューピットの絵は、オットー・ファン・フェーンの有名な「寓意画集」のなかの「only one」という絵が元になっているそうで、恋愛に対する貞節を賞賛しているんだそうです。画中画は、その絵をもとに誰かが描いたものと考えられますが、特定はされていないそうです(『ヴァージナルの前に立つ女』 - Google Arts & Culture)。

 オットー・ファン・フェーンに関しては、日本語のWikipediaにはなし。英語版Wikipediaの方にはあって、オランダ人の画家で、16世紀後半から17世紀前半にベルギーで活躍。ヒューマニストとしても知られ、若きルーベンスの絵の先生でもあったそうです。

 ファン・フェーンは、エンブレム・ブック(寓意画集)の制作にも熱心に取り組みました。エンブレム・ブックとは、まさにファン・フェンーンが活躍した16世紀・17世紀にオランダ、ベルギー、ドイツ、フランスで流行した本の形態で、ちょっと謎めいた絵と、それを解き明かすヒントとなる文章の組み合わせが、多数掲載されたものでした(エンブレム・ブック - Wikipedia)。

  で、問題となっているキューピットの絵ですが、探していたらありました。Emblem Projict Utrecht というサイトで、ファン・フェーンの『愛のエンブレム』(Amorumu Emblemata, 1608)の全文(!)を見ることができます。画中画の元の絵はこちらですね(→Perfectus amor non est nisi ad unum)。

 右手で弓を杖のように持つキューピットが、左手で数字の1が書かれた札を高く掲げ、それ以外の数字が書かれた札を右足で踏んづけています。

 あれ、踏んづけているのは仮面じゃないですね。もう一度《窓辺で手紙を読む女》の画中画をよくみてみると、確かに足元には仮面が置かれていますが、踏んづけているのはちょっとよくわからない何かです。公式サイトにも、画中画のキューピットが「仮面を踏みつける」と書いてありますが、これ、ひょっとしたら間違いなんじゃないの?

 また、《ヴァージナルの前に立つ女》に描かれたキューピットが持っている札。数字の1が書かれているはずですが……拡大して目を凝らしても読み取れないですね。フェルメールがそもそも描いていなかったのか、それとも経年劣化のせいなのか。

 さて、オットー・ファン・フェーンのエンブレムに戻ると、タイトルは PERFECTVS AMOR NON EST NISI AD VNVM.です。Arist. と書いてありますから、アリストテレスの引用ですね。ただホームページの主は、引用先が見つからないため、本当にアリストテレスの言葉かどうかわからないとしているようです。

 PERFECTVS AMOR NON EST NISI AD VNVM. というのはラテン語ですね。えっへん。ラテン語を1年間だけ勉強したことがあるぽん太がお読みいたしましょう。格変化とか全て忘れたというか、最初から覚えられなかったですが。さて、昔はアルファベットのVとUがあまり区別されてなかったので、現代の表記では PERFECTUS AMOR NON EST NISI AD UNUM. となります。nisiを羅和辞典で引くと「もし〜でないのなら」という意味だそうなので、あとはだいたいわかりますね。直訳すれば、「ひとりに向かうのではなければ、完全な愛ではない」、くだいて訳せば「完全なる愛はただひとりにのみ捧げられる」といったところでしょうか。

 その下に書いてあるラテン語の文章は、ちょっと訳すのがめんどくさいですが、ありがたいことに下に英訳が書かれています。

Only one.
No number els but one in Cupids right is claymed,
All numbers els besydes he sets his foot vpon,
Because a louer ought to loue but only one.
A streame disperst in partes the force thereof is maymed.

 こ、これ英語? なんか変ですが……という気がしますが、VとUが混ざっていることなどを考慮して暗号解読していくと、claymed→claimed、vpon→upon、louer→loverなど、わかりますね。

ただ1のみ。
キューピットが右手に持つ数字の1だけが求められる。
それ以外の全ての数字の上に、キューピットは足をのせる。
なぜなら、愛する者はただ一人たけを愛すべきだから。
流れはいくつもに分かれると、その力は弱まるのだ。

 in Cupids right というのがわからないな〜。「キューピットが右手に持つ」という意味のような気がするけど、絵では左手に持ってるよな〜。版画で裏返しになったとか? 「キューピットの正義において」なんてことないよね。

2021/12/30

【バレエ】コロナ禍で久々のバレエ 「バレエ・フォー・ライフ」モーリス・ベジャール・バレエ団

 だいぶ以前の話ですが、今を去る10月15日、新型コロナの患者数が奇跡的に減ってきたことから、恐るおそるバレエを見に行くことにしました。切符を取ったのが直前になってしまったのですが、これまた奇跡的に、端っこですが1階8列くらいの席が空いてました。当日キャンセルか、関係者席の放出があったのかもしれません。

 演目は、クイーンの音楽を使った「バレエ・フォー・ライフ」。2020年5月に日本公演が予定されていて、ぽん太もチケットを取っていたのですが、コロナ禍により中止となった因縁の演目です。

 いや〜。一年以上ぶりに、しかも舞台に近い席で見れるバレエはよかったです。なんか、戦争が終わって、久々に舞台を生で観た人々の感動がちょっとわかりました。

 ぽん太はロックや海外ポップスには疎いので、クイーンという名前は知っていますが、CMなどで流れた2曲ぐらいしか知りません。一応Youtubeで少し予習をしておいたのですが、もうちょっと曲を聴き込んでいて、歌詞はともかく何を歌った歌かぐらいわかるようにしておくと、もっと楽しめたかもしれません。

 で、衣装がヴェルサーチですか? これもまたぽん太は名前はかろうじて知っているけど、どんな服を作るのか全くイメージがわかない一流ファッションデザイナー。とってもお洒落でしたが、ファッションは時代じだいの流行物のせいか、ちょっと懐かしい印象も受けました。

 全体としては、2ヶ月以上前の話なので細かいところを覚えていないのですが、都会的で洗練されて躍動感のある舞台でした。ベジャール独特のユーモアもあり、狭い部屋に男性ダンサーが入っていくところなど、すでに「密」状態なのにさらに舞台袖からダンサーが登場してきて「ええっ、まだ入るの?」という感じでした。

 このバレエの初演は1997年。1991年に他界したフレディ・マーキュリーと、その翌年に世を去ったジョルジュ・ドンへをトリビュートして作られた作品です。

 二人とも同性愛者で、死因はAIDSでした。今でこそ同性愛の権利は広く認められておりますが、当時はまだ偏見の強い時代でした。またAIDSに関しても、当時の認識では、同性愛者や麻薬中毒患者に広がるウイルスが原因で治療法がなく緩慢な死に至る病いというところで、治療法が確立されていったのはようやく1990年代後半になってからでした。バレエファンにとっては、1993年に亡くなったフドルフ・ヌレエフも忘れることはできません。

 舞台の後半でジョルジュ・ドンの動画が映し出されました。容貌と姿だけで強烈な存在感があるタイプですね〜。

 その動画を、出演ダンサーたちが、舞台上で体育座りして一緒に眺めるというのは、ぽん太にはちょっと違和感がありました。確かに現在のベジャール・バレエ団のダンサーたちにとって、ジョルジュ・ドンは見たこともない偉大な大先輩なんでしょうけど、いやしくも彼らもベジャール・バレエ団のプロのダンサーなんですから、観客と一緒になって動画を見てるのはどうなのかと。カーテンコールでもジル・ロマンが最初に出てきて、出演ダンサーを一人ひとり舞台上に迎え入れていったのですが、良く言えばジル・ロマンが中心になって若いダンサーを引っ張っているという感じですが、悪く言えば学校の先生と生徒みたいで、ダンサーたちが半人前に扱われ、彼らもそれを受け入れているように感じてしまいました、などというのは、ぽん太のひねくれた見方でございますから、ファンの方々はお怒りにならないようお願い申し上げます。

 日本人ダンサーの大橋真理が、可愛らしくてスタイルも良く、素晴らしい踊りを見せてくれました。男性の大貫真幹も大活躍でしたが、ヘアスタイルが角刈りみたいで、かつ今回の衣装が着古して伸びたランニングシャツみたいに見えて、なんか夏に縁台で夕涼みしているお父さんを思い浮かべてしまいました。ヘアスタイルの変更を希望します。




モーリス・ベジャール・バレエ団
2021年日本公演

「バレエ・フォー・ライフ」

2021年10月15日
東京文化会館

振付:モーリス・ベジャール
音楽:クイーン/W.A.モーツァルト
衣装:ジャンニ・ヴェルサーチ
公式サイト:https://www.nbs.or.jp/stages/2021/bejart/index.html

【キャスト】
「イッツ・ア・ビューティフル・デイ 」
タイム/レット・ミー・リヴ
カンパニー全員

「フレディ」
ファブリス・ガララーグ

「ブライトン・ロック」
ソレーヌ・ビュレル、アランナ・アーキバルド、アントワーヌ・ル・モアル、大橋真理、ガブリエル・アレナス・ルイズ、キアラ・ポスカ、大貫真幹

「ヘヴン・フォー・エヴリワン」
アンジェロ・ペルフィド、ガブリエル・アレナス・ルイズ
 天使:パオロ・ランドン

「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」
ヴァレリア・フランク
 花嫁:ジャスミン・カマロタ
 天使:アントワーヌ・ル・モアル

モーツァルト 「コジ・ファン・トゥッテ」
大橋真理、ガブリエル・アレナス・ルイズ、キアラ・ポスカ、大貫真幹

「カインド・オブ・マジック」
ドリアン・ブラウン、ドノヴァーヌ・ヴィクトワール、アンジェロ・ペルフィド、クララ・ボワテ、アレッサンドロ・カヴァッロ、シプリアン・ブヴィエ、ファブリス・ガララーグ(フレディ)、ハビエル・カサド・スアレス、岸本秀雄、アントワーヌ・ル・モアル、クウィンテン・ギリアムズ、ヴィト・パンシーニ、リロイ・モクハトレ、アンドレア・ルツィ

モーツァルト 「エジプト王タモス」への前奏曲
ガブリエル・アレナス・ルイズ

「ゲット・ダウン・メイク・ラヴ」
大橋真理、ガブリエル・アレナス・ルイズ

モーツァルト  ピアノ協奏曲21番
アランナ・アーキバルド、ハビエル・カサド・スアレス、アンジェロ・ペルフィド、キアラ・ポスカ

「シーサイド・ランデヴー」
ソレーヌ・ビュレル
アリステール・マダン、アレッサンドロ・カヴァッロ、オアナ・コジョカル、ビアンカ・ストイチェチウ、イ・ミンギョン

「テイク・マイ・ブレス・アウェイ」
大橋真理、ガブリエル・アレナス・ルイズ、岸本秀雄、ドノヴァーヌ・ヴィクトワール、カルメ・アンドレス、ソレーヌ・ビュレル

モーツァルト 「フリーメーソンのための葬送音楽」
ガブリエル・アレナス・ルイズ

「Radio Ga Ga」
リロイ・モクハトレ

「ウインターズ・テイル」
大貫真幹
アンジェロ・ペルフィド、キアラ・ポスカ

「ミリオネア・ワルツ」
クウィンテン・ギリアムズ、シプリアン・ブヴィエ、ドリアン・ブラウン、岸本秀雄、アリステール・マダン

「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」
大橋真理、ガブリエル・アレナス・ルイズ、キアラ・ポスカ、大貫真幹

「ブライトン・ロック」
アレッサンドロ・カヴァッロ、ドノヴァーヌ・ヴィクトワール、フロリアーヌ・ビジョン、オアナ・コジョカル

「ボヘミアン・ラプソディ」
カンパニー全員

「ブレイク・フリー」 (ビデオ)
ジョルジュ・ドン(ビデオ)とカンパニー

「ショー・マスト・ゴー・オン」
カンパニー全員

2021/12/26

【クラシック】初めて聴いた角田鋼亮の指揮。東京フィルの『第九』

 昨年はコロナで行けなかった年末恒例の『第九』に、今年は行ってまいりました。

 日付の関係から、今年は東京フィルのオペラシティーでの演奏会を選択。当初はケンショウ・ワタナベが指揮をする予定でしたが、オミクロン株の拡大に伴って来日できなくなり、代わりに角田鋼亮が振ることになりました。ぽん太は初めて聞く名前ですが、ぐぐってみると、昭和55年生まれの41歳。若々しくエネルギッシュな指揮ぶりで売り出し中のようです。

 また新国立劇場合唱団も、以前に聴いた『第九』で少人数なのに圧倒的な声量だったのが印象に残っており、今回も期待が高まります。

 まずは『フィデリオ』序曲でしたが、ぽん太はあまり聞き込んでない曲なので、特に感想はなし。

 さて、7分の曲のあとに15分の休憩を挟み、いよいよ『第九』です。

 出だしのテンポは早めの普通(?)といった感じ。歯切れが良くてパンチが利いた演奏で、大時代的な重厚感はありません。ぽん太は最初はちょっと付いていけなかったのですが、再現部の終わりのあたりから、ぽん太が慣れてきたのか、演奏側が乗ってきたのかわかりませんが、何だか気持ち良くなってきました。ただ第一楽章独特の、恐怖感というか、凄まじさは感じられませんでした。

 第二楽章も同様に、エネルギッシュでビートのきいた演奏ながら、バッカス的な狂乱は感じられず。エンディングの「ちゃかちゃかちゃかちゃかちゃん」の最後の「ちゃん」を、ふわっと力を抜いて鳴らしたのは、ぽん太は初めてで、ちょっとびっくりしました。帰ってからスコアを見ると、確かに「ちゃかちゃかちゃかちゃか」はフォルテッシモやフォルテの記号があるのに、最後の「ちゃん」には何も付いていません。Youtubeで何人かの指揮者の演奏を聞き直してみたのですが、同じような終わり方は見つかりませんでした。

 第三楽章は指揮棒を持たずに指揮。両手のひらを別々に、ひらりひらりと翻すような動きで、踊りのような、蝶が舞うかのような、これもまた初めて見ました。とても美しい演奏でしたが、テンポが早いので、一つひとつの楽想をそれぞれ味わって聴いていくというよりは、次々と現れては消えていく音の戯れを立ち尽くして聴いている感じがしました。

 金管のファンファーレも、普通は甘美な音楽に満足している人を夢から覚まさせる警告のように演奏すると思いますが、あっさりとしか感じ。二度目のファンファーレのあとのちょっと不安がよぎるようなパッセージも、さらりと流していました。角田鋼亮は、あまり音楽に意味を持ち込みたくないというか、標題音楽的にしたくないのかもしれません。

 ということで最終楽章ですが、これはベートーヴェンの曲自体の素晴らしさもあるのか、コロナ禍を経て2年ぶりに聞けた感慨もあるのか、さすがにぽん太も感動。新国立劇場合唱団は、期待した通り今回も少人数でしたが圧倒的な迫力。今回は1階席で聴いていたのですが、オペラシティ・コンサートホールでは、オケの後ろの2階部分に合唱が立つので、上の方から声が降り注いでくる感じで、本当に神々しかったです。

 独唱陣も悪くなかったです。今回の演奏もそうでしたが、バリトンのO Freundeで始まる最初のレチタティーヴォで、昔はなかった装飾音を入れるのが最近多い気もしますが、どんな理屈なんでしょうか。ぐぐってみたけどわかりませんでした。

 プレスティッシモで上り詰めて全曲が終わった瞬間、フルートが片手で楽器を高々と掲げた状態になっていたのには驚きました。いったいどうゆう経緯であのポーズになったのでしょう。

 とうことで、初めて聴いた角田鋼亮の演奏は、興味深くもあり、感動もありで、全体としては大いに満足できました。コロナと闘う苦難の一年が終わり、来年も良い年でありますように。

 

ベートーヴェン『第九』特別演奏会
東京フィルハーモニー交響楽団

12月23日
東京オペラシティ コンサートホール
公式サイト・https://www.tpo.or.jp/concert/20211223-01.php

指揮:角田鋼亮
ソプラノ:迫田美帆
アルト:中島郁子
テノール:清水徹太郎
バリトン:伊藤貴之
合唱: 新国立劇場合唱団

ベートーヴェン/歌劇『フィデリオ』序曲 Op.72

ベートーヴェン/交響曲第9番二短調『合唱付』Op.125

2021/12/08

【オペラ】コロナ禍で2年ぶりのオペラ鑑賞「ニュルンベルクのマイスタージンガー」新国立劇場2021

 コロナ禍でオペラは約2年間観に行くことができませんでした。公演中止の期間もあったし、人数制限をしながら公演が再開されてからも、劇場内や行き帰りの電車での感染が不安でした。しかしながら今や、なぜかわからないけど感染者がほとんどいなくなったということで、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を観に行ってきました。いつもは4階のぽん太とにゃん子ですが、今回は買うのが遅かったため4階は売り切れで、なんと豪華にも2階のB席となりました。ちょっとお高いけど2年ぶりだしね〜。リベンジ消費ってやつですか? 最後列の端っこでしたけど、4階より舞台もよく見えるし、声もよく届きました。

 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を観たことで、ヴァーグナーの主要なオペラをほぼコンプリートしたことになります。嬉しかったです。

 『マイスタージンガー』といえば、ぽん太は第一幕への前奏曲しか聞いたことがありません。この壮大な前奏曲に始まるオペラが喜劇だったと知ってびっくりしました。ベックメッサーのセレナーデをザックスが槌を打って邪魔するシーンなんて、ロッシーニかモーツアルト、はたまたヨハン・シュトラウスという感じですもんね。またこの調性明瞭な音楽が、『トリスタンとイゾルデ』の次に作曲されたことにまたびっくり。もっと初期のオペラかと思ってました。そういば『トリスタン』のメロディーがちょっと自己引用されてましたね。
 伝統を意に介さない若者が出てくるあたり、ヴァーグナーらしいです。『指輪』のジーグフリートもそうですが、無邪気な子供みたいなところもあって、歌舞伎で言えば『暫く』の主人公の権五郎 ようです。そういえば歌舞伎では、荒事は子供の心で演じるべしという伝統があります。

 とりあげられているテーマも、創造と伝統を巡る芸術論や、子供の頃から接してきた娘への恋ごろ、そして若者の未来のためにその恋を諦めること(リヒャルト・シュトラウスの『ばらの騎士』元帥夫人を思い出しますね)、迷妄の伝染など、深いテーマがいくつも盛り込まれていて考えさせられました。
 でも、さすがに最後の「ドイツの伝統を守ろう」にはちょっと引いてしまいました。ワグナーは全然悪くないのに、ヒトラーによるナチスプロパガンダへの政治利用があったからですね。日本の明治時代を描いたドラマで、「西洋ばっかり追いかけずに日本の伝統を守ろう」という発言があっても誰もなんとも思わないのに。「意味」というのは後から決まるというフロイトの「事後性」の、いい例ですね。
 こんかいの演出のラストは、ヴァルターとエレートがマイスターの称号を拒否して飛び出していくというもので、いわゆる「どんでん返し」としては良くある演出に感じたのですが、ドイツ人の演出家ヘルツォークとしては、そうするしかなかったのかもしれません。


 歌手は新国立でお馴染みの人たち。ベックメッサーのアドリアン・エレートは、小芝居盛りだくさんで面白かったです。ザックスから詩を受け取って帰るときの、「あの、あの歌詞はどこ行きましたっけ。歌詞の紙ですよ。ああ、ポケットにいれてたんだ。よかった、ありがとう」みたいなマイムとか。演出家が考えたんでしょうか、それともエレートのアイディア? トーマス・ヨハネス・マイヤーのザックスは風格あり。ギド・イェンティンスのポーグナーは哲学者のような雰囲気が合ってました。ヴァルターのシュテファン・フィンケは新国立初登場とのこと。もうちょっと声にツヤが欲しかったです。エーファの林正子が外人勢に互角の勝負。

 ヘルツォークの演出は、当時の衣装と現代の衣装が混ざっていて、美術も美しくて現代的センスもあり、悪くなかったです。
 後で調べてみたら、実は劇中劇という設定で、その歌劇場の支配人がハンス・ザックスだったんだそうです。そんなの初めて見るぽん太にはわからないがね。見る人がみたら、劇中劇の舞台美術が、この演出が既に上演されたザクセン州立歌劇場の内装と同じだと、一眼でわかるんだそうです。知らんがな。
 新国立で再演されることがあったら(いつのことやら)、次はよく見てみます。

 蛇足ですが、ぽん太とにゃん子は、2015年のGWにミュンヘンを訪れました。

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 中央広場ではマーケットが開かれていました。

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 仮装してミュンヘン観光をしている子供たち。



リヒャルト・ワーグナー
ニュルンベルクのマイスタージンガー<新制作>

2021年11月24日
新国立劇場オペラパレス

新国立劇場公式サイト

【指 揮】大野和士
【演 出】イェンス=ダニエル・ヘルツォーク
【美 術】マティス・ナイトハルト
【衣 裳】シビル・ゲデケ
【照 明】ファビオ・アントーチ
【振 付】ラムセス・ジグル
【演出補】ハイコ・ヘンチェル
【舞台監督】髙橋尚史

【ハンス・ザックス】トーマス・ヨハネス・マイヤー
【ファイト・ポーグナー】ギド・イェンティンス
【クンツ・フォーゲルゲザング】村上公太
【コンラート・ナハティガル】与那城 敬
【ジクストゥス・ベックメッサー】アドリアン・エレート
【フリッツ・コートナー】青山 貴
【バルタザール・ツォルン】秋谷直之
【ウルリヒ・アイスリンガー】鈴木 准
【アウグスティン・モーザー】菅野 敦
【ヘルマン・オルテル】大沼 徹
【ハンス・シュヴァルツ】長谷川 顯
【ハンス・フォルツ】妻屋秀和
【ヴァルター・フォン・シュトルツィング】シュテファン・フィンケ
【ダーヴィット】伊藤達人
【エーファ】林 正子
【マグダレーネ】山下牧子
【夜警】志村文彦

【合唱指揮】三澤洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団、二期会合唱団
【管弦楽】東京都交響楽団
【協力】日本ワーグナー協会

2021/11/12

【クラシック】ちっとも指揮しないのね。リッカルド・ムーティ/ウィーン・フィルハーモニー交響楽団(プログラムA)

 今回はぽん太とにゃん子のいつもの席、舞台の裏側のP席です。
 音のバランスはちと悪いですが、団員の様子がよく見えるのと、なんといっても指揮者を正面から観れるのが面白いです。

 さて、今日のムーティー。あまりに指揮をしないのにビックリ。Aプロではもっと動いてた気がするけど。う〜ん、体調悪そうには見えないが……。古典的なプログラムだったからかしら。

 指揮棒で拍子をとるなんてことはほとんどなし。指揮棒振るときは、音楽にブーストをかけるときくらい。フレーズの出だしてちょっと店舗をとると、あとはニュアンスを、表情や、腕の動きで示す感じ。繰り返しの部分では、特に動きが少なくなります。ソロパートなどは、演奏者に任せてたりしてました。
 ウィーンフィルという優秀なオーケストラだからこそなのか、ムーティとウィーンフィルが長年かけて培った信頼感からなのか、それとも今やどんなオケでもこのように振るのか、ぽん太にはよくわかりません。

 「ハフナー」は、モーツァルトがハフナー家のために作曲したセレナードを、交響曲に改作したものであることはよく知られてます。公演プログラムのオットー・ビーバの解説によると、ウィーンの演奏会で新曲を披露するというのが、改作した理由だったそうです。この曲は、1783年3月23日にウィーンのホーフブルク劇場で初演されました。ハフナーって、ウィーンとゆかりがある曲だったんですね。

 2曲目はシューベルトの「グレイト」。Youtubeあたりで聴くと、長くて延々と同じメロディが繰り返されて、なんか退屈な曲だとぽん太は思ってました。しかし今日聴いてみると、列車の窓から次々と新しい風景が現れては消えていく感じで、約一時間の長丁場、まったく飽きることがありませんでした。特に第2楽章が絶品で、いかにもシューベルトといった感じの美しい第2主題など、涙が出てきました。
 ぽん太のようなおっさんにとって、シューベルトというと昔の白黒映画「未完成交響楽」のイメージです。1959年じゃなくて、1933年の方ね(「未完成交響楽(1933)」映画.com)。シューベルトは才能はあるが、貧乏で素朴でちょっとコミュ障。そんな彼に、伯爵令嬢のピアノ教師という仕事が舞い込みます。お決まりのように二人は恋に落ちますが、結局伯爵令嬢は別の士官の男性と結婚してしまいます。シューベルトは書き上げた交響曲のスコアの最後を破り捨て、余白にこう書き込みます。「我が恋の終わらざるがごとく、この曲もまた終わらざるべし」。
 か〜っ。いいな〜。これが例の未完成交響曲が、未完成で終わった理由かどうか、信じるも信じないもあなた次第です。

 アンコールは「皇帝円舞曲」。そういえば最初から、「ハフナー」と「グレイト」では使わないハープが置いてあったもんね。プログラムBのアンコールはムーティの母国イタリアの曲でしたが、今日はウィーン。微妙なタメや間、強弱など、代々引き継がれてオケに染み込んでる感じで、素晴らしいフィナーレでした。コロナでブラボー禁止なので、聴衆全員によるスタンディングオベーション。ムーティも満足そうな表情でした。
 

 

リッカルド・ムーティ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

2021年11月11日
サントリーホール

プログラムA
 モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調 K. 385「ハフナー」
 シューベルト:交響曲第8番 ハ長調 D. 944「グレイト」

 アンコール J. シュトラウスII世:『皇帝円舞曲』作品437

2021/11/11

【クラシック】1年ぶりのコンサートに感動。ムーティ/ウィーンフィル/プログラムB

 コロナがなぜかわからないけど激減しているので、久々にクラシック・コンサートへ。前回が去年のウィーンフィルだったので、ちょうど1年ぶりです。この1年間辛かったです。

 指揮はリッカルド・ムーティ。たしかぽん太が高校生の頃から振ってたと思うので、長いですね〜。昔はイケメンのイタリア人という感じでしたが、年とりましたね〜。すごく細かく指図する指揮だった記憶がありますが、さすがに指示が減りました。ウィキペディアを見ると、心臓ペースメーカーを入れてるとのこと。それでもけっこう飛び跳ねてました。
 サントリーホールではいつもはP席を取るぽん太とにゃん子ですが、本日は祝日のためP席が取れず、ちょっとお高いA席になってしまいました。さすがに音のバランスがいいですね〜。あれ?なんかホルンが弱い気がするけど。P席だとホルンの後ろ向きのラッパが直撃するからか〜。

 一曲目のシューベルトの交響曲第4番は、ほとんど聴いたことがない曲。「悲劇的」という副題がついていますが、なんでもこの曲が書かれた1816年は、前年のインドネシアのタンボラ火山の大噴火による噴煙の影響で、ヨーロッパでは日照不足による壊滅的な気候変動が生じ、凶作、飢饉、物価上昇などの社会不安が生じたのだそうな(プログラムによる)。コロナ禍に苦しむ現在に通じるものとして、の曲を選んだのでしょうか。曲は、シューベルト的な美しいメロディや転調の妙はあるものの、暗く重苦しく、地味でした。

 二曲目は、ストラヴィンスキーのディベルティメント。これは完全に初めて聴いた曲です(事前にyoutubeで予習はしておきましたが)。元々はバレエ音楽だそうで、ストラビンスキー独特の変拍子や和音進行が楽しいです。2楽章だったか、管楽器とホルンの掛け合いが美しかったな〜。ホルンは小さな音での精妙な合奏で、並のオケなら一ヶ所ぐらいは音が外れそうなところを、完璧な演奏。そしてクラリネットが素晴らしかった。あとで調べてみたら、ダニエル・オッテンザマーという超有名奏者か? 

 ラストはメンデルスゾーンの「イタリア」交響曲。コロナ禍の鬱憤を晴らすかのような、きらびやかで生き生きとした演奏。意表をつくピチカートで始まる序奏に続く、伸びやかな第一主題を聴くだけで、喜びが込み上げてきます。ややゆったりしたテンポでしたが、そのぶん様々なニュアンスが次々と浮かび上がってきました。メンデルスゾーンらしいサービス精神旺盛な曲ですね。ウィーンフィルで聴くこういう楽しい曲は素晴らしいです。

 アンコールはヴェルディの「運命の力」序曲。ムーティーはお手ものといった指揮ぶりで、とてもドラマチックでした。オペラ公演で聴いたら、序曲だけでお腹いっぱいになりそう。

 来週のAプロも楽しみです。

 

リッカルド・ムーティ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

2021年11月3日
サントリーホール

プログラムB
  シューベルト:交響曲第4番 ハ短調 D. 417「悲劇的」
  ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント~バレエ音楽『妖精の接吻』による交響組曲~
  メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調 作品90「イタリア」

  アンコール:ヴェルディ:「運命の力」序曲

2021/09/30

【展覧会】家光の「兎図」が凄すぎる!/「動物の絵 日本とヨーロッパ」府中市立美術館

 2021年の9月だったか10月だったか、府中市美術館の展覧会を見に行ってきました。

 この美術館、時々面白い企画をやりますね。今回は日本とヨーロッパの動物の絵を集めるという企画でした。

【展覧会】動物の絵 日本とヨーロッパ
【会場】府中市美術館
【見学日】2021年9月〜10月(前期)
【観覧料】1000円。
【公式サイト】・http://fam-exhibition.com/doubutsu/
【出品目録】・展示予定表pdf

 こんかい一番おもしろかったのは徳川家光の絵。こ、これは下手です。本人は下手だと気がついていたのでしょうか。側近たちは、笑いをこらえながら「殿、素晴らしい出来です」などと言っていたのでしょうか。いろいろ想像してしまいます。

 前後期を合わせるとなんと10点の出品でしたが、ぽん太は前期しか見なかったので、「兎図」(個人蔵)、「木兎図」(個人蔵、下関市立歴史博物館寄託)、「枯木に木兎図」(個人蔵)、「木兎図」(養源寺・東京都文京区)、「竹に雀図」(個人蔵)、「鶏図」(個人蔵)の6点でした。特に代表作の「兎図」は、ウサギの帽子を被った人が立っているのかと思ったら、切り株の上にウサギがいるとのこと。笑いが止まりませんでした。

 ギュスターブ・モローの「一角獣」がギュスターブ・モロー美術館からはるばる来日。群馬県立美術館のオディロン・ルドンの「ペガサスにのるミューズ」が見れたのもよかったです。伊東若冲の巨大な「象と鯨図屏風」(MIHO MUSEUM)もすごい迫力。象の耳が切ったゆで卵みたいでした。

 長谷川潾二郎の「猫と毛糸」(個人蔵)は初めて見ましたが、猫がなかなか可愛かったです。

 宗達の「狗子図」(個人蔵)や応挙の「雪中狗子図」(個人蔵)は定番か? 

2020/11/29

【バレエ】中村恩恵×首藤康之×新国立劇場バレエ団 シェイクスピア「ソネット」

 新型コロナ第3波がヒタヒタと忍び寄るなか、コロナ対策をしながらの開催が決定された『シェイクスピア「ソネット」』を新国立劇場に観に行ってきました。感想を書かぬまま1年経ったら、すっかり内容を忘れてしまいました。
 備忘録のためデータだけアップしておきます。


中村恩恵×首藤康之×新国立劇場バレエ団
『Shakespeare THE SONNETS』
シェイクスピア「ソネット」

2020年11月29日
新国立劇場 中劇場
【構成・演出・美術原案】中村恩恵、首藤康之
【振付】中村恩恵
【音楽】ディルク・P・ハウブリッヒ
【照明】足立 恒
【音響】内田 誠
【公式サイト】
https://www.nntt.jac.go.jp/dance/shakepeare-sonnets/
http://cms.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_019157.html

【キャスト】首藤康之、米沢 唯

2020/11/14

【クラシック】ゲルギエフ、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団『牧神の午後への前奏曲』『海』『火の鳥』

 実は1年ほど後に書いた記事なので、備忘録としてデータのみ。

 コロナ禍のなか、来日したことだけでびっくりしたウィーンフィルの演奏会。
 なんでも楽団員全員を来日中ずっと隔離状態にするという「バブル方式」をとることで、来日が許可されたらしい。
 しかも指揮はゲルギエフ。
 ロシア繋がりの『火の鳥』が流石に素晴らしかった気がする。
 アンコールはチャイコフスキーの『眠りの森の美女』から「パノラマ」だったが、バレエでは踊れないようなゆっくりしたテンポの演奏で、まったく違う音楽に聞こえた。

ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2020
ワレリー・ゲルギエフ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

2020年11月14日(土) 16:00開演
サントリーホール 大ホール

公式サイト:https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20201114_M_2.html

指揮:ワレリー・ゲルギエフ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ドビュッシー:『牧神の午後への前奏曲』
ドビュッシー:交響詩『海』~3つの交響的スケッチ~ 
ストラヴィンスキー:バレエ音楽『火の鳥』(全曲、1910年版)

アンコール:チャイコフスキー『眠りの森の美女』より「パノラマ」

2020/08/19

【歌舞伎】コロナ禍で半年ぶりの歌舞伎座 2020年8月歌舞伎座、第二部・第三部

 コロナ禍のせいで半年ぶりに観に行った歌舞伎。すでに公演は行われておりましたが、行き帰りの電車が怖くて行けませんでした。

 座席は一個飛びで、場内での会話は自粛。もちろん大向こうもなし。それでも久々に観た歌舞伎はとっても良かったです。なんか涙が出そうになりました。

 この記事を書いているのは実は2022年1月で、あんまり記憶に残っておりません。でも、勘九郎と巳之助の「棒しばり」に、勘三郎と三津五郎を思い出し、「吉野山」では七之助の美しさに見とれたのを覚えております。

 覚書のため、データのみ残しておきます。

 

八月花形歌舞伎
2020年8月
歌舞伎座

公式サイト

第二部
 棒しばり
  次郎冠者 勘九郎
  太郎冠者 巳之助
  曽根松兵衛 扇雀

第三部
 義経千本桜 吉野山
  佐藤忠信実は源九郎狐 猿之助
  逸見藤太 猿弥
  静御前 七之助

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